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『労働審判』と聞いてもどのような制度なのか、どのような流れで手続きを進めればいいのかわからないという方が多いのではないでしょうか。
労働審判とは2006年4月に導入された制度であり、裁判所の労働審判委員会が主催する、労働紛争を解決することを目的とした紛争解決制度です。
労働審判は上記のような労働問題が起きた場合に役立つ制度です。
労働審判を活用するのであれば、まずは労働審判について知識を得ておくべきでしょう。
本記事では、労働審判の流れや労働審判に手続き、労働審判の正確な概要など、労働審判についての基本的な情報をわかりやすくご説明します。
まずは、労働審判の制度について解説します。
労働審判は2006年4月に導入された、使用者と労働者の間の紛争を適正かつ迅速に解決するための審判制度です。
合計3人で構成された労働審判委員会の下で行われます。
労働審判は原則として3回以内の期日で審理(裁判官が取調べをして事実関係などを明らかにする行為)が終わるものとされていますが、実務的には1回ないし2回の審理で終わることが多いです。
引用:労働審判|裁判所
労働審判では、事案と当事者の意向を踏まえて、まずは和解による解決を目指します。和解が成立しない場合には、手続に現れた一切の事情を考慮して労働審判委員会が一定の裁決(審判)を下す場合が多く見受けられます。
当該裁決(審判)に対しては、当事者は2週間以内に異議の申し出が可能であり、異議の申し出があれば労働審判の審判は無効になり、当然に、通常訴訟手続に移行します。
労働審判の目的は、給与の不払いや解雇などといった事業主と個々の労働者の間で発生した労働紛争を、迅速・適正かつ効果的に解決することにあります。
(目的)
第一条 この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。
引用:労働審判法
例えば、労働審判では、未払いの残業代請求や不当解雇といった会社と労働者の間で生じた労働問題の解決を争うことが可能です。
もちろん、残業代や解雇などの典型的な紛争以外でも、労働紛争と評価し得るものであれば対象となり、請求する権利・利益の大小に関わらず労働審判を申し立てること自体は可能です。
労働審判手続きの対象については下記をご覧ください。
労働審判には、迅速かつ柔軟な処理を目指す制度であり、通常の訴訟手続とは異なる特徴があります。
以下、具体的に説明します。
原則として、労働審判の手続きは3回以内の期日で審理を終了することになっています。ここで言う「期日」というのは、「当事者双方が裁判所に行って主張を行う場」のことです。
通常訴訟の場合には10回以上の期日が開催されることもあり、通常訴訟の期日が開催されるのは1ヶ月に1度程度であるため、終わるまでに12ヶ月程度掛かることが頻繁にあります。
しかし、労働審判の場合には、申し立ての日から労働審判の第1回期日は40日以内とされており、多くの事件では、申し立てから終結までの平均審理期間はおおよそ2ヶ月半程度(約75日)となっています。
労働審判の平均審理期間を通常訴訟の12ヶ月と比べると、極めて迅速に紛争を解決することが期待できます。
(迅速な手続)
第十五条 労働審判委員会は、速やかに、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をしなければならない。
2 労働審判手続においては、特別の事情がある場合を除き、三回以内の期日において、審理を終結しなければならない。
引用:労働審判法
通常訴訟の場合には1人で行うか複数で行うかの違いはありますが、必ず職業裁判官が審理を行います。
労働審判の場合には職業裁判官(労働審判官)に、労働審判員(裁判官ではない有識者)2人で構成される「労働審判委員会」によって審理が進められます。
このような労働審判員には労働者側の団体(労働組合など)と経営者側の団体(経営者協会など)からそれぞれ1人ずつ選ばれます。
(労働審判委員会)
第七条 裁判所は、労働審判官一人及び労働審判員二人で組織する労働審判委員会で労働審判手続を行う。
引用:労働審判法
(労働審判員)
第九条 労働審判員は、この法律の定めるところにより、労働審判委員会が行う労働審判手続に関与し、中立かつ公正な立場において、労働審判事件を処理するために必要な職務を行う。
2 労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命する。
引用:労働審判法
