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残業代請求訴訟で負ける5つのパターンと失敗を防ぐ為にできる3つの対策

更新日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
残業代請求訴訟で負ける5つのパターンと失敗を防ぐ為にできる3つの対策

勤め先の会社から残業代が十分に支払われていない場合、会社に対して残業代の支払いを請求することができます。しかし、残業代の支払いを会社が争ってきた場合は、訴訟提起を検討する必要があります。

 

しかし、訴訟を起こして残業代を請求した場合、労働者側の言い分が認められず、想定したような認容額とならないパターンもあります。

 

このようなリスクを避けるには、弁護士と連携しながらしっかり対策をして訴訟に臨むことが大切です。

 

なお、訴訟で「勝つ」「負ける」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、何をもって勝った・負けたというのかは人それぞれです。

 

例えばですが、訴訟の手続途中で裁判所から和解案が出され、請求額の約8割の支払義務が認められたとしたら、それは単純に「負け」とは言えないのではないでしょうか。(もちろん手放しで勝ちとも言えないかもしれませんが)

この記事では、

 

  1. 残業代請求訴訟における「負け」とはなにか
  2. 残業代請求訴訟で労働者が負けるパターン
  3. 残業代請求訴訟で負けることを防ぐための対策

などについて、法律的な観点から解説します。

 

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残業代請求訴訟において『負ける』とはどういうことか?

そもそも、「従業員が残業代請求訴訟に負ける」とはどういうことなのでしょうか。例えば、従業員の主張が全く受け入れられず、残業代の支払いが一切認められなかった場合は完全な「負け」といえるでしょう。

 

また、残業代の支払いが認められたとしても、それがごく一部であり、金額的にも十分でないような場合も、従業員側としては満足できないことが多いのではないでしょうか。この場合も、従業員側からすれば「負けた」と感じることが多いかもしれません。

 

なお、実際の残業代請求の訴訟手続等では、労働時間をどのように認定するかにより結論が大きく左右されます。

 

例えば、時間外労働があったことは認められてもその時間が労働者側の想定よりも少ない範囲でしか認められなかったり、休日労働や深夜労働は証拠が不十分で全く認められなかったりということは往々にしてあります。

 

この場合、労働者側の請求の全部は認められないことになります。この認められなかった部分に限って言えば「負けた」ということはできるかもしれません。

このように、一口に「負けた」と言っても、その評価はあくまで相対的なものです。したがって、残業代請求の訴訟等では勝ち負けがどうこうというより、最終的に認められた金額をどう評価するかの問題というべきです。

 

残業代請求訴訟で労働者側の請求が否定される5つのパターン

残業代請求訴訟で労働者側の請求が否定される場合には、いくつかのパターンが存在します。

 

以下ではそのパターンを6つにまとめましたので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

残業の証拠が不十分な場合

残業代請求訴訟では、実際にどのくらい残業を行ったかについて、「従業員側が証拠により立証する必要」があります。

 

そのため、労働者側で労働時間を立証する証拠が十分でないような場合には、その主張するような労働時間での認定がされず、結果、請求の大部分が認められないということもあります。

 

会社側も労働時間を全く管理していないような場合には、労働時間を証明するためのそもそもの資料に乏しく、労働者側で対応に苦慮することは多いです。

 

労働者側としては、PCのログオンやログオフ記録・オフィスの入退室記録・業務メール等の送受信記録・交通ICカードの利用記録などをできる限り収集し、労働時間の立証を積み重ねることになります。

ただし、自力で証拠集めをしようとすると手間もかかりますし、どれだけ集めれば十分なのか判断が難しいこともあります。会社によっては就業規則にて持ち出しを禁止している情報などもあり、そうとは知らずに持ち出してしまうと懲戒処分を受けるリスクもあります。

 

自力での証拠集めが不安な場合は、弁護士に依頼しましょう。弁護士であれば、トラブルなくスムーズに証拠集めを済ませてくれます。

 

ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)では残業代請求に注力している弁護士を掲載しており、「残業代請求が得意な弁護士を探す」から付近の弁護士を検索できます。

 

ちなみに、もし会社側がタイムカードや勤務表等で労働時間の管理をある程度行っている場合には、証拠集めについて心配する必要はないでしょう(このような資料は、訴訟手続となってから、会社側に提出させることができます)。

 

会社からの残業禁止の具体的な指示に反して残業をした場合

会社から明示的な残業禁止の指示があり、かつ従業員の側で敢えて残業をする必要も認め難いような場合には、労働者の自主的判断で残業行為が行われても、その労働時間性が否定される可能性があります。

 

しかし、このような残業禁止の指示はある程度明確に行われる必要がありますので、そもそも会社による残業禁止命令が明示的にされていない場合は、当該禁止を理由に労働時間が否定される可能性は高くないと思われます。

