パワハラ・セクハラ・未払い残業代・過重労働・リストラなどの労働トラブルが起こった際に、専門家に相談したくても費用がネックになり、相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。
そんな方々を、いざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。
労働トラブルに限らず、交通事故や離婚トラブル、子供のいじめなど様々な法律トラブルでも利用可能です。
弁護士保険で法律トラブルに備える
雇用保険には失業や休業時に受け取れる頃のできる失業等給付制度があります。
働く方にとっては、一般的には「失業保険」と認識されている基本手当もこの制度に含まれます。
この記事では雇用後保険の失業等給付の制度についての説明や基本手当の計算方法などをご紹介します。
退職や失業をした際に、多くの方は「まず失業保険をもらおう」と考えるのではないでしょうか。
失業保険とは、雇用保険の失業等給付制度に含まれる基本手当のことです。
『保険』『失業等給付』『手当』などの言葉から失業保険が一般的に浸透してしまったのですが、実は失業保険という保険はないのです。この項目では、いわゆる失業保険の正しい認識についてご紹介します。
冒頭でも述べましたが、失業保険とは雇用保険のなかの基本手当のことです。基本手当では、失業された方に対し雇用保険の被保険者期間(保険に入っていた期間)や年齢に応じて収入の45%〜60%を給付金として補償します。
詳しい支給額は「給付金(基本手当)の計算例」で解説します。
ハローワークでは、基本手当について次のように明記しています。
雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。
基本手当は、再就職を促すために求職活動をする間も生活に困らないように…という意図でつくられた制度です。そのため、基本手当を受給する場合は、なるべく早く再就職できるよう積極的に求職活動を行いましょう。
雇用保険には、失業時の基本手当の他にも失業や休業時に利用できる給付制度があります。失業等給付に含まれる手当・給付金は以下の表のとおりです。
失業等給付 |
制度概要 |
|
求職者給付 |
|
退職や解雇などで失業した際に、生活費用を心配せず1日も早く再就職をするための給付制度 |
就職促進給付 |
|
求職者が安定した職業に就職するために必要な費用の支給や失業後早期に再就職した際などに支給される給付制度 |
教育訓練給付 |
|
中長期的なキャリア形成の支援をするための給付制度 |
雇用継続給付 |
|
出産、介護、定年退職などのライフイベントが発生した際も雇用を継続させるための給付制度 |
参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険制度の概要
この項目では、上記の給付制度のうち利用頻度が多い失業や再就職、休業に関する給付金についてご紹介します。
基本手当は失業後の生活や求職活動の支援のために支払われる給付です。
支給される給付金額は離職理由によって異なりますが、離職前6ヶ月の賃金日額にうち45〜80%相当の金額が支払われます。
給付条件、給付額については「給付金(基本手当)の計算例」「失業等給付(基本手当)の申請方法」でそれぞれ詳しくご紹介しますので、合わせてご覧ください。
傷病手当金は、ハローワークで求職の申し込みをした後に病気や怪我をして15日以上継続して働くことができなくなった際に受給できます。受給期間は4年間まで延長することができ、給付金は基本手当と同じです
傷病手当で気をつけたいのが、健康保険の傷病手当金や労災保険の休業(補償)給付などの他保険の給付手当です。これらは併用して申請・受給することはできないため注意が必要です。
健康保険の傷病手当金とは 通勤・業務以外の理由で怪我や病気を負って働くことができなくなった場合、被保険者本人や家族の生活を補償するために支給される手当金。休業前6ヶ月の賃金日額の3分の2が支給される。 |
労災保険の休業(補償)給付 通勤・業務によって怪我や病気を負って働くことができなくなった場合に収入を保証する給付金。休業前6ヶ月の賃金日額の60%~80%(傷病年金を含む)が支給される。 |
なお、労災保険の休業(補償)給付は退職後に申請が可能な場合もあります。もしも、ハラスメントや長時間労働などで疾患にかかった場合は、健康保険の対象外になる可能性があります。この場合は、労働基準監督所に労働災害として申請する必要となります。
就業促進給付は、基本手当を受給している方の中で早期に再就職した場合に給付されます。給付金額は、基本手当の支給残日数が多いほど高くなります。受給を希望する際は基本手当を受けているハローワークに相談しましょう。
就業促進給付
|
育児休業給付は、育児休業中の生活を補償するための給付です。