このように、職業裁判官だけでなく、雇用の実態について知識・経験が豊富と思われる労働審判委員が加わることで、社会常識も踏まえた柔軟な判断が可能となると考えられています。
また、労働審判手続では、当事者の主張立証を尽くさせるよりは、むしろ当事者双方の意向を踏まえた和解成立による解決を目指します。
そして、そのような調整を尽くしてもなお解決に至らない場合に、労働審判委員会としての一方的裁定である審判を行うものとされています。労働審判事件の約70%が調停により終了しています。
条文でも「調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(・・・)を行う」と規定されています。
(目的)
第一条 この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。
引用:労働審判法
そのため、労働審判手続では、労働審判委員会から当事者双方に事実関係や法的評価について口頭でのやり取りが多くなされ、そのようなやり取りを経て心証を形成していくという処理が行われます。
通常訴訟において、当事者双方が書面による主張・立証を積み重ねていくことを想定していることに比べ、非常に柔軟な処理の仕方と言えます。
また、労働審判手続では、労働審判委員会は和解や審判するにあたって、申立人の請求に拘束されません。そのため、申立人の請求にとらわれない、柔軟な解決法を提示することが可能とされています。
訴訟も、労働審判も、代理人を選任することは特に義務付けられてはいません。
しかし、訴訟手続は厳格な手続であるうえ、裁判官から十分なサポートが受けられるとも限らないため、法的な知識・経験がない本人のみでは対応が難しいことが多いと言われています。
他方、労働審判手続は、まずは話合いによる解決を目指す制度であり、協議の中で労働審判委員会からある程度手厚いサポートを受けられます。そのため、訴訟手続に比べれば、労働審判手続は代理人をつけずに本人だけで対応することがしやすい手続と言えそうです。
労働審判で代理人をつけない場合には、裁判所のホームページから申立書や証拠説明書といった書式をダウンロードして、みずからこれを作成して、自身が証拠となると考える資料を用意して、裁判所に提出する必要があります。
また、労働審判期日には自分一人で期日に出頭して、労働審判委員会とやり取りすることになります。
上記のとおり、労働審判手続は短期間で審理が終わるため(原則として3回まで)、申立人としては十分な準備を行ってこれに臨みたいところですね。
それでは、労働審判の対象となる労使紛争(労働者と使用者との間の紛争)とは具体的にどういったものなのでしょうか。
労働審判で申立対象となるのは、労使間の権利・利益に関わる争いの一切とされています。また、労働審判の申立は、労働者又は使用者のいずれからでも可能とされています。
ここでいう労働者とは、会社と雇用契約関係を締結する当事者であり、具体的には以下のような立場の方々です。
他方、使用者とは、会社又は雇用主の意味です。労働審判は労働者が申し立てるケースが圧倒的に多数ですが、実は会社からも申立てが可能です。
労働審判では上記のとおり、労使間の権利・利益に関わる紛争が対象とされます。
労働審判で取り扱われる主な紛争は以下のとおりです。
労働審判を活用することでこのような賃金トラブルの解決が期待できます。
労働審判を活用することでこのような雇用トラブルの解決が期待できます。
労働審判は使い勝手のよい便利な制度ですが、労働審判で実際に扱われているトラブルの多くは賃金関係と雇用関係です。
では、労働審判はあらゆる労使間の紛争について利用可能かと言われれば、答えはNoです。
労働審判に適さない場合を簡単にご紹介します。
労働審判は、個々の労働者と事業主との間に生じた個別労働紛争を対象とする手続きです。そのため、会社側が団体交渉を拒否するというような集団的労使紛争で労働組合と事業主との間に生じた紛争は労働審判の対象にはなりません。
労働審判はあくまで労使間の紛争を解決する手続きであり、労働者間の紛争を解決するためのものではありません。
例えば、職場の上司からセクハラ・パワハラを受けたことを理由に、その上司個人に対して慰謝料(損害賠償)を請求したいというような場合、労働審判を利用することはできません。しかし、当該上司のパワハラ・セクハラを適切に把握してこれを除外するべき立場にある会社が、それをしなかったこと(職場環境配慮義務に違反したこと)を理由として、会社に対して損害賠償請求をするということであれば、労働審判で扱うことができます。
