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不当解雇とは|通常解雇との違いをわかりやすく解説

更新日:2020年04月09日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
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不当解雇(ふとうかいこ)とは

不当解雇とは、労働基準法や就業規則の規定を守らずに、事業主の都合で一方的に労働者を解雇することをいいます。

 

不当解雇となる例としては、

  • 「労働者の国籍、信条、社会的身分を理由とした解雇」
  • 「業務上の負傷や疾病のための療養期間およびその後30日間、ならびに産前産後休暇の期間およびその後30日間の解雇」
  • 「解雇予告を行わない解雇」
  • 「解雇予告手当を支払わない即時解雇」
  • 「労基法やそれにもとづく命令違反を申告した労働者に対する、それを理由にした解雇」
  • 「労働組合に加入したことなどを理由とする解雇」
  • 「不当労働行為を労働委員会等に申し立てなどをしたことを理由にした解雇」
  • 「女性であることを理由とした解雇」

が主なものとしてあげられます。

 

また、2003年の労基法改正の際に、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」という規定が盛り込まれました。

 

【関連記事】解雇と不当解雇の判断基準|不当解雇にあった場合の対処法

 

 

解雇とは

解雇とは、使用者(会社側)が期間の定めのない雇用契約及び期間の定めのある雇用契約を中途で解除すること(非正規雇用=会社と直接雇用関係を結んだ契約社員やアルバイト・パートタイマーや、人材派遣・登録会社からの派遣社員など=の契約解除も含む)をいいます。

 

使用者の一方的な意思表示であり、雇用契約の解除に当たり労働者の合意がないものをいいます。解雇は、使用者の一方的意思表示で行うものですが、労働契約法第 16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とされる。」と規定されており、安易に行えるものではありません。

 

期間の定めのある雇用契約の期間満了、及び退職勧奨に応じたことに伴う離職は、使用者の一方的な意思表示による雇用契約の解除ではないため解雇にはあたりません。 雇用保険の給付に当たり、解雇により離職した労働者は、一般に、自己都合退職等による場合に比べ有利な給付が受けられます。

 

ただし労働者が、使用者に解雇してほしいと依頼した結果、解雇となった場合は依頼退職に準じて取り扱われます。

 

不当解雇以外の3つの種類

普通解雇

普通解雇とは、労働者の労働能力の低下や労働適性の欠如、勤務態度不良など、労働者に起因する理由で行われる解雇のことになります。 リストラによる整理解雇や懲戒解雇とは区別して使われ、一般的に「解雇」といわれるものは、この普通解雇を指しています。

 

整理解雇や懲戒解雇は、リストラや懲罰など解雇を行う意味がはっきりとしています。 しかし解雇に対する意味とは別に、解雇を行うにあたっての必要な条件には、法律によって厳しく決められているのです。

 

まず、就業規則に解雇についての事項、解雇事由が明記されていなければいけないのです。 解雇に客観的に合理的な理由が認められるかどうかも、条件になります。

 

具体的に「客観的に合理的な理由」とは、次のようなものが挙げられるのです。

 

勤務態度などの不良

勤務成績や勤務態度の不良、職務能力の欠如などが理由となる解雇は、ただ単に、その事実があるだけでは、無効です。 注意や指導、教育などが、十分に行われたにもかかわらず改善されない、改善の見込みがないと判断された場合に限って、有効だと認められるのです。

 

私傷病

怪我や病気で、雇用契約通りに働くことが出来なくなったと判断された場合には、有効と認められるのです。 ただし、傷病の原因が会社側にもある場合、休職期間中や傷病回復の可能性がある場合、配置転換の可能性などがある場合には、認められないのです。

 

そのほか、職務上の不正行為や継続的な暴力や暴言、虚偽の内容による会社批判なども、解雇が認められるのです。

 

懲戒解雇

懲戒解雇とは、企業秩序違反行為に対する制裁罰である懲戒処分として行われる解雇のことです。

 

懲戒すべき事由があるからといって、使用者は自由に労働者に対し懲戒処分をすることはできず、「使用者が労働者を懲戒することが出来る場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効とする」(労働契約法15条)として、法律で懲戒処分の濫用は禁じられています。

 

それゆえ、一般的には懲戒解雇処分は次のとおりの要件を満たす必要があります。

 

有効要件

1. 懲戒事由等を定める合理的な規程が存在すること
  • ⅰ 就業規則等に懲戒事由及び懲戒の種類が明定されていること
  • ⅱ ⅰの定めが労働者に周知されていること
  • ⅲ ⅰの規程の内容自体が合理的であること

 

2. 1の規程に該当する懲戒事由が実際に存在すること

 

3. 適正手続を経ていること

就業規則や労働協約上,経るべき手続が定められている場合は,この手続を経る必要があります。また,このような規程が無い場合でも,本人に弁明の機会を与えることが最小限必要となります。

 

4. 解雇規制に反しないこと

解雇の一種であるため,労働契約法16条(解雇権濫用)や個別法令上の解雇制限にも服します。 退職届けを先に出していたのに懲戒解雇された場合 懲戒解雇を避けるために、先に退職届けを出した場合、会社は退職届を保留して懲戒解雇ができるでしょうか?

