ベンナビ労働問題 > 労働問題コラム > 残業代請求 > 残業代の相殺事情|ボーナスや代休・有給と相殺するのは許される?

残業代の相殺事情|ボーナスや代休・有給と相殺するのは許される?

更新日
このコラムを監修
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
残業代の相殺事情|ボーナスや代休・有給と相殺するのは許される?

体調不良や急用などの理由で、会社を早退や遅刻、場合によっては休みを取ることがあると思います。

 

そのような理由で勤務時間が減った際に、他の日に行った残業と相殺されていた経験がある方もいるのではないでしょうか。

 

一見問題がなさそうにみえますが、勤務時間が相殺された結果、残業代が支払われていないのであれば、違法の可能性があります

 

この記事では、残業代の相殺が違法な理由と、相殺が起こり得るケース、困ったときの相談先について解説します。

残業代請求の無料法律相談
個人としてではなく会社に対して対象者全員の残業代の再計算と請求は出来ますか?
20店舗展開している飲食店に勤務しています。変形労働時間を採用しているので、週40時間以上の勤務に該当する人も多数、月間法定労働時間を超えないと、残業代は支給していないとの会社の対応、シフトは毎週金曜に翌週分を作成、前日にシフトが変更になることもしばしば、そもそもの変形労働時間の運用のルールか守られておらず。対象者すべて(おそらく300名以上)3年間の時効まで遡り残業代の再計算を会社に対して要求することは可能でしょうか? ちなみに就業規則はありません。入社時に変形労働時間制採用の説明もありません。
詳細を見る
業務終了後のメール対応について
お世話になります。 以下2つのケースにつきまして、時間外労働に該当するかどうかご教授ください。 1.仕事を終え、帰宅した後に上司より翌日のアポイントの時間が変更になったとのメールがあり 確認した旨を返信した。 2.就寝前に業務メールをチェックしたところ、本日中に返信するようにとの指示があったので 対応した。 いずれも業務時間外のメールチェックは義務付けられておりません。 緊急案件が無いか、自分の意志でチェックしました。 (特に1のケースは翌日のアポイントに変更が無いか気になったため) 上記、時間外労働に該当するという場合は何時間と考えられますでしょうか。 実際対応した時間のみでしょうか。 もしくは、本日中の回答を指示されている=退社後も指揮命令の範囲にあったということで 退社後~対応完了までの総時間になるのでしょうか。 以上、よろしくお願いいたします。
詳細を見る
管理職と言われていましたが、残業代を取りたい
理不尽でしたが退職が決まりました。 管理職と言われていましたが、見込み残業でしたし、36協定にも毎年労働者の代表としてサインをいてます。 毎月公休も消化せず、毎朝7:00には出勤して早くても18:00、普通に19:00、会社が落ち着かない場合はもっと遅くまで働いていました。 12月11日に会長と社長(親子)との会議中に二人に怒鳴られて会議を退席したら、翌日に出勤停止と言われて、 休みにはいりました。 数日後に社長から出勤停止のあと、解雇に進めるとメールが来て、さらに数日後に話し合い、辞表を出してほしいといわれ、辞表を出しました。 20年近く働きましたが、取れるものはとことん取りたいです。
詳細を見る
残業代 請求 方法 教えてください。
昨年11月に代表が変わり・社名も変わりました。前の会社の社長の叔父さんにあたるのが現在の社長です。 その際に給料形態も変わりました。  退職金が出たため一旦会社を退職して新しい会社に就職した感じになっています。 全従業員同じ形で継続して働いています。 自分は 59才 営業部 部長職です。以前と変わっていませんが 以前か固定残業が付いていました。 今は営業手当は20000円支給されていますが 残業代は0円です。 営業は自分含めて3名おりますが 全員残業代は0円です。 現社長は営業は残業が付かなくても当たり前と思っているみたいです。 残業代を付けて欲しいと言っても相手にしてもらえず(残業付けなくても)全く問題ないと言われました。 現社長は80才でどうも考え方が古そうです。 タイムカードのコピーは持っています。 雇用契約書ありません。就業規則ありません(作成中?)従業員数15名ほどです。
詳細を見る
もっと見る

残業代の相殺は違法となる可能性がある

合計時間が変わらなければ、残業時間から遅刻や早退などによって足りなくなった労働時間を差し引いても、問題がないと思うかもしれません。

 