なお、当然のことですが、労働審判手続は労使間の民事的紛争を解決する手続きであり、労使の刑事責任を追及する場ではありません。したがって、労働審判の場で相手の刑事責任を訴えても、直接的には意味がないということになります。
公務員を一方の当事者とする任用上の紛争は、労働審判法第1条の「民事に関する紛争」に該当しません。
(目的)
第一条 この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。
引用元:労働審判法第1条
そのため、公務員に対する分限処分(職員に行われる処分)や配置転換などの問題は、労働審判手続の審理対象とはなりません。
国や地方公共団体を相手方として公務員がセクハラ・パワハラについて職場環境配慮義務違反を理由に損害賠償を行ったり、現業公務員が国に対して残業代を請求する場合などは、労働審判の審理対象となります。
労働審判は原則として3回以内の期日で審理を終わらせることとなっています。
そのため、紛争の内容からして簡易・迅速な解決になじまないような紛争は、そもそも労働審判を利用することに適さないとされ、労働審判委員会の判断で手続終了となる可能性もあります。
例えば、労働者の過労死・過労自殺の事案や就業規則の不利益変更の有効性に関する紛争などは、簡易・迅速な手続になじまないとして、労働審判手続きの利用を不可とされる可能性があります。
参考:裁判所|労働審判手続の対象となるのは,どのような紛争ですか。
労働審判の申立てには印紙代と郵便代が必要です。
必要額は請求する金額や紛争の種類によって異なりますが、労働審判の申立ては比較的低料金で行うことができます。
労働審判の申立てには、収入印紙代が必要になります。
印紙代は申立てを行う内容によって異なり、相手方に対して未払い給与や残業代といった金銭を請求する紛争については、請求金額に応じて増加することが民事訴訟費用等に関する法律で定められています。
例えば、
となります。
印紙代についての詳細は裁判所の手数料額早見表をご確認ください。
参考:手数料額早見表|裁判所
また、不当解雇や退職強要などの解雇トラブルでは金銭に換算することが難しくなるため、請求金額を160万円とみなします。その場合、印紙代は一律6,500円となります。
労働審判の申立てには印紙代の他に郵便代が必要になります。郵便代は相手方に必要書類を送付する際にかかる郵便切手代のことです。
郵便代は裁判所によって金額が異なりますが、おおよそ2,000円前後かかると言われています。
例えば、横浜地方裁判所で労働審判を申立てた場合にかかる郵便代は3,060円になります。
(500円4枚、100円4枚、82円3枚、50円2枚、20円10枚、10円10枚、1円14枚)
郵便代は裁判所によって異なるため、労働審判を申立てる裁判所に確認してみましょう。
労働審判は、労働問題解決に適した便利な制度ですが、利用した際のメリットとデメリットが存在します。
まず、労働審判を利用した際のメリットをご紹介します。
労働審判は原則3回の期日とされているので、通常の裁判に比べると早く終了します。
実務的には1回、2回の審理で終結する場合も多く見受けられます。
(迅速な手続)
第十五条
2 労働審判手続においては、特別の事情がある場合を除き、三回以内の期日において、審理を終結しなければならない。
引用:労働審判法
訴訟では争点に対する主張・立証を的確に積み重ねていく必要があります。
他方、労働審判は基本的には話合いによる解決を目指す制度であり、かつ期日回数の制限もあるため、そこまでの厳格な主張・立証は求められません。
また、労働者に法的な知識がない場合には、専門的な知識を持った労働審判員がサポートしてくれます。そのため、申立人側からすれば利用しやすい制度と言えます。
労働審判は、職業裁判官である労働審判官と、労使間の実務に精通した労働審判委員が協力して審理を担当します。
そのため、労働審判手続は簡易・迅速な手続といえどもそれなりに充実した審理が実施されており、実務感覚も踏まえた柔軟かつ公平・公正な解決を期待できます。
通常裁判における口頭弁論期日は公開法廷で行われることとされています。
これに対して、労働審判手続は原則非公開であり、当事者以外の人間は基本的に参加できません。
そのため、自身のプライバシーが漏洩することを不安に思うことなく手続きを進められます。
(手続の非公開)
第十六条 労働審判手続は、公開しない。ただし、労働審判委員会は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。
引用:労働審判法
メリットが多い労働審判ですが、いくつかのデメリットも存在します。
労働審判のデメリットについて紹介します。