 

退職願いが提出された場合には、会社がその承認を拒否しても、民法第627条により特約がない限り①原則として二週間を経過したとき、②月給者の場合には、賃金計算期間の前半に申し入れたとき、次期の初日をもって雇用契約は終了し、自動的に退職になります。

 

従って、この期間を経過して懲戒解雇処分をされたとしても、懲戒解雇処分は無効になります。

 

整理解雇

整理解雇とは、使用者側の経営事情等により生じた従業員数削減の必要性に基づき労働者を解雇することをいいます。あくまでも使用者の経営上の理由による解雇で、労働者にその責めに帰すべき事由のないものであり、普通解雇の一種です。

 

整理解雇はその有効性判断の事情として、次の4つの要因が考慮されます。

  • (1) 人員削減の必要性が存在すること(人員削減の必要性)
  • (2) 解雇を回避するための努力が尽くされたこと(解雇回避努力)
  • (3) 解雇される者の選定基準及び選定が合理的であること(被解雇者選定の合理性)
  • (4) 事前に,説明・協力義務を尽くしたこと(解雇手続の妥当性)

 

これらを整理解雇の有効要件であると解すれば、4要件のうち一つでも欠ければ整理解雇は無効ということになります。 しかし、この4つの要件を満たさなければならないと法律に規定されているわけではありません。

 

また、上記4要件は解雇が濫用されたか否かという評価的な判断の中で問題となるものです。従って、上記4つの要件は判断要素を類型化したものであり、同要素を総合考慮して解雇権の濫用を判断するという近時判例の示す態度は、一応、法律の枠組みに沿った解釈であると言えます。

 

但し、解雇の有効性は厳格に審査されることは、他の解雇の場合と同様ですので、要件か要素という点は本質的な問題ではなく、4つの視点から厳格かつ慎重に審査するという点が最も重要であると考えます。

 

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お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
「 不当解雇 」に関するQ&A
会社から不当に解雇されました。この場合、会社に何を請求することが出来るのでしょうか。

不法な解雇により労働者に不利益が生じた場合、労働者は企業相手に慰謝料請求を行うことが出来ます。
その際請求が出来るのは、解雇されたことにより受け取れなかった期待賃金になります。
ただし、解雇の不当性は弁護士を通じて正しく立証する必要があります。

不当解雇の慰謝料(損害賠償)請求|相場・必要な証拠・請求方法
退職するよう会社から圧力をかけられています。拒否することは出来ないのでしょうか。

不当解雇を防ぐために自己都合退職を迫る、「退職勧奨」の手口です。
会社から退職を勧められたとしても、それに従う必要はありません。今の会社に残りたいと考えるならば、拒み続けても問題ありませんので、安易に退職届にサインをするのは控えましょう。
それでもパワハラなどを絡めて退職を強要してきた場合には、損害賠償を請求できる可能性が生じますので弁護士に相談するのも一つの手です。

退職勧奨とは|会社が退職を勧める退職勧奨の手口と対処法
一方的にリストラを通知され、明日から来なくていいと言われましたが、リストラだからと言って急に辞めされることは合法なのでしょうか。

リストラ(整理解雇)を行うためには、選定の合理的理由や、解雇回避努力の履行など、企業側が満たすべき要件が複数あります。
上層部の私情によるものや、勤務態度や成績に依存しないリストラは認められないと定められています。

リストラとは|解雇の種類とリストラの正当性を判断する4つの要件
懲戒解雇を言い渡されましたが、納得がいきません。懲戒解雇が妥当になるのはどのような場合でしょうか。

就業規則に明記されていない限り、会社が何らかの事由によって懲戒解雇処分を通知することは出来ません。まずは会社の就業規則を確認しましょう。
また、重大な犯罪行為や重大な経歴詐称など、著しく重要な問題に抵触しない限り懲戒解雇を受けることはありません。
会社の裁量基準に納得がいかず、撤回を求めたい方は早急に弁護士に相談しましょう。

懲戒解雇とは|6つの懲戒ケースと懲戒解雇された時の対処法
試用期間中に解雇を言い渡されましたが、違法性を主張することは出来ますか。

前提として、企業は求職者を採用する際に長期契約を念頭において雇用契約を結ぶため、試用期間を設けられたとしても「向いてなさそうだから…」や「なんか気にくわない…」という理由で一方的に解雇することは出来ません。
もし解雇に妥当性がないと言い張る場合は、解雇の撤回を要求するか、解雇されなかった場合に受け取れるであろう期待未払い賃金の請求が可能です。

試用期間中の解雇は可能?違法?解雇理由と対策ガイド
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