しかし、法定労働時間である「1日8時間、週40時間」を超えて働いた場合、割増賃金(1時間あたりの基準賃金の1.25倍)を含めた残業代を支払う必要があります。

 

仮に、残業代の相殺を会社が行っていた場合、割増賃金が支払われていない可能性があります。

 

もちろん、遅刻や早退などによって、短くなった時間分の賃金を支払わないことが、違法となるわけではありません。あくまで、本来支払わなくてはならない割増賃金を払わないことが違法なのです。

 

違法となる例

所定労働時間が9:00~18:00(1時間の休憩時間あり)の方が、ひと月の間に2時間の遅刻と残業があった場合に、それを相殺して計算したかどうかで、支給される給料が異なります。

 

〇日:2時間遅刻したため9:00~16:00までの6時間勤務

△日:2時間残業したため9:00~20:00までの10時間勤務

 

1時間あたりの基礎賃金を1,000円とした場合、

 

【残業と早退を相殺したパターン】

→1,000円×16時間=16,000円

 

【別々に計算したパターン】

〇日→1,000円×6時間=6,000円

△日→1,000円×8時間=8,000円

   1,000円×2時間×割増率.1.25%=2,500円

合計→6,000円+8,000円+2,500円=16,500円

 

つまり残業代の相殺が行われてしまうと、割増賃金が支払われなくなるかもしれないのです。

 

 

残業代の相殺が起こり得る6つのケース

残業代の相殺は、さまざまなケースで起こり得る可能性があります。

 

違法となるかはケースごとに異なるりますので、そのあたりのことを弁護士の先生にお聞きしました。

 

ケース1 代休があった場合

質問

月に残業を8時間したら、1日代休を取るようにしている会社があった場合、法的には問題はないのでしょうか?

先生の回答

残業8時間に見合う代休を与えているということは、残業代を支給しない理由にはなりません

但し、当該代休を特別な有給での休暇として一定の賃金を支払っている場合は、当該支払分については割増賃金の支払と認める余地はあります。

ケース2 有給を取った場合

質問

有給は休みであっても給料が発生しています。残業代と相殺することに問題はないのでしょうか?

先生の回答

法定の有給休暇は労働者の権利であり、残業の有無に拘わらず取得できるものです。したがって、これを取得したこと(法定の有給休暇の取得を認めたこと)は、割増賃金を支給しない理由にはなりません。

ケース3 早退・遅刻があった場合

質問

遅刻があった場合、始業開始時刻が後ろ倒しになりますので、所定労働時間を超えて働いたとしても、法定労働時間内に収まっていれば、割増賃金の支払いがなくても違法ではない?

先生の回答

ご理解のとおりです。実労働時間が所定労働時間/法定労働時間を超えているのかが問題となります。ただ、深夜帯に絡む場合は、実労働時間に拘わらず0.25の割増が必要となります。

質問

また、他の日に発生した残業時間を早退で労働時間が短くなった日と、相殺するのはどうでしょうか?

先生の回答

相殺の意味がわかりませんが、結局、1日の実労働時間が法定労働時間を超えていれば割増賃金が発生するというのが原則論ですので、発生した分は精算し、欠勤控除は別で行うという処理が必要です。その過程で金額の一部について相殺が発生することはあるのかもしれません。結局、上記処理が正しく行われていれば問題ないと考えます。

ケース4 ボーナスの支給があった場合

質問

残業代を支給せずに、ボーナスによる一括支払いをする方法は違法ですか?

先生の回答

違法です。

ケース5 役職手当の支給があった場合

質問

役職手当として残業代分をカバーする金額が支給されていれば問題はありませんか?

先生の回答

役職手当が割増賃金として支払われること(要するに固定割増賃金として支払われること)が適正に運用されていれば問題ありません。このような運用がなければ、役職手当を当然に割増賃金とみなすことはできません。

ケース6 変形労働時間制の場合

質問

変形労働時間制が適用されている場合、残業代の相殺は許されるのか?