また、仮にこのような明示的な禁止命令がされていたとしても、労働者側の業務量・業務状況からして残業が事実上不可避であったり、労働者側による残業行為を会社側で認識しつつ黙認していたような場合にも、命令違反であるという形式的理由のみで労働時間性が否定される可能性は高くないと思われます。

 

残業代の消滅時効が完成している場合

従業員が会社に対して残業代を請求する際には、「残業代請求権の消滅時効が完成する前に行う」必要があります。消滅時効が完成した部分については、会社は消滅時効を援用することにより、残業代の支払い義務を免れることができます。

 

なお、残業代に関する消滅時効のルールは、2020年4月1日施行の民法改正に合わせて、同日付けで変更されました。同日より前に発生した残業代請求権と同日以降に発生した残業代請求権の消滅時効期間は、以下のとおり異なりますので注意しましょう。

 

残業代請求権の発生時期

消滅時効期間

2020年3月31日以前

2年

2020年4月1日以降

3年

過去に発生した権利は時間の経過とともに確実に消滅していきますので、会社に対して残業代請求を検討しているのであれば、できる限り早く弁護士に相談してください。

 

労働基準法上の管理監督者であると判断される場合

従業員が「監督若しくは管理の地位にある者」である場合には、通常の労働者に対する労働時間規制は一部適用されないものとされています(労働基準法41条2号)。

 

(労働時間等に関する規定の適用除外)

第四十一条 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者

二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

引用元:労働基準法41条

 

そのため、法律上の管理監督者に該当するような場合には、時間外労働や休日労働に関する割増賃金の請求は認められないこととされています(この場合でも深夜労働に関する割増賃金の請求は可能です。)。

 

ただし、法律上の「管理監督者」に該当するかどうかは実態に則して判断され、その認定のハードルは極めて高いとされています。

 

そのため、例えば会社内で管理職であるという形式的理由だけでは足りません(会社が本来であれば支払うべき割増賃金を「管理職である」という理由のみで支払わない問題が、所謂「名ばかり管理職」の問題です)。

 

そのため、会社から「管理職は残業代が出ない」と説明されており、実際に残業代が支払われていない場合でも、実態からすれば残業代の支払義務があったということは往々にしてあります。

 

この場合も、弁護士に相談して残業代の請求が可能かどうか慎重に検討した方が良いでしょう。

 

会社の固定残業代制により残業代が精算されている場合

固定残業代制とは、会社が労働者の実労働時間に拘らず毎月一定額の残業代を固定で支払う制度の総称です。固定残業代制が適正に導入・運用されている場合、固定支給部分については残業代が精算済みということになります。

 

そのため、実労働時間に応じて支払うべき残業代が固定支給額を超えない場合、追加で請求できる残業代は存在しないとして、残業代の追加請求は認められません。

 

ただし、固定残業代制が適正なものと認められるためには、以下の要件を全て満たすことが必要です。

 

  1. 通常賃金部分と割増賃金部分の区別が明確にされていること
  2. 固定支給分が残業行為の対価として支給されること

なお、当然ですが固定残業代制の下で残業代精算が認められるのは、固定支給額の範囲に留まります。

 

そのため、同制度が適正に導入・運用されていたとしても、固定支給額を超える割増賃金が発生している場合は、追加での精算処理が必要となりますので注意しましょう。

 

このように、残業代請求訴訟を起こしても請求が否定されるケースはいくつかあり、残業代請求について正確な知識を持っていないと、請求したところで無駄骨に終わる恐れがあります。

 

また、残業代計算は複雑ですので、知識のない素人が正確な金額を算出するのは困難です。残業代請求で失敗したくない人は、弁護士のサポートを受けるのがおすすめです。

 

従業員が残業代請求訴訟で負けないための対策

従業員が残業代請求訴訟で負けないようにするためには、どのような対策を取れば良いのでしょうか。

 

いくつかの考えられる対策について見ていきましょう。

 

残業の証拠をできる限り集める

訴訟で残業代を請求するためには、労働時間に関する証拠を集めておくことが重要であることは上記のとおりです。

 

残業の証拠となり得るものとしては、たとえば以下のようなものが挙げられます。

 

  • タイムカード、勤怠表、勤務シフト
  • PCのログイン・ログオフ履歴
  • オフィスの入退室記録
  • 交通ICカードの利用記録
  • Emailの送受信記録 など

退職してからでも手遅れではありませんが、退職前から証拠を収集しておく(証拠保全)を行う方がその後の請求処理はスムーズです。

 

交渉の中で会社側の主張を把握する

会社側が、残業代の支払義務を否定するような反論を主張してくることは十分あり得ます。

 

