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自主退職しても失業保険は受け取れる!会社都合との違いや計算方法を解説

更新日
自主退職しても失業保険は受け取れる!会社都合との違いや計算方法を解説
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「自主退職しても失業保険は受けられるの?」
「自主退職時の失業保険を受ける条件を教えて!」

今の会社を自己都合で退職した方でこのような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

結論、自主退職しても失業保険を受けられます。ただし、受給するにはいくつかの条件を満たす必要があり、だれでも利用できるわけではありません。

そこでこの記事では、自主退職時の失業保険の受給条件や受給期間などを詳しく解説します。この記事をよめば、受給条件や受給金額、受給までの流れがすべてわかります。

失業保険を受けようとしている方はぜひ参考にしてみましょう。

事前に読みたい⇒退職後にもらえる給付金にはどんな種類がある?給付金の一覧と受け取り条件を紹介

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実際にもらえる給付金の額については以下の表の通りです。

平均月収 月間でもらえる金額
月収30万円 約20万円
月収40万円 約26万円
月収50万円 約33万円
月収60万円 約40万円
月収70万円 約46万円
月収80万円 約53万円
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自主退職しても失業保険を受け取るための条件

自主退職した際は以下の条件を満たしていれば失業保険を受け取れます。

  • 雇用保険に加入している
  • 雇用保険の被保険者期間が過去2年間において12ヵ月以上である
  • 「失業の状態」に該当している

それぞれ詳しく解説します。

雇用保険に加入している

自主退職した際に失業保険を受け取るためには、雇用保険に加入していることが必要です。

雇用保険とは、働く人が失業した際に一定期間生活を支えるための保険で、企業が従業員に対して法律に基づき加入させるものです。

この制度は失業後の生活を支援し再就職を促すためのもので、加入者が定期的に保険料を納めている場合、退職後に給付を受け取る権利が発生します。

つまり、雇用保険への加入は失業保険を受け取るための基本的な前提条件といえます。

雇用保険の被保険者期間が過去2年間において12ヵ月以上である

雇用保険に加入していることに加え、被保険者期間が過去2年間のうち12ヵ月以上満たしている必要があります。

被保険者期間とは雇用保険に加入していた期間のことです。

つまり、退職前の2年間で少なくとも12ヵ月間、雇用保険に加入していた期間が必要ということです。

就職したけれど数ヵ月で自主退職した場合は失業保険を受け取れないため、最低でも12ヵ月間は働くことが求められます。

「失業の状態」に該当している

「失業の状態」とは現在働いていない状態であり、さらに積極的に再就職を希望し就職活動をおこなっていることを指します。

具体的には、定期的にハローワークに行き就職活動をしている実績を報告する必要があります。

そもそも失業保険は再就職を支援するための制度であり、単に仕事をしていないだけではなく、働く意志があることが条件です。

つまり、働く意欲を持ち続けて「実際に就職活動を行っている」と判断されれば失業保険の給付対象となります。

自主退職でも「特定理由離職者」なら会社都合と同等の扱いを受ける

自主退職でも、家族の介護や配偶者の転勤などのやむを得ない事情で退職した場合は「特定理由離職者」となり、会社都合退職と同等の扱いを受けます。

具体的には、失業保険を受ける条件である「雇用保険の被保険者期間」が過去1年間で6ヵ月以上あれば受給対象となります。

さらに、受給できる期間も短縮され、受給申請から7日間の待機期間を経過すればすぐに受給できます。

つまり、一般的な自主退職よりも受給条件が緩くなり、受給できるまでの期間も短くなるということです。

今の会社をやむを得ない事情で退職するのであれば「特定理由離職者」に該当するかどうか確認しておきましょう。

自主退職時の失業保険金はいくらもらえるのか

