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5つのブラック業界|実態とそれに対する対処法

更新日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
5つのブラック業界|実態とそれに対する対処法
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ブラック業界とは、労働環境が劣悪なブラック企業が生じやすい業界の事です。それぞれの会社独自の方針でブラック企業が生じていますが、業界によってはどうしてもブラック企業が発生しやすい業界があるのは事実です。
 
例えば、業界そのものの利益率が低くて、結果的に人件費を抑えなくてはならなかったり、クライアントとのやり取りで、どうしても納期を守らなくてはならなかったり、一概には言えませんが、ブラック企業が出てきやすくなる業界があります。
 
就職活動中の方も、転職を考えている方も、現在既にお勤めの方も、ブラック業界の実態と対処法を知ることで、あなたがブラック企業で酷使されることを少しでも防ぐことが出来るでしょう。
 
今回は、世間的にブラック企業が多い、5つのブラック業界の実態と対処法を解説していきます。今後の働き方や職業選びの参考にしていただければと思います。
 

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ブラック業界と考えられる5つの業界

ブラック業界は、はっきりとした定義はありません。劣悪な環境と言っても様々な種類があります。労働時間の長さや、過酷な環境、低賃金、パワハラ、ノルマ、過労死など様々です。
 
今回は、それらブラック業界と考えられる要素が多かった業界を5つピックアップし、それぞれの業界にどのような傾向が多く、どのような対策が取れるかを解説します。
 
もちろん、今回こちらで出てきたブラック業界に属する企業でも、全部がブラック企業という訳ではありません。企業努力や、独自の取り組みで従業員満足度が高い企業もあります。あくまで参考としてご覧ください。
 

IT業界

IT業界はブラック企業も多い、ブラック業界と言えます。特に、スピード感が早く常に新しい技術が求められます。また企業自体も若く、労働環境が整っていない不安定な企業も多いと言えます。
 

IT業界の実態と問題点

IT業界は、給与面に関しては比較的に優遇されています。全国の平均年収(400万円前後)よりも高い水準にあります。また、休日に関しても土日休みの企業も多く、年間休日も120日前後と平均水準です。
 
一方、IT業界で問題視されているのが、労働時間の長さです。IT業界に代表されるエンジニア職では開発の納期があり、納期を守るために遅くまで働きます。終電近くまで働くという方も多いようです。
 
また、納期直前になると会社に寝泊まりすることも少なくなく、クライアントや上流工程の企業から突然仕様変更を指示され、更にはシステムの問題が発生し・・・いつまでも帰れない「デスマーチ」に突入することもあります。
 
以前は花型と言われたIT業界でも、現在は、その過酷な環境から「3K(きつい・厳しい・帰れない)」「IT土方」「エンジニアは30代まで」などとも揶揄されています。
 

IT業界で働く方の対処法

現在の労働基準法は、労働時間をベースに賃金が換算されます。単に納期があって残業したからと言って、残業代を払わないなどと言うことは出来ません。会社の就業規則や雇用契約書をよく見てみましょう。
 
固定残業代」で残業代を抑えている企業も多いようです。また、技術職ということで、「裁量労働制」を取り入れている企業もあります。しかし、それらには違法性も考えられます。会社が悪質な場合、労働基準監督署など外部に相談することも考えて下さい。
 
また、年功序列ではなく、実力で評価されることも多く、IT業界のスピード感に付いていけない方は、自然とリタイアしていってしまいます。「給料が良いから」「かっこいいから」といった動機でIT業界に勤めても、後々苦労を強いられます。
 

飲食業界

飲食業界は、ニュースでも過労死や労働問題が度々取り上げられるブラック業界といえます。お客様商売のため、元々の休日も少なく、また、利益率も低いため、そのしわ寄せが従業員に及び、従業員が酷使されるケースが多い業界です。
 

飲食業界の実態と問題点

労働時間の長さと、休日の少なさは他の業界と比較しても顕著に現れ、それとは反対に給与の少なさも問題となっています。利益率の低さから真っ当に残業代を支払える企業も少なく、働いている割には給与が見合わないといった、典型的なブラック企業の問題が往々にしてあります。
 
固定残業代」や「名ばかり管理職」で残業代を抑える企業も多いのですが、そのほとんどに違法性が考えられます。
 

飲食業界で働く方の対処法

飲食業界は未経験者でも挑戦でき、特別なスキルも必要としない求人が多く、入社の敷居が低くなっています。中には学歴・職歴に強みがなく、敷居の低い飲食業界に流れ着いた方もいるでしょう。
 
飲食業界で働く動機を明確に持っていないと、労働時間の長さと給与の低さが原因となり途中で挫折してしまうことも十分に考えられます。特に飲食業界はお客様商売なので、お客様とのやり取りにやりがいを見つけると良いかもしれません。
 
一方、あまりにも労働時間と給与がかけ離れている場合は、労働基準監督署などの外部に相談を行ない、労働環境の改善が行われるように働きかけましょう。
 

不動産業界(営業職)

不動産業界は、成果が問われる非常にシビアな業界だと言われます。結果的に上手く行く人には高収入の良い業界になるかもしれませんが、そうでない方にとっては、ついていけない非常に過酷な業界となります。
 

不動産業界の実態と問題点

特に不動産業界は営業職の傾向が強く、それに伴い上下関係やノルマなどの問題が生じます。よくあることがパワハラ問題で、売上が作れないことから、精神的に追い込まれてしまう人も多いようです。
 
また、不動産業界の営業職は歩合制を設けているところも多いのですが、売上が行かなければ最低賃金すらままならない企業も見受けられます。
 

不動産業界で働く方の対処法

不動産業界に限らず営業職全般に言えるのですが、営業職は製品・サービスを売ってこそ会社に貢献できます。何が何でも売ってやるという精神面の強さと、営業スキルが必要になります。
 