労働審判において話合いによる解決が難しい場合、労働審判委員会は手続に現れた一切の事情を考慮して、相当と考える審判を行うことができます。この審判は、裁判所による一方的裁定行為であり、当事者を拘束します。
しかし、当事者は、当該審判に対して所定期間内に異議を申し立てることが可能であり、仮に異議申立てがあれば審判は当然に失効します。
そして、手続は当然に通常訴訟に移行することになります。この異議申立てには理由が不要であり、「労働審判が気に食わない」という恣意的な理由でも問題ありません。
このように異議が申し立てられた場合、労働審判で行われた審理は無駄になってしまう可能性もあり、場合によっては最初から訴訟提起した場合に比して多くの時間と労力がかかってしまうこともあります(労働審判手続の記録は、通常訴訟には引き継がれませんので、各当事者は労働審判手続での主張を、改めて通常訴訟で行う必要があります)。
したがって、当初から労働審判で解決することができそうにないことが想定されるような場合には、初めから訴訟提起した方が早く済むと言えます。
前項でもご紹介した通り、労働審判に適応する紛争は限られています。
労働審判は労使間の個別的労働紛争を対象にした手続きであり、労働組合が関わるような集団的労使紛争の事案や、セクハラやパワハラを巡る労働者間のトラブルには対応していません。
このような問題を争いたい場合には、労働審判とは別の手続を検討する必要があります。
また、公務員の場合は、労働審判手続を利用できる場合が限定的です。公務員は、通常労働者とは異なる法規範の下で国に使用されている立場にあり、通常の労使間の争いを裁定する労働審判手続きにはなじまないのです。
労働審判では話し合いを主として審理を進めていきますが、話合いが決裂して審判を行うという場合、労働審判委員会は審判までに手続で現れた一切の事情に基づき、妥当と考える裁定を行います。
そのため、労働審判委員会は手続の中で心証を形成するため、当事者双方に主張・立証についての疑問点等を口頭でぶつけてきます。当事者は双方とも事実関係を十分に把握し、労働審判委員会からの質問に的確に回答・対応する必要があります。
もし、当該質問に対してしっかりとした対応ができないと、労働審判委員会に不利な心証を持たれてしまう可能性があります。
また、口頭だけでの説明では当然限界がありますし、労働審判委員会に信用してもらうことも難しいため、手続を申し立てるのであれば、できる限り主張を裏付ける証拠(書証)を用意するように努めましょう。
労働審判では申立てから終了まで、平均して約75日前後かかります。
ここからは、労働審判手続きの流れをわかりやすく解説します。
労働者又は使用者は、地方裁判所に労働審判を求める申立書を提出して申立てを行います。書類の提出は裁判所に持参してもよいですし、郵送してもよいです。
労働審判の申立ては本人が自らこれを行ってもよいですし、代理人に依頼して代理人を通じて行ってもよいです。
申立書を提出する先の地方裁判所は管轄のある裁判所である必要がありますが、労働審判の管轄は以下のように決まっています。
(管轄)
第二条 労働審判手続に係る事件(以下「労働審判事件」という。)は、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所、個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所の管轄とする。
引用:労働審判法
労働審判の申立ては必ず書面により行われる必要があります。
(労働審判手続の申立て)
第五条
2 前項の申立ては、申立書を裁判所に提出してしなければならない。
引用:労働審判法
申立書に記載するべき事項も一定のルールに従う必要があります。まず、宛先(裁判所の名前)、申立書の作成日付、申立て人や相手方の氏名(名称)住所や連絡先といった基本的事項は必須です。この他、「申立ての趣旨」「申立ての理由」「予想される争点に対する主張」を記載する必要があります。
相手方に求める金額や解雇の無効といった最終的に労働審判委員会に出してほしい審判主文のことです。もっとも、労働審判委員会は当該「申立ての趣旨」に拘束されずに裁定を下すことができます。
「申立ての趣旨」で求める権利の発生原因事実となる事実関係のことです。ここでは、権利を発生させる要件事実を踏まえつつ、具体的かつ詳細な事実経緯を記載する必要があります。
自身の主張に対して相手方から予想される反論を踏まえ、これについての自身の再反論を記載するものです。