自主退職時の失業保険が実際にどれくらいもらえるのか解説します。

受給額の計算方法や計算シミュレーションを参考にしてみましょう。

失業保険金の計算方法

失業保険金は以下の計算方法で求めます。

総受給額=基本手当日額×給付日数

基本手当日額は「賃金日額(過去6ヵ月の給与÷180)×給付率(50~80%)」で求められます。

なお、給付率は年齢や賃金日額によって以下のように定められています。

引用元:厚生労働省「失業給付(基本手当)の概要」

また、給付日数は年齢や雇用保険の被保険者期間によって異なります。

引用元:厚生労働省「失業給付(基本手当)の概要」

失業保険金の計算シミュレーション

上記の数字をもとに実際にシミュレーションしてみます。

(例)40歳、月給28万円、被保険者期間10年
賃金日額(過去6ヵ月の給与÷180)=(1,380,000÷180)=7,666円
給付率=60%(仮定)
基本手当日額(賃金日額×給付率)=7,666×60%=4,600円
総受給額=基本手当日額×給付日数=4,600×90日=414,000円

つまり、上記の例において総受給額は約41万円となります。賃金日額や給付日数を把握できれば簡単に計算できるので試してみましょう。

自主退職してから失業保険を受け取るまでの流れ

自主退職してから実際に失業保険を受け取るまでは以下の流れで進みます。

  1. 必要書類を準備する
  2. ハローワークで失業保険の申請をする
  3. 雇用保険受給者説明会に参加する
  4. 失業認定を受ける
  5. 失業保険金を受給する

STEP1:必要書類を準備する

まずは必要書類を準備しましょう。具体的には以下の書類や物が必要です。

  • 雇用保険被保険者離職票
  • 運転免許証やマイナンバーカード
  • 写真(縦3cm×横2.5cmの証明写真)
  • 印鑑
  • 預金通帳またはキャッシュカード

離職票は会社からもらえますが、紛失していたりもらっていなかったりする場合は以前の会社へ問い合わせましょう。

STEP2:ハローワークで失業保険の申請をする

必要書類を準備したらハローワークで失業保険の申請をしましょう。その後、求職申込書を提出して失業状態かどうかを確認されます。

STEP3:雇用保険受給者説明会に参加する

申請が完了したら雇用保険受給者説明会に参加しましょう。

説明会では、失業保険の給付の流れや失業認定の手続き、再就職活動の方法などが詳しく解説されます。

また、受給にあたって守るべきルールや違反した際のペナルティについても説明されます。

この説明会に参加しなければ失業保険の支給が遅れる可能性があるため、必ず出席するようにしてください。

STEP4:失業認定を受ける

説明会に参加した後は、ハローワークで失業認定を受けましょう。

失業認定とは、失業状態であることや求職活動をしていることを確認する手続きです。

少なくとも2回以上の求職活動を報告し、活動内容(面接、ハローワークの利用など)を証明する必要があります。

失業認定を受けないと給付金が支給されないため、指定された認定日を忘れないようにしましょう。

STEP5:失業保険金を受給する

失業認定を受けたら失業保険金を受給しましょう。

自主退職の場合は7日間の待期期間経過後さらに2ヵ月経過した後に銀行へ振り込まれます。すぐに手元に入るわけではないので注意が必要です。

自主退職後の失業保険の申請でお困りの方は「失業保険サポート」を利用しよう

自主退職してから失業保険金の受給まで解説しましたが、「自分で申請するのが面倒」「計算方法がよくわからない」と思っている方も多いでしょう。

そんな方には「失業保険サポート」がおすすめです。専門のコンシェルジュが一緒に手続きを進めてくれるため、面倒な申請もスムーズにおこなえます。

「メンタルヘルス指定医療機関証」も受賞しており、依頼者に寄り添った丁寧な対応をしてくれます。

「初めてだから不安」「失業保険って何だかよくわからない」と悩んでいる方でも安心して手続きできるので、ぜひ一度相談してみましょう。

公式サイト:https://shitsugyouhoken-support.com/

自主退職後の失業保険を受給している期間中の注意点

自主退職後に失業保険を受給している際は以下の点に注意しましょう。

  • アルバイトする際は契約期間や収入額に注意する
  • 国民健康保険料や国民年金の支払いに注意する
  • 不正受給と判断されるとペナルティが課される可能性がある