これには、人によっては向き不向きがあります。営業職に適していないと感じている方は、不動産業界はなるべく避けたほうが良いでしょう。
 
一方、過大な要求(無理なノルマ)や理不尽な要求によって悪質なパワハラなどが頻繁に行なわれているようであれば、パワハラの対処法をとって下さい。
 

サービス業界

様々なサービスを提供するサービス業界には、ブラック企業もいくつかあります。特に保育・介護業界は、人間関係の問題や低賃金が問題視されているブラック業界です。最近問題になっている保育士の人材不足も、低賃金問題が原因とされています。
 

保育・介護業界の実態と問題点

保育・介護業界では、介護する人や園児、園児の保護者といった、常に人と接する業界になります。人と接することが好きでこの業界に入ったのに、人間関係のストレスを感じてしまう人も多くなっています。
 
また、保育・介護業界は賃金面の低さが見受けられます。年収200万円台も往々にしてあります。1人で生活していく分にはなんとかやっていけるかもしれませんが、結婚や子供のことを考えると、とてもこのまま続けられるような賃金形態ではない業界でもあります。
 
結果的に、保育・介護業界から人が離れ、残った人たちの仕事量が増える(給料は変わらずに)という悪循環が生まれています。
 

保険・介護業界で働く方の対処法

近年、保育・介護業界の労働環境の劣悪さは全国規模で問題視されています。とは言っても、国に頼って改善を待っていてもなかなかその時は訪れないでしょう。現在、全国的に問題視されている保育・介護業界だからこそそれを追い風に、ブラック業界での実態を外部に伝えていきましょう。
 
代表的な相談先が、労働基準監督署になります。労働時間を証明する証拠をしっかり揃えた上で、相談することで、労働基準監督署の職員が動いてくれる確立も上がります。労働問題での相談は「労働問題の相談を受け付けてくれる窓口まとめ」を参考にして下さい。
 

小売業界

小売業界の中で、特にブラック業界と考えられるのが、特にコンビニ業界とアパレル業界です。便利さが求められるコンビニ業界では、様々なサービスが提供され始め、その前線で働く従業員に負荷が及んでいます。
 
一見華やかに見えるアパレル業界でも、長時間労働や低賃金、人間関係の問題(パワハラ・クレーム)などが慢性的に溢れています。
 

コンビニ・アパレル業界の実態と問題点

コンビニ・アパレル業界に共通して言えることは、業務の多さに対して、賃金が低いということです。小売業界では、基本的に営業時間はお客様対応を行ない、空いた時間や営業終了後に事務作業などを行ないます。
 
結果的に労働時間が長くなりますが、それでも賃金は変わらない企業がほとんどです。こちらも飲食業界と同じく「名ばかり管理職」や「固定残業代」が考えられます。また、土日など、通常人が休みである日にも営業しているので休日数も少ない傾向にあります。
 
特にアパレル業界は、毎シーズン新作の製品を自費で購入し、店頭に立たないといけない企業も多く、元々少ない賃金から更に衣類代がかかります。その他、売り上げノルマや会議・報告書、クレーム対応等、幅広い業務をこなさなくてはなりません。
 

コンビニ・アパレル業界で働く方の対処法

小売業界は、ひと目につきやすく、華やかに見える部分も多いのですが、その裏で数多くの業務があります。単に「憧れ」「人と接することが好き」「服が好き」といった動機ばかりでは、その後苦労することも考えられます。
 
40~50代になった時にあなたが店頭に立つ姿が想像できるでしょうか。若い間は、多少の過酷な環境でも体力が持つでしょうし、低賃金でも1人で生活することは出来るでしょう。長い目で見て、その仕事をしている自分を想像してみて下さい。
 
長年働くイメージが付かなかったり、「この業界でこうしたい」という、目的が無ければ、激務の毎日に飲み込まれていく可能性も十分にあります。
 
また、現在既に過酷な環境の場合は、「名ばかり管理職」や「固定残業代」など、違法性の考えられる雇用形態を見つけ出し、改善へ向けて働きかけましょう。
 

ブラック業界であるかどうかよりブラック企業かどうかが重要

ここまで、ブラック業界に関してご説明してきましたが、これはあくまで、「これらブラック業界にブラック企業が多い傾向がある」ということであって、厳密に判断すべきは、それぞれの企業がブラック企業か否かです。
 
もし、単にブラック業界だからという理由で求職者が敬遠ばかりしていれば、極端な話、ブラック業界の労働力が減り、的確なサービスを受けられなくなります。現に保育士の不足により、待機児童問題が生じています。(保育業界に劣悪な環境が多い事実もありますが・・・)
 
ですので、ブラック業界に過敏になりすぎず、あくまでもブラック企業が多い傾向があると慎重になり、更には、各企業がブラック企業かどうかの判断が出来る目を培いましょう。ブラック企業の判断に関しては「ブラック企業とは|ブラック会社の特徴10個と見抜くポイント」をご覧ください。
 
もし今の職場がブラック企業だとわかったら、思い切って違う職場に転職することも考えましょう。同じ業界内でも、今よりもっと働きやすい環境が整っている職場は必ずあります。
 
もちろん、今回挙げたブラック業界であっても、良い部分も多くあります。飲食業界でも毎日楽しそうな人、アパレル業界で本当に輝いている人、保育士でも子供が大好きな人など、それをやりがいにする人もいるでしょう。
 
大切なことは「この業界でこうしたい」という、明確な意思と動機であって、それがあれば挑戦してみるべきでしょう。そして、繰り返しますが、中には労働者を物のように扱う、ブラック企業が確かに存在します。それを見破る知識を労働者はしっかりと持ちましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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