こちらは、雇用継続給付なので会社に在籍している方が受け取ることになります。そのため、申請は基本的に会社を通じて行います。なお、事情がある場合は労働者が直接、事業所を管轄しているハローワークに来所して手続きすることもできます。
参考:厚生労働省|育児休業給付の内容および支給申請手続について
給付金額は、支給期間によって異なります。
支給開始~6ヶ月(180日) 休業前の賃金日額 × 67% = 給付日額 ※支給上限:299,961円 |
6ヶ月目~休業終了(181日目以降) 休業前の賃金日額 × 50% = 給付日額 ※支給上限:223,650円 |
なお、育児休業給付金は課税対象にはなりません。
介護休業給付は、育児休業と同じく介護休業取得時に収入を補償するものです。なので、申請は会社を通じて行うか、労働者がハローワークに来所して手続きします。
受給資格は、育児休業と同じようになっています。
参考:厚生労働省|介護休業給付の内容及び支給申請手続について
給付金額は、以下の通りです。
休業前の賃金日額 × 67% = 給付日額 ※支給上限:329,841円 |
ただし、休業期間中に会社から賃金が支給された場合は変動します。
この項目では基本手当を例に給付金の計算例をご紹介します。
給付金を計算する際に基本となるのは休業前にもらっていた日給です。ハローワークでは「賃金日額」と呼び、原則として離職した日の直前6か月に毎月支払われた賃金(賞与等は除く)の合計を180で割って算出した金額です。
賃金日額= 休業前6ヶ月間の給与(総支給額) / 180(日) |
賃金日額は年齢によって上限と下限があります。この金額は毎年8月1日に改定されます。か企業では平成29年8月1日現在の支給金額を記載しました。
ただし、賃金日額の上限・下限の条件を満たしている場合でも、基本手当日額(基本手当として普及される金額)にも上限・下限があるため注意が必要です。
離職時の年齢 |
賃金日額の上限額(円) |
基本手当日額の上限額(円) |
29歳以下 |
13,420 |
6,710 |
30〜44歳 |
14,910 |
7,455 |
45〜59歳 |
16,410 |
8,205 |
60〜44歳 |
15,650 |
7,042 |
参考:厚生労働省|雇用保険の基本手当日額が変更になります〜平成29年8月1日から〜
離職時の年齢 |
賃金日額の下限額(円) |
基本手当日額の下限額(円) |
全年齢 |
2,470 |
1,976 |
参考:厚生労働省|雇用保険の基本手当日額が変更になります〜平成29年8月1日から〜
基本手当の給付日数は退職理由によって異なります。なお、ハラスメントや長時間労働によって退職した場合は、自己都合退職を会社都合退職に変更することも可能なので、ハローワークに相談してみましょう。
「一身上の都合」によって退職をした場合、給付日数は以下のようになります。
自己都合退職の場合、基本手当を受給するまで待期期間とは別に2ヶ月の給付制限(※)を受けることがあります。そのため、退職したら速やかに申請手続きを始めましょう。
(※)
令和2年10月1日以降に離職された方は、正当な理由がない自己都合により退職 した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月となります。 詳しくは、お近くのハローワークや、都道府県労働局までお問い合わせください。 ※ 令和2年9月30日までに正当な理由がない自己都合によりで退職された方は、給付制限期間が3か月となります ※ 自己の責めに帰すべき重大な理由で退職された方の給付制限期間はこれまでどおり3か月となります
会社の倒産、解雇や契約終了など特別な理由で退職した場合は「特定理由離職者」になります。このような理由は、会社都合退職や特定理由離職者になり、給付日数が自己都合退職より延長されることがあります。
会社都合退職や特定理由離職者の場合の給付日数は以下の通りです。
被保険者であった機関
区分
1年未満
1年以上5年未満
5年以上10年未満
10年以上20年未満
20年以上
30歳未満
90日
90日
120日
180日
ー
30歳以上35歳未満
120日
180日
210日
240日
35歳以上45歳未満
150日
240日
270日
45歳以上60歳未満
180日
240日
270日
330日
60歳以上65歳未満
150日
180日
210日
240日
基本手当は以下の式で計算することができます。
休業前の賃金日額 × 給付率(45%〜80%) = 基本手当日額 |
給付率は年齢と賃金日額によって決定します。
賃金日額(w円)
給付率
基本手当日額(y円)
◆離職時の年齢が 29 歳以下(※1)
2,290 円以上 4,580 円未満
80%
1,832 円~3,663 円
4,580 円以上 11,610 円以下
80%~50%