アルバイトする際は契約期間や収入額に注意する

失業保険を受給中にアルバイトをする場合、契約期間や収入額に注意が必要です。

具体的には、1週間の労働時間が20時間以上になると失業状態とみなされず、失業保険が停止される恐れがあります。

”失業給付受給中にパート、アルバイトをする際、その雇用契約の内容が原則週20時間以上の労働となる場合には、「就職」の扱いとなります。そのため、週20時間以上で働く場合は失業給付の受給はできないので、「就職の届出」をすることになります。”

引用元:厚生労働省「はろカフェ ~基本手当受給中のパート、アルバイトについて~」

また、アルバイトの収入が一定額を超えると失業保険の給付額が減額されるため、収入を正しく申告することが重要です。

さらに、申告せずにアルバイトを続けると不正受給と見なされ、これまでの受給額の返還を求められる可能性もあります。

受給期間中にアルバイトする際は契約期間や収入額に気を付けましょう。

国民健康保険料や国民年金の支払いに注意する

国民健康保険や国民年金の支払いにも注意しましょう。

会社員時代は保険料が給与天引きされていたため、自分で支払う必要がありませんでした。

しかし、離職後は自分で支払う必要があります。

また、失業保険を受給しているとはいえ、会社員時代よりも収入が減っている可能性が高いため、金銭的負担を感じる可能性があります。

未払いや滞納が続いてしまうと医療費負担や年金受給額に影響する恐れもあるため、計画的に支払った方がよいでしょう。

不正受給と判断されるとペナルティが課される可能性がある

不正受給と判断されるとペナルティが課される可能性があるので注意しましょう。

不正受給と判断される例として、アルバイトや短期の仕事をしているのにハローワークに申告しなかったり、求職活動を行っていないのに虚偽の報告をしたりすることなどが挙げられます。

不正が発覚した場合、不正に受け取った金額の返還に加え、最大で3倍の追徴金が課されることがあります。

また、一定期間失業保険の受給資格を失うペナルティもあります。

”働いたことを申告しなかったり、偽った申告をするなど、不正な行為により基本手当等を受けようとした場合
(現実に給付を受けたか否かは問いません)には、すべて不正受給になります。
不正受給をすると、給付金を受ける権利は、すべて失います”

引用元:大阪労働局「不正受給について(事例等)」

不正受給は重大な違反とみなされるため、必ず正確な申告を行い、誠実に手続きを進めることが重要です。

自主退職時の失業保険に関するよくある質問

自主退職時の失業保険に関するよくある質問をご紹介します。失業保険に関して不安を抱いている方は参考にしてみましょう。

給付金をすべて受給する前に就職するとメリットはあるの?

すべて受給する前に就職できれば「再就職手当」をもらえます。

再就職手当とは、失業保険の受給中に早期に再就職が決まった場合に、残りの受給期間に応じて支給される手当です。

再就職手当を受けるためには、「所定の給付日数の3分の1以上が残っている」「1年以上の雇用が見込まれる職場に就職する」などの条件に該当することが求められます。

また、ハローワークや職業紹介機関を通じた就職が必要です。

再就職手当を受け取ることで経済的負担が軽くなるので、できるだけ早い段階で再就職できるように行動した方がよいでしょう。

自主退職と会社都合退職の大きな違いは?

自主退職と会社都合退職では、失業保険の受給開始時期と条件が大きく異なります。

会社都合退職(リストラ、倒産、解雇など)の場合は、退職後すぐにハローワークで手続きを行い、7日間の待機期間終了後に失業保険が支給されます。

一方、自主退職の場合は、7日間の待期期間経過後さらに2ヵ月の給付制限期間があり、その間は失業保険が受け取れません。

また、会社都合退職の方が受給期間が長く設定されていることが多く、早期に経済的サポートが受けられます。

給付金受け取りに関して法改正があったのはホント?

