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みなし労働時間制とは何か?わかりやすく解説

更新日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
みなし労働時間制とは何か?わかりやすく解説
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みなし労働時間制(みなしろうどうじかんせい)とは、あらかじめ規定した時間分、働いたとみなす労働時間制度のことです。

労働基準法では法定労働時間を労働者の労働時間を1日8時間、週40時間と定めていますが、事業や業務の性質によっては違う形で労働者を管理したほうが良いという考えの下、柔軟な労働制度としてこのような制度が存在しています。

みなし労働時間制のほかには「変形労働時間制」や「フレックスタイム制」という制度があります。

本記事では「みなし労働時間制」について、具体的にどんな制度であるか、みなし労働制における割増賃金について紹介します。

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みなし労働時間制とはなにか

労働基準法では使用者が労働者を働かせていい時間は1日8時間、週40時間までとしています。

しかし、労働者のおこなう業務によっては、会社側が時間管理をするよりも労働者に労働時間の配分をまかせたほうが合理的なケースや、社外に出ていて労働時間の把握をすることが難しいケースもあります。

このようなケースを想定して労働基準法は事前に決められた時間を働いたと「みなす」、みなし労働時間制を認めています。

みなし労働時間制の2つの種類

みなし労働時間制には裁量労働制事業場外みなし労働時間制の2つがあり、裁量労働制は更に2種類に分かれます

これらの労働時間制がどのような特徴を持つのかご覧ください。

裁量労働制

裁量労働制には「専門業務型」と「企画業務型」があります。

専門業務型裁量労働制

専門業型裁量労働制は特定の業務を対象として採用できる制度で、研究開発など会社や上司から具体的な指示が無い中でおこなう業務が当てはまります。

対象となっている業務は、労働者自身で時間配分や仕事の進め方を決めて働いたほうが合理的だとされている仕事です。

特徴としては、1日8時間・週40時間という縛りにとらわれず、あらかじめ労使協定によって定めた時間分労働したとみなすことができるという点です。

労使協定で定めた時間を超過したり、未満であっても等しく協定で定めた時間分働いたことになります。

専門業務型裁量労働制を実施する場合は、まず①労使協定を締結して、②労働基準監督署長に書類を提出する必要があります。

■専門業型裁量労働となる19の業務

採用できる業務は以下の19の業務です。

1

新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務

2

情報処理システムの分析又は設計の業務

3

新聞、出版の事業における記事または放送番組、有線ラジオ放送、有線テレビジョン放送の放送番組の制作の取材または編集の業務

4

衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務

5

放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務

6

コピーライターの業務

7

システムコンサルタントの業務

8

インテリアコーディネーターの業務

9

ゲーム用ソフトウェアの創作の業務

10

証券アナリストの業務

11

金融工学等の知識を用いておこなう金融商品の開発の業務

12

大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)

13

公認会計士の業務

14

弁護士の業務

15

建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務

16

不動産鑑定士の業務

17

弁理士の業務

18

税理士の業務

19

中小企業診断士の業務

企画業務型裁量労働制

企画業務型裁量労働制とは、企業において企画・立案・調査・分析をおこなう業務に就いている労働者を対象とした制度です。

専門型と同様、労働者自身が労働時間の配分を決めていくことになりますが、専門型よりも制度を実施するための手続きが複雑です。

労使委員会を作り、企画業務型裁量労働制を実施するための決議をする必要があります。

決議後に労働基準監督署に届出を提出し、労働者本人からの同意を得ることで制度を実施することができるのです。

事業場外みなし労働時間制

営業職で外回りをしていたり、出張中の労働者の場合、その労働時間を正確に把握することが難しいこともあります。

そのような場合、会社は対象者について事業場外みなし労働時間制を適用し、実労働時間に拘らずあらかじめ決められた時間分だけ働いたとみなすことが許されています。

もちろん外回りでも細かい指示の下で働いていたり、時間配分が決められているなど労働時間の算定が可能であることもあり、その場合は事業場外労働みなし制の適用はできません。

事業場外みなし制では「所定時間分働いたとみなす」場合と「通常その業務を遂行するのにかかる時間分労働したとみなす」場合があります。

「所定時間分働いたとみなす」場合は、労使協定は不要で就業規則に定めておけばいいのですが、「通常その業務を遂行するのにかかる時間分労働したとみなす」場合は労使協定が必要です。

「みなす」の種類

労使協定

時間外労働手当

所定時間分働いたとみなす場合

不要

不要

通常その業務を遂行するのにかかる時間分労働したとみなす場合

必要

みなし時間による

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みなし労働時間制における割増賃金とは

通常の労働制度では所定労働時間を超過すれば残業代が支給され、更に法定労働時間1日8時間もしく週40時間を超過した場合(時間外労働)は、25%以上の割増賃金が支給されます。

一方でみなし労働時間制は、何時間働いても所定労働時間分だけ働いたとみなす制度ですので、残業手当がつかないのではないかと思う人もいるでしょう。

しかし、みなし労働時間制においてもみなした労働時間が所定・法定労働時間(1日8時間)を超過している場合は、その分についての残業手当はちゃんとつきます

みなし労働時間制での休日・深夜勤務について

みなし労働時間制においても休日・深夜労働に関する規定は排除されず、条件をみたせば休日手当・深夜手当という割増賃金が支給されます

裁量労働制の場合は、深夜(22時~5時まで)に労働させたとしても残業にはなりませんが、深夜手当として割増賃金は発生します。

休日に関してはみなし労働時間制の適用ができないため、休日労働や深夜労働の時間は何らかの方法で別途把握される必要があります。

しかし労働者は労働を会社に提供しているのです。

働いた分だけの対価が未払いであればしっかりと請求しましょう

未払いの割増賃金を請求する

未払いの割増賃金を請求する

残業手当など割増賃金が未払いの場合は、請求すればちゃんと支払われます。

以下の4つの方法のいずれかを利用し、対価を受け取りましょう。

  • 会社に直接請求をする
  • 労働基準監督署に申告する
  • 労働審判制度を利用する
  • 訴訟を起こす

上記の請求方法のほか、未払いの割増賃金を請求するにあたっては就業規則を立証する書類や日々の退勤記録、会社からの指示メールなどの証拠が必要になります。

これらに未払い請求ついては「未払い残業代を自分で請求/獲得する為の証拠と手順を徹底解説」「給料未払いの人が自分で未払い賃金を請求する方法と重要な証拠を解説」で詳しく紹介していますので確認ください。

労働審判制度について

割増賃金の未払いの請求方法として労働審判制度を先ほど挙げましたが、これは労働者と会社間の労務問題を審議する制度で、賃金の未払いのほか、雇用関係のトラブルでもこの制度を利用することができます

原則3回を上限とする審理のもと解決を図る制度であり通常裁判に比べるとかなりの時間短縮になります。

労働審判には弁護士を立てることを検討しましょう

もちろん労働者本人だけでも労働審判の申し立てをおこなうことはできますが、会社と法的内容について話しあったり、いくつもの書類を準備することとなると、やはり弁護士に依頼することが得策です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

最後にこの記事の主旨をまとめます。

  • みなし労働制は「裁量労働時間制」と「事業場外みなし労働時間制」の2つがある
  • 残業手当、深夜労働手当、休日労働手当は条件を満たせば支給される
  • 割増賃金が未払い場合でも諦めずに請求をおこなう

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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