会社側がこのような反論をする場合、労働者側としてもこれに的確に反論する必要があります。そのため、手続の中で労働者側の主張と会社側の主張を比較対照し、論点・争点を的確に把握することが大切です。

 

残業代請求に詳しい弁護士に依頼する

上記のように、一見簡単そうに見える残業代請求についても要検討事項が多々存在する場合があります

 

そのため、法律的な知識・経験が乏しい労働者本人での対応には限界があり、会社にきっちりと請求するのであれば、残業代請求が得意な弁護士に依頼することを積極的に検討するべきでしょう。

 

なお、訴訟を起こすと終結するまで1年以上かかるようなケースもあり、なかには「できるだけ早く終わらせたい」「あまり大ごとにしたくない」という人もいるでしょう。

 

そのような人も、弁護士に相談してみることで、本当に訴訟を起こす必要があるのかどうかアドバイスが望めますし、場合によっては訴訟以外の解決手段を提案してもらえる可能性もあります。無料相談可能な事務所もありますので、まずは一度話を聞いてみましょう。

 

もし残業代請求訴訟で負けてしまった場合のその後

会社に残業代請求をしたけれどもうまくいかなかった場合、労働者側に何か不利益があるのでしょうか。

 

労働者側が訴訟等で負けてしまった場合の具体的リスクを正しく把握しておきましょう。

 

弁護士費用が無駄になる

残業代請求訴訟の結果、想定したような支払いを受けられなかった場合、弁護士費用などにより費用倒れになる可能性があります

 

このような費用倒れのリスクを回避・抑制する方法としては、完全成功報酬で依頼することがあります。完全成功報酬型であれば、弁護士費用の大部分を占める報酬金は、実際に取れた金額に基づいて算出されますので、訴訟に負けた場合に費用倒れとなる可能性を極力抑制することができます。

 

また、「弁護士費用保険への加入もおすすめ」です。すでに起きている問題には対応できないのですが、これから起こり得る問題に対しては、加入していれば弁護士費用を保険から捻出できますので、是非ご検討ください。

 

会社から損害賠償を請求されることはまずない

残業代請求訴訟に負けた場合、「会社側が対応に要した費用を逆に請求してくるのではないか」と不安に思う方もいるでしょう。

 

しかし、労働者側が残業代を請求する理由が全くないことを明確に認識しつつ、嫌がらせ目的で会社に請求しているような特殊なケースで無い限り、このような会社の請求が認められることはほとんどありません

 

したがって、この点はあまり心配する必要はありません

 

転職先に訴訟の事実が発覚する可能性もほとんどない

また、転職先に訴訟の事実が発覚する可能性もほとんどないので、この点も心配する必要はありません

 

もちろん、民事訴訟は公開法廷で行われますので、転職先の企業が訴訟の事実を知る方法がないわけではありません。

 

しかし、実際に転職先が前職との紛争をチェックすることはありませんし、前職の会社が転職先に対して積極的に訴訟の事実を開示することも通常はありません。

 

そのため、転職先がわざわざ裁判の情報を入手する可能性は事実上ないといえます。

 

従業員が残業代請求を弁護士に依頼するメリット

会社に対して未払いの残業代を請求する際には、弁護士に相談することがおすすめです。

 

弁護士に残業代に関する相談をすることには、さまざまなメリットがあります。

 

企業との対応を一任できる

弁護士に依頼しない場合、会社に対する手続外での請求や、法的手続での請求を労働者が全て独りで行わなければなりません。ただでさえ不慣れな処理を単独で行う負担は計り知れないものがあります。

 

弁護士に依頼すれば、このあたりの事務処理を全て一任できます。このメリットは極めて大きいです。

 

的確な訴訟対応が望める

実際の訴訟手続では、相手に対してどのような理由でどのような請求を行うのかを設定するにも十分な法的知識が必要です。

 

また、相手からの反論について論点・争点を的確に把握して、適切に反論するにはさらに豊富な知識が必要です。このような知識は労働者本人にはありませんが、弁護士にはあります。

 

また、訴訟手続では主張だけでは足りず、主張を裏付ける証拠を提出しなければなりません。このような証拠の取捨選択についても、労働者本人には難しい部分があり、弁護士の力がなければ適切な対応は難しいでしょう。

 

残業代請求訴訟で労働者側の請求を否定した裁判例3選

実際に従業員側の請求を否定した裁判例を3つ紹介します。

 

これらの裁判例を教訓として、同じ失敗を犯さないようにしましょう。

 

蛭浜タクシー事件(福岡地判平成19年4月26日)

タクシーの乗務員がタクシー会社に対して残業代を請求した事件です。

 

裁判所は従業員について、

 

  • ある程度人事権を有していたこと
  • 出退勤時間が原則自由だったこと
  • 他の乗務員に比べて高額な報酬を得ていたこと

などを理由として、労働基準法上の管理監督者であると認定しました。そのため、従業員の時間外労働について残業代の請求が認められませんでした。

 