先生の回答

変形労働時間制はその枠内で運用される限り、法定労働時間の規制は修正されます。そのため、枠内で正しく運用されていれば、8時間を超えても割増賃金支給がされないことはあり得ると考えます。なお、変形労働時間制でも欠勤控除自体はあり得ます。

 

 

残業代の相殺で悩んだときの対処法

会社が行っている残業代の相殺について、正しくないとご自身で指摘をしても、聞く耳を持ってもらえない可能性があります。

 

そうした場合には外部の専門家を頼りましょう。

 

労働基準監督署に相談

労働基準監督署は、企業が労働関係の法律に違反しないよう監督を行う公的機関です。

 

無料で労働トラブルに関する相談に乗ってもらえるため、労働者にとっては心強い味方といえます。

 

しかし、企業が行っている違法な残業代の相殺を是正してもらうためには、違反していることを証明する証拠を集めなくてはならないので注意しましょう。

労働問題に詳しい弁護士に相談

残業代の相殺が行われているということは、未払い残業代が発生しているとも言えます。

 

もし、未払い残業代をきちんと請求したいのであれば、弁護士に依頼するとよいでしょう。前述した労基署は、個々人の権利を守るために動いてくれるわけでは在りません。あくまで全体の労働環境を良くすることが目的です。

 

反面、弁護士は依頼主の権利を守るために行動してくれます。未払い残業代を回収するために、最後まで一緒に戦ってくれるでしょう。

 

まとめ

残業時間を早退や遅刻などと相殺が認められるのは、割増賃金が発生していない場合です。

 

割増賃金が発生するのは、法定労働時間を超えて働いた場合です。そして、多くの企業では、労働時間を法定労働時間と同じ時間に設定しています。

 

もし、残業代の相殺が行われているようであれば、未払い残業代が発生しているかもしれません。

 

ご自身で支払いを求めて行動を起こすのは、簡単ではないので、労働基準監督署や弁護士を頼りましょう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ労働問題で
残業代請求が得意な弁護士を探す
この記事をシェアする

弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます

労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。

・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
・給料未払い問題を解決したい

など、労働問題でお困りの事を、【労働問題を得意とする弁護士】に相談することで、あなたの望む結果となる可能性が高まります。

お一人で悩まず、まずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

弁護士を検索
兵庫
埼玉
京都
福岡
千葉
神奈川
ベリーベスト法律事務所

残業代を取り戻そう!残業代請求・不当解雇は相談料0円成功報酬制残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】

事務所詳細を見る
ベリーベスト法律事務所

残業代を取り戻そう!残業代請求・不当解雇は相談料0円成功報酬制残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】

事務所詳細を見る
弁護士法人勝浦総合法律事務所

不当解雇残業代請求初期費用0円の完全成功報酬制】「突然解雇された」「PIPの対象となった」など解雇に関するお悩みや、残業代未払いのご相談は当事務所へ!不当解雇・残業代請求の実績多数。年間の残業代回収実績13億円!【全国対応|LINEお問い合わせ◎】

事務所詳細を見る
ベリーベスト法律事務所

残業代を取り戻そう!残業代請求・不当解雇は相談料0円成功報酬制残業代が取り戻せなかったら後払いの費用(弁護士報酬)はいただきません!※事務手数料・実費についてはお支払いを頂きます。※詳しい料金は詳細ページへ※外出不要で相談可能【電話・オンライン相談(予約制)】

事務所詳細を見る
兵庫県の弁護士一覧はこちら

この記事の監修

弁護士法人プラム綜合法律事務所

梅澤康二 弁護士
(第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

残業代請求に関する新着コラム

残業代請求に関する人気コラム

残業代請求の関連コラム

「 残業代請求 」に関するQ&A
勤務記録を証明できるものが手元にない場合、請求は出来ないのでしょうか。

相談者様ご自身で保管していなくても、弁護士に依頼することで会社に開示請求を行う事ができます。
タイムカードはもちろん、PCの起動ログから残業時間を立証できた事例もございますので、証拠が手元に無くても泣き寝入りせず弁護士に相談しましょう。

残業代請求時に認められやすい証拠と、証拠がない時の対処方法
管理職だから残業代は出ないと会社から伝えられました。本当に1円も請求できないのでしょうか。

確かに労働基準法では、「管理監督者」には残業代を支払わなくても良いと明記されておりますが、会社で定める「管理職」が労働基準法で言う「管理監督者」に当たらないケースもあります。
この場合は会社側が労働基準法違反となり、残業代を支払う義務を負います。このような名ばかり管理職問題についてまとめた記事がございますので、詳しくはそちらをご覧ください。

