労働時間の根本的な考え方と、労働時間を取り巻く様々な問題

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労働問題コラム
2018.5.16
残業代請求 弁護士監修記事

労働時間の根本的な考え方と、労働時間を取り巻く様々な問題

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労働時間とは、その名の通り働いた時間のことですが、現在労働時間をベースにした労働基準法を採用する日本で働く労働者にとって、労働時間について詳しく知っている労働者があまりにも少ないように感じます。
 
その結果、残業代未払いや働きすぎ、最悪の場合、過労死などの問題も生じています。今回は、労働時間の全てを解説しますので、自身の働き方と比較してみて、本当に適法な働き方ができているのかの判断材料として下さい。

 

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労働問題は、労働者側が会社に泣き寝入りしてしまうことが多いです。しかし、法的に見てみると会社側に非があり、残業代請求や解雇取消などの方法が取れることも多くあります。当サイト【労働問題弁護士ナビ】では無料相談可能な弁護士も多く掲載しています。会社から納得いかない扱いを受けたのであれば、一度弁護士に相談してみましょう。

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【目次】
法定労働時間と所定労働時間を理解しよう
労働時間の定義
月の労働時間の平均は200~220時間程度
変則的な労働時間の働き方まとめ

労働時間が長い場合の対処法
まとめ

法定労働時間と所定労働時間を理解しよう

実は労働時間の種類にも様々なものがあり、それらが組み合わさることで月ごとの給料が算出されています。その労働時間の核となる法定労働時間と所定労働時間の違いについて理解しましょう。
 

法定労働時間とは?

法定労働時間とは、国で決められた1日あたり、1週間あたりで労働者を働かせていいと制限された時間のことです。法定労働時間では、1日8時間、1週間40時間と決められています。もし、この時間以上働かせる場合は、労使協定(36協定)を結んでいないといけません。
 
更には、この法定労働時間を超えて働いた場合は、時間外労働(残業)となり、時間外手当(残業代)として割増賃金が支払われないといけません。このことはなんとなく認識できている方が多いでしょう。
 

所定労働時間とは?

労働基準法では、始業時間と終業時間を必ず就業規則に記載しなければなりません。つまり、会社で決め、就業規則に記載のある労働時間のことを所定労働時間と言います。この所定労働時間は、上記の法定労働時間以内(1日8時間、1週間40時間)に収まるように設定しなければなりません。
 
例えば、「始業時刻10:00~終業時刻18:00」といったような形です。この場合、お昼休みの1時間休憩があったとすると、所定労働時間は1日7時間となり、法定労働時間以内に収まります。
 
実際に10時から19時まで働いた場合、所定労働時間では、1時間多く働いていますが、法定労働時間以内には収まっています。時間外労働になるのは、法定労働時間を超えた時間で計算しますので、この場合、時間外手当は発生しません。
 
このように、混合されがちですが、時間外労働となるのは、法定労働時間が基準になっているということを覚えておきましょう。

 

労働時間の定義

それでは、労働時間の定義は何でしょうか。上記の所定労働時間内は、実質、会社に拘束されている時間となるため、仮に居眠りをしていても、スマホのアプリを使用していても労働時間と言えます(もちろんそのような事を行うと怒られるでしょう)。
 
つまり、所定労働時間以外で、労働時間とみなされるかどうかを判断し、その結果、法定労働時間を超えるようであれば、時間外労働になり時間外手当が発生します。以下の内容が労働時間として考えられるでしょう。

 

通常の残業時間

例えば、タイムカードベースで労働時間を記録している会社の場合、所定労働時間を超えてタイムカードが打たれている間の時間は労働時間となるのは、ご存知の通りでしょう。
 
また、上司から残るように指示された場合も分かりやすい労働時間として言えます。一方、「タイムカードなどがない」「タイムカードを切った後」「指示は無かったものの働いている」などであっても、以下の内容は労働時間として考えられます。