労働審判手続は簡易・迅速な手続であるため、当事者双方の争点とこれに対する主張・立証を迅速に把握する必要があるため、申立て時点で争点事項とそれについての主張について申立書に記載しておくことが求められます。
労働審判では主張を基礎づける証拠書類の提出も申立書と同時に提出することが求められます。
例えば、未払い残業代などの賃金関係の紛争の場合に証拠となる書類は、雇用契約書、給与明細、就業規則、賃金規定、タイムカードなどを証拠として提出することが想定されます。
また、解雇の効力を争うような場合には、雇用契約書、就業規則、解雇通知書、解雇理由書などを証拠として提出することが想定されます。
労働審判手続きに必要な書類は以下をご覧ください。
申立てが受理されると、裁判所から第1回目の期日を指定されます。申立てをしてから、原則として40日以内に第1回目の期日が開催されることになっています。
その後、裁判所は、相手方に申立書と期日呼出状を送付して出頭及び答弁書提出を求めます。相手方の答弁書は、第1回期日より前に提出されます。答弁書は申立人にも直接送付されますので、これにより相手方の具体的な主張・反論の内容を把握できます。
もし、必要と考えるのであれば、期日前に答弁書に対する反論書面を提出することも可能です。
(労働審判手続の第一回の期日の指定・法第十四条)
第十三条
労働審判官は、特別の事由がある場合を除き、労働審判手続の申立てがされた日から四十日以内の日に労働審判手続の第一回の期日を指定しなければならない。
引用:労働審判規則
労働審判手続は、当然、申し立てた先の裁判所で行われます。
期日には職業裁判官(労働審判官)1人、労働審判員(労働実務の有識者)2人の合計3人で構成された労働審判委員会が行います。
第1回期日では、申立人と相手方双方から提出された主張書面(及び証拠)を踏まえ、労働審判委員会が必要と認める範囲で当事者に対して補充を求める形で進みます。
最初は当事者双方同席のもとで審理が進められますが、その後、申立人・相手方双方から別々に話を聞くスタイルが一般的です。
もし、第1回期日の時点で当事者間の調整が可能であれば、労働審判委員会は当事者に対して和解の方向性について確認し、和解に向けた話合いを行います。話合いの結果、和解が成立すれば、1回目の期日で手続が終了することもあります。
平成22~26年に行われた労働審判のうち28.4%が第1回で調停成立となっています。
参考:労働審判制度等について
もし、第一回期日で和解が成立しない場合は、第2回期日が開かれます。
ここでは、第1回期日で当事者双方に宿題とされた主張・立証の補充や、和解の検討結果の報告などが行われるのが一般的です。第2回期日でも、基本的には話し合いによる和解成立を目指した調整が行われます。
実務的には、多くのケースで第2回期日までに和解が成立して手続終了となります。
もし、第2回期日でも調整ができない場合は第3回期日で再調整を試みますが、第2回期日でも調整できない場合は、審判による解決も視野に入ってきます。
労働審判期日は原則3回までとされていますので、第2回期日で話し合いが成立しない場合、最後の期日として第3回期日が指定されます。
この期日に話合いでの解決に至らない場合には、労働審判委員会が手続に現れた一切の事情を考慮して審判を下すのが通常ですが、和解で終了できる可能性が極めて高いという場合には4回目の期日が指定されることもあります。
なお、労働審判委員会による審判に対して2週間以内に異議の申し出がされなければ、審判が確定して手続は終了します。審判が確定した後は、当事者は審判内容を争うことはできません。
労働審判手続きの場で行われる話し合いを調停と呼ぶこともあります。
労働審判の期日は原則として3回までとされており、限られた期日の中でできる限り和解による解決を目指すものとされています。
実際、労働審判事件の全体のうちの約70%が調停によって終結しているといわれています。
なお、労働審判期日で調停が成立して調書が作成された場合、当該調書は確定判決と同一の効力を持つものとされ、当事者は後日その内容を争うことはできませんし、相手が義務を行わない場合には調書に基づいて強制執行も可能です。
労働審判手続内で調停が成立しない場合には、労働審判委員会は手続に現れた一切の事情を考慮して、相当と認める裁定処分を行います。この裁定処分は審判といわれています。
労働審判委員会は、当事者の主張・立証の内容に拘束されずに、相当と認める審判を行うことができますので、当事者からすれば請求していない内容の審判がされることもあります。
審判については、上記のとおり2週間以内に異議申立てができますが、これがされなければ確定し、確定判決と同一の効力を持つことになります。