管理職(課長職など)に残業代が出ないのは違法?未払い残業代の請求手順
会社が固定残業代制度(みなし残業制度)の場合、残業代は全く払われないのでしょうか。

固定残業時間以上の残業を行った場合、その分の残業代は適切に支払われる必要があります。また、36協定の都合上、基本的に固定残業時間の上限は45時間とされております。
固定残業時間を上回る残業を行ったり、会社が違法な固定残業代制度をとっていた場合はもれなく残業代請求が可能です。直ちに弁護士に相談しましょう。

固定残業代(みなし残業)とは?未払い分がある場合の対処法も解説
在職中に残業代請求を行うリスクについて教えてください。

残業代請求に対する企業からの報復行為は、そのほとんどが違法とみなされているため積極的にされることはありません。
ただし、少なからず居心地が悪くなる懸念もあります。一般的には在職中に証拠を集めるだけ集め、その後の生活を守るために転職先を決めてから残業代請求を行うのがベターと言えるでしょう。

残業代請求をしたら報復に?予想される報復行為と未然に防ぐ方法
未払い残業代に時効はあるのでしょうか。

残業代請求の時効は3年となっております。
退職してからゆっくり残業代請求を行う場合、どんどん請求可能期間が短くなってしまいますので、一早く請求に対して動き始めましょう。
また、弁護士に依頼して内容証明を会社に送ることで、時効を一時的にストップさせることが出来ます。

残業代請求の時効は3年|時効を中断させる方法を解説
キーワードからコラムを探す
労災トラブル解決事例集
全国の労働問題の解決が得意な弁護士
  • 関東
  • 北海道・東北
  • 中部
  • 関西
  • 四国・中国
  • 九州・沖縄
  • 弁護士一覧
  • 東京
  • 神奈川
  • 埼玉
  • 千葉
  • 茨城
  • 群馬
  • 栃木
  • 北海道
  • 青森
  • 岩手
  • 宮城
  • 秋田
  • 山形
  • 福島
  • 山梨
  • 新潟
  • 長野
  • 富山
  • 石川
  • 福井
  • 愛知
  • 岐阜
  • 静岡
  • 三重
  • 大阪
  • 兵庫
  • 京都
  • 滋賀
  • 奈良
  • 和歌山
  • 鳥取
  • 島根
  • 岡山
  • 広島
  • 山口
  • 徳島
  • 香川
  • 愛媛
  • 高知
  • 福岡
  • 佐賀
  • 長崎
  • 熊本
  • 大分
  • 宮崎
  • 鹿児島
  • 沖縄
ベリーベスト法律事務所
初回面談相談無料
電話相談可能
休日の相談可能
残業代請求
不当解雇
解雇予告
内定取消
雇い止め
労働審判
ハラスメント
給与未払い
退職金未払い
退職勧奨
ベリーベスト法律事務所
初回面談相談無料
電話相談可能
休日の相談可能
残業代請求
不当解雇
解雇予告
内定取消
雇い止め
労働審判
ハラスメント
給与未払い
退職金未払い
退職勧奨
ベリーベスト法律事務所
初回面談相談無料
電話相談可能
休日の相談可能
残業代請求
不当解雇
解雇予告
内定取消
雇い止め
労働審判
ハラスメント
給与未払い
退職金未払い
退職勧奨
ベリーベスト法律事務所
初回面談相談無料
電話相談可能
休日の相談可能
残業代請求
不当解雇
解雇予告
内定取消
雇い止め
労働審判
ハラスメント
給与未払い
退職金未払い
退職勧奨
並び順について
※事務所の並び順について

当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。

・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡

あなたの場合、
ご退職後3年以上経過されているため、
残念ながら残業代請求をするのは難しいと思われます。

残業代請求の時効は 3 です。

今後、残業代の請求をされたい場合には、
お早めに請求手続きを始めることをおすすめいたします。

相談員

相談内容を選択してください

金アイコン
もらえる慰謝料を増額したい方
弁護士・司法書士の方はこちら
ベンナビ労働のウェブサイト上に表示された、弁護士相談を促すポップアップ。