要旨

◆原告は、被告タクシー会社に対し、雇用契約に基づき、時間外手当の支払を求めた事案において、原告は、営業部次長として、多数の乗務員を直接に指導・監督する立場にあったことなどから、労基法41条2号の管理監督者に該当するから、その請求できる時間外手当は、深夜割増賃金に限られるとして、請求を一部認容した事例

 

主文

 1 被告は,原告に対し,126万2680円並びに内金1万0660円に対する平成16年10月8日から支払ずみまで年14.6分の割合による金員及び内金125万2020円に対する平成16年10月1日から支払ずみまで年6分の割合による金員を各支払え。

 2 原告のその余の請求を棄却する。

 3 訴訟費用は,これを10分し,その9を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。

 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。ただし,被告が90万円の担保を供するときは,その仮執行を免れることができる。

 

裁判年月日 平成19年 4月26日

裁判所名 福岡地裁

裁判区分 判決

事件番号 平17(ワ)1010号

事件名 未払賃金等請求事件 〔姪浜タクシー事件〕

裁判結果 一部認容

上訴等 控訴

Westlaw Japan文献番号 2007WLJPCA04266004

 

神代学園ミューズ音楽院事件(東京高判平成17年3月30日)

従業員8名が音楽院に対して残業代を請求した事件です。

 

この事件では、音楽院が朝礼などを通じて、従業員に対して繰り返し残業禁止の指示を行っていました。というのも、この音楽院は従業員との間で36協定を締結していなかったので、従業員に残業をさせることが法律上認められていなかったのです。

 

音楽院は従業員に残業をさせないための対策として、所定労働時間内に業務が終わらない場合には管理職に引き継ぐよう指示を出していました。

 

裁判所は、従業員が音楽院の指示に反して行った残業について音楽院の残業代の支払い義務を否定しました。

 

要旨

◆賃金が労働した時間によって算定される場合に、その算定の対象となる労働時間とは、使用者の指揮命令の下にある時間又は使用者の明示又は黙示の指示により業務に従事する時間であると解すべきであり、使用者の明示の残業禁止の業務命令に反して労働者が時間外又は深夜にわたり業務を行ったとしても、これを賃金算定の対象となる労働時間と解することはできない。

 

裁判年月日 平成17年 3月30日

裁判所名 東京高裁

裁判区分 判決

事件番号 平16(ネ)95号 ・ 平16(ネ)4597号

事件名 賃金本訴、不当利得返還反訴、残業代請求控訴、同附帯控訴事件 〔神代学園ほか事件・控訴審〕

裁判結果 原判決一部変更、棄却

上訴等 確定

Westlaw Japan文献番号 2005WLJPCA03306005

 

富士運輸事件(東京高判平成27年12月24日)

トラックドライバーが運送業者である会社に対して残業代を請求した事件です。

 

この会社は固定残業時間制を採用しており、その旨を就業規則に明記していました。就業規則にはみなし残業時間と残業代の金額が明記されており、従業員の誰もが閲覧可能な状態にあったということです。

 

そして、実際の残業時間に対応する割増賃金を超える固定残業代が現実に支払われていました。このような事実関係を前提として、裁判所は原告であるトラックドライバーについて、未払い残業代はないと判断しました。

 

主文

 1 本件控訴を棄却する。

 2 控訴費用は控訴人の負担とする。

 

控訴人の本件請求は,その余の点について判断するまでもなく,すべて理由がないから,これを棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。

 

裁判年月日 平成27年12月24日

裁判所名 東京高裁

裁判区分 判決

事件番号 平27(ネ)2236号

事件名 割増賃金等請求控訴事件

裁判結果 棄却

上訴等 確定

Westlaw Japan文献番号 2015WLJPCA12246004

まとめ

残業代請求訴訟は簡単な手続きではなく、終結するまで1年以上かかることもあります。また、残業をした証拠が不十分の場合や、固定残業代制によって残業代が精算されている場合などには請求自体が否定され、無駄骨に終わってしまう恐れもあります。

 

残業代請求訴訟にて納得のいく額の残業代を受け取るためには、十分な証拠を集めたうえで、会社側の主張に対して的確に反論するなどの対応が必要です。法律的な知識・経験が乏しい素人が対応するには限界がありますので、残業代請求が得意な弁護士にサポートしてもらうことをおすすめします。

 

弁護士は、会社との直接交渉・証拠の準備・裁判対応など、残業代請求に関する手続きを代わってくれます。アドバイスだけもらうことも可能ですので、弁護士に依頼するかどうか迷っている人も、まずは無料相談などを活用して、詳しく話を聞いてみましょう。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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