そのため、相手方が、審判で確定した義務を行わない場合には、やはり強制執行(差し押さえなど)手続きに進むことができるようになります。
労働審判委員会による審判内容に異議のある当事者は、審判言渡し日(又は審判書の送達日)から2週間以内に異議を申し立てることができます。
この異議申立ては特に理由を求められませんので、当事者はどのような理由でも異議を申し立てることができます。当事者から所定期間内に異議申立てがあった場合、審判は当然に効力を失います。
審判に対して異議の申立てがされた場合、労働審判手続きは当然に通常訴訟に移行します。この場合、申立人は、訴状に代わる準備書面を裁判所の指定期間内に提出することになります。
(労働審判をしない場合の労働審判事件の終了)
第二十四条
2 第二十二条の規定は、前項の規定により労働審判事件が終了した場合について準用する。この場合において、同条第一項中「当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた」とあるのは、「労働審判事件が終了した際に当該労働審判事件が係属していた」と読み替えるものとする。
引用:労働審判法
なお、労働審判から通常訴訟に移行しても、労働審判の記録は引き継がれません。そのため、当事者は、必要と認める主張・証拠を改めて提出し直す必要があります。
労働審判を行う際にはどのような点に留意すれば良いのでしょうか。
労働審判を利用するにあたって知っておくべき事項をいくつかご紹介します。
労働問題について争う場合には、自身の請求・主張を基礎づける証拠の確保が重要です。
例えば、残業代請求をしたいのであれば、残業をした事実や未払残業代の金額について申立てる側が主張・立証をしなければなりません。
この場合、勤務時間を示すためのタイムカードなどの勤怠記録、労働条件が記された雇用契約書などを、労働審判手続きを進める前に、予め確保して、これに基づいて主張を構成しましょう。
最高裁の制度の運用情報によると、労働審判にかかる期間は約70日程度となっています。
扱う事案の内容によって解決するまでの日数が異なるために、必ずこの期間内で終わるという断定はできませんが、おおよその目安として申し立てから概ね2〜3ヶ月程度の期間で終了するといわれています。
労働審判は原則として3回以内の期日で終結します。統計的には、労働審判事件の約30%が第1回目の期日までに終了しているようです。また、終了事由としては、約80%で調停成立による終了のようです。
労働審判は、上記のとおり、本人のみでの手続遂行も不可能ではありませんが、裁判所は代理人弁護士に依頼することを推奨しています。したがって、労働審判の申立てを検討しているのであれば、少なくとも事前に弁護士の法律相談を受けるくらいはした方が良いかもしれません。
労働審判制度は平成18年4月に始まった比較的新しい制度です。労働審判という聞き慣れない制度について不安を覚える方もいるかもしれません。
こちらでは、労働審判に適している人を明確な理由と共に解説します。
上記の通り労働審判は平均して約70日で終結します。
通常訴訟で労働問題を解決する場合には、解決まで1年以上かかる場合もざらです。他方、労働審判が第1回で解決・終了した場合、申立てから解決までわずか40日程度です。労働審判では、非常に早い期間での解決を望めることがわかります。
仮に、労働審判の第1回期日で終了しなくとも、労働審判手続は原則として3回の期日で終結します。そのため、通常訴訟のように延々と期日出頭を繰り返すということがありません。
このように、労働問題を早期で解決したいという人には、労働審判は適切な制度であると言えます。
会社との交渉が頓挫してしまっている場合も労働審判の活用が適しています。
労働審判は、職業裁判官(労働審判官)1人と労使関係の有識者(労働審判員)2人が主導して、労使間の紛争についてまずは話合いでの解決を模索する手続きです。
そのため、会社との交渉がうまく進まないという場合、労働審判手続きを申立て、労働審判委員会を間に入れて協議をすることで、協議がまとまる可能性があるかもしれません。
残業の事実が明白であるのに、残業代が未払いであるなど、会社の対応が違法であることが明らかであるような場合は、労働審判の利用が適しています。このような場合、労使間で揉めることが少ないため、割とスムーズに労働審判手続が進められます。
もっとも、会社の対応が違法であることが明白であるケースはそれほど多くはありませんので、この点の見通しは事前に弁護士に相談して確認するべきでしょう。
労働審判を行うべきケースはお分かりいただけたと思います。では、労働審判に適さない人もいるのでしょうか?