3,664 円~5,805 円 (※2)
11,610 円超 12,740 円以下
50%
5,805 円~6,370 円
12,740 円(上限額)超
―
6,370 円(上限額)
◆離職時の年齢が 30~44 歳
2,290 円以上 4,580 円未満
80%
1,832 円~3,663 円
4,580 円以上 11,610 円以下
80%~50%
3,664 円~5,805 円 (※2)
11,610 円超 14,150 円以下
50%
5,805 円~7,075 円
14,150 円(上限額)超
―
7,075 円(上限額)
◆離職時の年齢が 45~59 歳
2,290 円以上 4,580 円未満
80%
1,832 円~3,663 円
4,580 円以上 11,610 円以下
80%~50%
3,664 円~5,805 円 (※2)
11,610 円超 15,550 円以下
50%
5,805 円~7,775 円
15,550 円(上限額)超
―
7,775 円(上限額)
◆離職時の年齢が 60~64 歳
2,290 円以上 4,580 円未満
80%
1,832 円~3,663 円
4,580 円以上 10,460 円以下
80%~45%
3,664 円~4,707 円 (※3)
10,460 円超 14,860 円以下
45%
4,707 円~6,687 円
14,860 円(上限額)超
―
6,687 円(上限額)
※1 離職時の年齢が65歳以上の方が高年齢求職者給付金を受給する場合も、この表を適用します。
※2 y= (-3w2+69,980w)/70,300
※3 y= (-w2+18,020w)/16,800,y= 0.05w+4,184 のいずれか低い方の額
では実際の計算例を見てみましょう。
<計算条件>
|
<計算例>
1,536,000円 / 180日 ≒ 8,533円
27歳で賃金日額が8,533円なので、給付率は50%〜80%になります。なお、今回は50%で計算します。 8,533 × 50% × 90日 = 383,985円 (給付総支給額) |
上記の計算では総支給額は383,985円となりました。
この項目では「基本手当(失業保険)」を例に、給付金の申請方法をご紹介します。なお、育児休業給付や介護休業給付に関しては、基本的には会社を通じて申請しますので取得を希望している場合は人事課に報告しておきましょう。
受給資格は以下のように規定されています。
- ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
- 離職の日以前2年間に、被保険者期間(※補足2)が通算して12か月以上あること。
ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。
基本手当はあくまでも就業意欲があり、求職活動をして1日でも早く再就職することを目的とした給付です。このため、傷病や出産・育児などですぐに働くことができない場合は対象外となります。
離職時に会社から以下の書類が渡されていることを確認しましょう。
雇用保険し被保険者証は雇用保険番号を確認するのに使用しますので、無くさないようにしましょう。また、雇用保険被保険者離職業は、1と2があるため用紙を2枚受け取ることになります。
離職時の書類が確認できたら、管轄のハローワークで求職申込みと基本手当の申請を行います。必要書類は以下の5つです。
|
関連リンク:厚生労働省|全国ハローワーク等所在案内
基本手当の申請をすると「雇用保険受給者初回説明会」の日程が案内されます。それまでの間は求職活動を行うことになるでしょう。
求職申込みと基本手当の申請を行ってから1週間は「待期期間」になり、この期間は受給することができません。その後、受給のための説明会や失業認定などがあるため、基本手当を受給するまでは約1ヶ月以上かかると考えておきましょう。
指定された日にハローワークに来所し「雇用保険受給者初回説明会」に参加します。その際は以下の持ち物を忘れないようにしましょう。
説明会を受けたあとは失業認定を受けるまで求職活動をします。失業認定日までに就職できなかった場合は、基本手当を受給することになります。
受給期間中の収入を報告しなかったなどの場合は不正受給として給付が停止されたり、これまで受け取った給付金の返還命令が下されることもあります。
また、悪質な場合詐欺罪として刑事告訴されることもあります。
雇用保険は加入条件を満たしていれば強制加入になる保険です。そのため、加入していない場合は会社側に責任が生じます。加入条件は以下の通りです。
条件を満たしているのにも関わらず未加入であった場合は2年間まで遡って加入することが可能ですので、会社の管轄のハローワークに相談しましょう。
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