 

暗黙の指示による労働時間

例えば、通常の法定労働時間内では絶対に終わらないような業務であったり、遅くまで残ることが常習化して、それを上司や使用者が見て見ぬふりをしているようであれば、労働時間として考えられます。
 
判断が難しいところですが、職場だけでは仕事が終わらず、自宅で仕事を片付けるような場合でも、「この書類を作成するのに1時間かかる」など、そのことを証明できるものがあれば労働時間となります。
 

朝の朝礼や掃除の時間

始業時刻前に朝礼やそうじの時間を設ける会社も見受けられますが、そのことへの参加が強制的・常習的になっているようであれば、労働時間となります。
 

参加強制の研修など

土日などの本来会社が休みの日に強制的に研修に参加させられるようであれば、そちらも労働時間となります。
 

着替え・待機の時間

細かいですが、労働基準法では、作業着等に着替える時間も労働時間とされています。また、昼休みなどでも、電話番として、社内で待機するように指示されていた場合は労働時間となります。
 

労働時間にならない場合

一方、労働時間とは考えづらい内容は以下のようになります。

 

❏通勤時間

ご存知の通り、通勤時間は労働時間にはなりません。付随して、通勤手当が支給されるかどうかは会社ごとの裁量になります。
 

❏出張先への往復時間

同じく出張先への往復時間も労働時間とはなりません。
 

❏希望制の研修

参加希望選択制の研修等も労働時間とはなりません。
 

❏社員旅行

例えば、休日に社員旅行などがある場合、実は「行きたくないな」と思う方がいるのではないでしょうか。原則として、社員旅行も労働時間とはなりません。ただし、社員旅行を欠席した場合にペナルティがあるようでしたら、労働時間としても考えられます。
 

月の労働時間の平均は200~220時間程度

調査対象のばらつきや、対象者の労働時間の判断基準が曖昧なことから明確に断定することは難しいのですが、月の平均労働時間は200時間~220時間と考えられます。これは、1ヶ月の総時間を720時間とすると、約30%を労働時間に費やしていると考えられます。
 
ちなみに月の法定労働時間は160~180時間程度で、平均的に毎月40時間前後残業している事になります。実際に、残業時間の平均は47時間という調査結果も出ています。「残業時間の平均は47時間」。平均すると1日2時間以上残業をしていることになります。
 

変則的な労働時間の働き方まとめ

このように、労働時間を基準として「働いた・働いていない」「給料の増減」が判断されがちな現在の労働基準法。理由は、単純で「時間を基準とすると普遍的で判断がしやすいから」です。
 
しかし、必ずしも労働時間を基準として働いているかどうかを判断できかねない業態もあります。例えば、各地に事業所が点在していて、従業員の動向を逐一管理できないようであったり、成果が出ないことには会社の存続も危ぶまれる中小企業(安定的に成果が出る仕組みを作ることも企業努力ですが)など。
 
このようなことから、一概に労働時間=賃金と言えない、働き方を採用する企業も増えており、労働基準法でも認められています。しかし、それを逆手に取り、労働者を低賃金で長時間働かせるという企業も出てきており、度々問題になっています。こちらでは、変則的な労働時間の説明とそれに付随した問題点と対処法を解説します。

 

変形労働時間制

変形時間労働制とは、上記で説明した、法定労働時間の1日8時間・週40時間の基準を崩して、月、もしくは年間の労働時間が法定労働時間内に収まるように所定労働時間を設定する労働形態です。
 
日ごと、時期ごとに繁忙期などが顕著な業種に多く、仮に1日10時間労働の日があっても、別の日を6時間労働などにして帳尻合わせをすることで、法定労働時間以内に収まれば、残業代が発生しないようにするといった制度です。
 
問題として、日ごとの労働時間があやふやになり、1日10時間労働が当たり前かのように働かせ、残業代も出ない企業が出てきています。詳しくは「変形時間労働制の概要と実態」をご覧ください。