労働審判に適さないケースをご紹介します。
パワハラ・セクハラなど詳細な事実確認が必要なケースでは、録音・録画記録などの客観的証拠によりハラスメント行為の事実が明確であるような場合を除き、あまり労働審判手続きにはなじみません。
このような客観的証拠がない場合、結局、ハラスメントの事実を周辺事情や関係者の証言を基に認定せざるを得ませんが、回数に限りのある労働審判手続にそのような重厚な審理はなじまないと言われています。ただし、東京地裁においては、パワハラ・セクハラ案件が平成26年に9%台になっているとの報告(「(座談会)労働審判創設10年―労働審判制度の評価と課題」ジュリスト1480号20頁)もありますので、労働審判に適する事案か弁護士に相談して解決の見込みを確認しておくとよいでしょう。
労働者が過労死した、過労自殺したという事案も、労働者の労働時間を始めとする労働実態を詳細に認定しつつ、死亡・自殺と労働行為との因果関係を認定していくことになります。
このような重厚な審理は、簡易・迅速をモットーとする労働審判にはなじみません。
過労死、過労自殺に関する相談、問題解決をご希望の場合、まずは弁護士の無料相談を活用しながら、どのような解決策があるのか、知識を得るところから初めてみてはいかがでしょうか。
労働審判は本人のみの利用について比較的ハードルの低い手続きです。しかしそれでも、裁判所は代理人弁護士を選任することを推奨しています。
ここからは労働審判で弁護士を立てるメリットと、それにかかる平均的な弁護士費用をご紹介します。
労使間の問題を正確に把握・分析するには、やはり専門的知識と経験が必要です。
本人のみでは当該把握・分析ができず、何が論点となるのか、何を主張・立証すれば有利・不利となるのかの判断は難しいのが通常です。
弁護士に依頼することで、当該事案の把握・分析をスムーズに行うことができ、手続開始当初から充実した審理を行うことが可能となります。
これは弁護士に依頼することの大きなメリットの一つです。
これ以外のメリットも、面倒な申立書の作成や証拠の準備を一任できる、労働審判手続きでの労働審判委員会とのやり取りをサポートしてもらえるなど多々あります。
弁護士費用は事務所によって設定が異なるため、特に決まった相場等があるわけではありません。
ただ、一般的な目安としては以下のようなことがいえるかもしれません。
労働問題について弁護士に相談するには相談料がかかります。法律事務所によって額に差はありますが時間制になっている場合が多く、30分で5,000円(税抜)、1時間で10,000円(税抜)というように設定されています。
ただ、労働問題分野では初回相談料を無料に設定している事務所も少なくありません。
着手金とは依頼された事件に着手するために必要な弁護士費用のことです。労働審判で弁護士を利用することが決まったら、契約するときに着手金を支払うことになります。
着手金の金額は事案次第ですが、一般的には30~60万円の範囲に収まるケースが多いのではないかと思われます。請求額の5%~10%程度を着手金としている事務所も多く見受けられます。
また、着手金は依頼した時点で発生することとなっており、労働審判の結果に左右されません。そのため、労働審判が失敗に終わっても着手金は返金されません。
中には、着手金を0円と設定している法律事務所も存在するようです。弁護士の技量は着手金が高いか低いかで決められることではありません。かかる費用だけではなく、法律相談で面談して受けた印象や、法律事務所の評判などを参考にして依頼する弁護士を選びましょう。
弁護士に依頼して労働審判が成功した場合、成功報酬が発生します。
労働審判においての成功報酬も事案や弁護士との契約内容によってケースバイケースですが、一般的に会社から得られた利益の15~30%の範囲で設定されていることが多いようです。
また、過去に弁護士会で定められていた成功報酬の割合をそのまま使用している弁護士事務所も多く見受けられます。今は廃止されていますが、以前は得られた利益が300万以下の場合には16%、得られた利益が300万以上3000万以下の場合には10%という割合が成功報酬に定められていました。