失業保険の給付金受け取りに関しては過去に何度か法改正が行われています。直近の大きな改正は2020年に行われました。

この改正では、給付制限期間が3ヵ月から2ヵ月に短縮されたのが多きな変更点です。

改正前において自主退職時は支給されるまでに3ヵ月の給付制限期間を経過しなければなりませんでした。

しかし、2020年の改正からは給付制限期間が2ヵ月に短縮されたため、申請者は早く受給できるようになったのです。

この改正により再就職支援がより手厚くなり、幅広い状況に対応した制度となりました。

まとめ

自主退職時の失業保険の条件や受給期間について解説しました。

自主退職時は会社都合退職と比べて受給条件が厳しく、受給できるまでの期間も長いのがデメリットです。

それでも「家族の介護」や「配偶者の転勤」などのやむを得ない事情での退職であれば「特定理由離職者」となるため、会社都合退職と同等の扱いを受けられます。

「特定理由離職者」となれれば、受給条件が緩くなったり早く受給できたりするため、自主退職する際は「特定理由離職者」に該当するかどうか確認しておきましょう。

失業保険は失業者が再就職するまで支援する目的で設けられた制度です。上手く活用できれば金銭的負担を軽くできるため、再就職に向けて集中できる期間を作れるでしょう。

自主退職を検討している方、すでに自主退職して失業保険の利用を検討している方は、ぜひこの記事を参考に申請を進めてみてください。

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実際にもらえる給付金の額については以下の表の通りです。

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編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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退職代行によって損害賠償をされるなどのリスクはありませんか?

退職代行を利用したことが損害賠償の理由となることはありません。しかし、在職時の労働者の行いや退職の仕方によっては労働者側に損害賠償義務が認められる可能性もゼロではありません。退職にあたって、会社から損害賠償を請求されるのは、退職にあたって労働者側に何らかの義務(注意義務)違反があり、同違反により会社に具体的損害が生じている場合に限られます。
たとえば、労働者が退職に至るまでの間、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、退職にあたっても何ら必要な引継ぎ・連絡をせず代行業者を通じて本人が一切出てこないという場合、労働者の会社に対する義務違反を構成することはあり得ます。

退職代行で損害賠償請求をされるリスクはある?リスクを極力軽減させる方法
退職代行に失敗するケースがあるというの聞きましたが、失敗するとどうなるのでしょうか?

代行業者、弁護士のどちらに依頼した場合でも「退職できなかった」というトラブル報告はほとんどみられません。会社も退職代行会社が連絡してくると、退職に応じてはいるようです。つまり、よほどのことがない限り、退職した従業員に対して損害賠償ということは考えられません。(従業員1名が退職したとしても、直ちに損害が生じることは考えにくいです。)ただし、これも絶対ではありません。
過去、入社1週間で退職し、退職の効果が発生するまでの期間も出勤しなかった従業員が勤務先から損害賠償を受け、70万円の支払命令が出た事案があります。(ケイズインターナショナル事件)そのため、どのような辞め方でも絶対に労働者側に責任が問われないというわけでもない、という点は注意すべきです。
とはいえ、通常は退職したことで直ちに会社に損害が生じることはありませんので、過度の心配は不要かと思います。

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引き継ぎもせずに退職代行を絵利用して辞めることは可能でしょうか?

状況にもよるかと思いますが、引き継ぎをせずに退職することは多くの場合は可能と思われます。例えば、引継ぎをしないことが会社に対する義務違反とならないような場合や、引継ぎをしないことで会社に具体的な実害が生じないような場合は、引継ぎは必須ではないといえそうです。ただし、『労働者が退職前から、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、会社の出頭要請にも応じていない』『そのまま退職した結果、会社業務に具体的な支障が生じ、取引先を失うなどの実害が生じている』というケースであれば、労働者が退職代行を入れて引継ぎもなく退職したことについて、損害賠償を求められるリスクはまったくないとはいえないでしょう。

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