 

みなし残業・固定残業

みなし残業とは、あらかじめ一定時間の残業があることを想定して、事前に基本給の中に残業代を含ませておくといった方法です。従業員の動向が把握しづらい営業職や、各地に事業所がある小売・飲食・サービス業などが多く採用しています。
 
しかし、みなし残業を取り入れるには、一定の要件があるものの、それをクリアしておらず、従業員の長時間労働、低賃金(正規の残業代に満たない)などの問題が生じています。
 
会社としては、「みなし残業で残業代は払っている」という言い分ですが、違法性があることがほとんどです。詳しくは「みなし残業の仕組み」をご覧ください。
 

管理職問題

労働基準法では、管理監督者には残業代を払わなくて良いとなっています。そこで、特に中小企業などの小規模な会社は、主力で労働時間の長い従業員を管理職にして、残業代を抑えようとします。
 
しかし、実情は労働基準法での管理監督者と会社が認定した管理職には相違があり、「名ばかり管理職」「雇われ店長」などといった形で問題となりました。詳しくは「管理職になった途端残業代が出なくなる原因と今できること」をご覧ください。

 

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、従業員が自由に出退勤時間を決めることができ、効率の良い働き方が出来るとして、依然、求人案件でも人気となっている労働形態です。
 
「自由に出退勤出来るのだから残業代はない」という認識も生まれますが、実際には、残業代が発生する場合があります。フレックスタイム制といえども「仕事量が多く、とてもフレキシブルな働き方ができない」と感じているようであれば「フレックスタイム制でも残業代は出る」をご覧ください。

 

年俸制

年俸制と言うと、スポーツ選手をイメージしますが、企業によっては、年俸制を採用しているところもあります。そして、年俸制だからといって、労働時間が無視されて、残業代が出ないといったようなことはありません。詳しくは「年俸制で残業代が出ないのは一部だけ」をご覧ください。
 

裁量労働制

裁量労働制とは、労働時間という概念を無くし、成果によって働きを判断するという少し特殊な労働形態です。研究・開発やデザイナーなど、クリエイティブな職種が主に採用しており、基本的に賃金も一般的よりも高い傾向があります。
 
しかし、労働時間の概念がないことが原因となり、長時間労働が生じています。詳しくは「自由な働き方の裁量労働制に隠れた5つの問題点と対処法」をご覧ください。
 

労働時間が長い場合の対処法

上記で、労働時間の平均は200時間程度とご説明しましたが、それを長いと思うか、なんてことないと思うかは人それぞれでしょう。究極を言えば、法定労働時間内に帰れている人であっても、労働時間が長いと思う人はいます。単純に仕事が苦痛だからです。
 
3つの観点から労働時間が長いと思う原因を探り出し、それに見合った対処法を考えてみましょう。詳しくは「働きすぎと思う3つの原因と今からできる改善方法」をご覧ください。
 
また、今の職場での仕事がどうしても苦痛な場合、より良い職場への転職を視野に入れることも考えてみてはいかがでしょうか。
 
こちらの「仕事辞めてよかったと思う5つの瞬間と転職を迷う人への9つのヒント」をお読みになって、今の職場よりも働きやすい環境をイメージしてみることをおすすめします。
 

まとめ

いかがでしょうか。原則的に労働基準法では、労働時間がベースとなり賃金が算出されます。労働時間の根本の仕組みを理解した上で、自身の労働時間を確認し、労働時間と賃金が見合わないようであれば残業代請求などの対処法が取れるはずです。
 
各コラムを参考に問題点をあぶり出し、改善できる部分があれば、改善を行っていきましょう。到底一人では解決できないような法的な賃金問題があるようでしたら、「労働問題を得意とする弁護士」から問い合わせが出来ますので、ぜひご活用してみてください。
 

この記事を監修した法律事務所

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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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