個々の弁護士事務所や契約内容によって異なりますが、弁護士の日当や書類の作成料金、切手代などの実費費用といった、着手金や成功報酬とは別にその他の経費が必要になる場合もあります。
中には、これらの費用を着手金に予め含めている弁護士事務所も存在します。
労働審判に必要な書類の作成は弁護士ではなく本人で行うことができます。しかし、弁護士に依頼することによって、作成するための時間と労力を負担しないで済むこと、事案についての主張や証拠を弁護士の経験や専門知識を交えて作成してもらえるため正確性のある書類となる、といったことが期待できます。
また、弁護士の日当につき、着手金とは別に、時間制で1時間30,000円または1回の出頭で30,000円などと契約で設定している法律事務所もあり、裁判所への出頭回数が増えた場合には、追加で弁護士費用がかかってくることになります。
労働審判は迅速であり適正であり柔軟的な制度です。
労働問題をスムーズに解決するために、労働審判手続きの流れを理解して行動しましょう。
また、労働審判は1人でも行える手続きですが、裁判所が代理人として弁護士を依頼することを推奨していますし、ご自身の判断に大きな見込み違いがあるかもしれません。不安な点がある場合には弁護士に依頼してみるのも良いでしょう。
弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます
労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。
・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
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など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。
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労働審判とは、2006年4月に導入された、地方裁判所で職業裁判官(労働審判官)1人と使用者側有識者、労働者側有識者(労働審判員)各1名ずつの合計3人で構成された労働審判委員会の下で、使用者と労働者の間の紛争を適正かつ迅速に解決するための審判制度です。労働審判の目的は、給与の不払いや解雇などといった事業主と個々の労働者の間で発生した労働紛争を、迅速・適正かつ効果的に解決することです。
労働審判の流れを解説|労働審判を活用する際の手続きと解決フロー
労働問題であれば、権利・利益の大小関わらず労働審判を申し立てることができます。実際の手続では特に賃金関係と解雇関係の事件が主を占めています。
例えば、残業代・給与・退職金や賞与の未払いといった賃金に関する問題や、不当解雇・雇い止め・退職勧奨といった雇用に関する問題が多いです。
原則として、公務員の労働審判はできません。
公務員は、国家公務員法や地方公務員法に基づいて登用されており、民間の労働者とは立場が異なります。そのため、公務員と国・地方自治体との紛争は民事に関する紛争に該当しないものとして、労働審判の対象にはなりません。
弁護士費用は弁護士事務所によって金額が違うため、決定的に「いくら」という決まりはありません。
一般的に20~40万円+成功報酬(請求金額の15%~20%前後)の合計60~100万円程あたりが相場になっていますが、報酬基準は事務所単位で設定されており、報酬額も事案に応じて変動します。
弁護士に相談、依頼時に労働審判の申し立てにかかる費用がどれくらいかかるかをしっかり確認しましょう。
申立から終結まで平均75日(約2ヶ月半)ほどとなっております。原則3回以内で審理を終結しなければならないと法律で定められており、実際にも97%以上が3回以内、7割は2回以内で終結しています。
通常訴訟では一審手続は2年以内のできるだけ短い期間内に終えることが努力目標とされているにすぎず、回数も8~10回程度と多く、いかに労働審判に迅速性があることがわかります。
また、労働審判から通常訴訟に移行した場合でも、労働審判で,基本的に双方の主張立証は出尽くしているため、最初から通常訴訟を起こした場合よりも解決までの時間は短くて済みます。