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証拠保全とは|証拠が集まらない時の証拠保全の進め方

更新日
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
このコラムを監修
証拠保全とは|証拠が集まらない時の証拠保全の進め方

証拠保全(しょうこほぜん)とは、裁判で使う時の証拠をあらかじめ確保しておくことを言います。民事訴訟・刑事訴訟どちらの事件でも、あらかじめ証拠を調べて集めておき、その証拠を使わなければ裁判が困難になる場合、証拠保全を行ないます。
 
証拠保全を行なうには手続きが必要になってきますので、今回は、証拠保全の概要についてと、証拠保全手続きの流れについて解説していきます。

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結論からいうと、裁判所を介して証拠保全手続きをすることで、相手に証拠の開示命令が下されます。しかし、中には証拠の開示命令が無視されてしまうケースもあります。

 

もし、相手が素直に証拠を開示してくれない場合、弁護士に相談・依頼するのをおすすめします

 

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証拠保全とは?|証拠保全の概要

冒頭でもご説明しましたが、証拠保全とは、刑事・民事裁判を行なう前に証拠がないと裁判が困難になる際、あらかじめ証拠を調べておくことです。証拠保全を行なうには証拠保全手続きが必要になってきます。
 
例えば、残業代請求を行なおうとすると、タイムカードなどの証拠が必要になってきます。しかし、会社側が簡単に証拠の提示に応じてくれるとは限りません。そのような会社が任意で残業代請求に応じてくれることも少なく、そうなってくると裁判(訴訟)まで発展していきます。
 
そうなったときに原告側(労働者側)は証拠が必要になってきますので、証拠保全手続きを行ないます。証拠保全が裁判所から認められれば、裁判官から相手に対して証拠の提示命令が下されます。

 

証拠保全は裁判所を介する手続き

このように、証拠保全は裁判所を介して行っていく手続きです。ほとんどのケースで手続きは代理人である弁護士が行いますので、一般の方は、「こんな方法があるんだ」と、ご認識いただく程度で問題ないでしょう。証拠保全は裁判所を介するので、申立書や手続きが若干面倒になってきます。手続きについては後述していきます。
 

証拠保全に強制力はない|証拠保全の拒否は可能

証拠保全を行なうことにより、裁判官が相手側に証拠の提示を求めます。しかし、これには強制力はありません。後述しますが、裁判官から証拠の提示を求められたり、命令されればさすがにほとんどの相手側は証拠保全に応じますが、中にはそれでも証拠保全を拒否する猛者もいます。
 
証拠保全に強制力がないため、拒否することも可能ではありますが、拒否したことにより裁判でも良い印象が持たれないということは言えるでしょう。拒否する場合、拒否するなりの証拠がないと裁判でも不利になってきます。
 

 

証拠保全手続きの流れ

証拠保全したいからと言って、勝手に証拠保全を行なっていいわけではなく(相手が証拠を提示してくれないから証拠保全することが多いのですが)、裁判所に申し立てる必要があります。こちらでは、証拠保全を行なう際に必要な証拠保全手続きの流れについて解説をしていきます。
 

証拠保全申立書

証拠保全を行なう際には、裁判所に対して申立書が必要になってきます。訴訟にまで話が進んでいるので、弁護士をつけていることがほとんどでしょうから、細かい内容は省きますが、「証拠保全申立書-サンプル」のような書面を用意します。
 
証拠保全申立書には主に、保全したい証拠は何か、証拠保全が必要な理由などを具体的に記載し、必要であれば第三者(裁判官)に対して客観的に確認できる資料(疎明資料)を添付する必要があります。
 

証拠保全申し立て

申立書が完成したら、申立書を裁判所に提出します。提出の際、収入印紙や郵券が必要になってきます。請求金額や裁判所によって金額が変わってきます。その後、裁判官と代理人による、証拠保全の実施日等の打ち合わせが行われます。
 
参考:「裁判所-手数料一覧
 

証拠保全の実施

打ち合わせで決められた日時に、裁判官と裁判所書記官が証拠があるとされる場所に赴き、証拠の開示を求めます。通常であれば証拠保全を申し立てた本人や代理人も同行します。証拠の入手にカメラが必要な場合、カメラマンが同行することもあります。
 

証拠開示の求め・命令

裁判管の証拠開示の求めに相手が応じれば、その証拠をカメラで撮影したり、書面の場合コピーを取ります。
 
万が一相手が証拠開示の求めに応じなかった場合も、裁判官がその場で証拠提示命令を行ないますので、相手側は、簡単に証拠を隠し通すことはできません。
 

証拠保全が必要になってくるケース

それでは、どのような場合に証拠保全が必要となってくるのでしょうか。根本を言えば「相手側が任意で証拠を提示してくれない」「トラブルが訴訟段階に来ている」場合に証拠保全を行ないますが、さらに事件ごとの証拠保全が必要になるケースを具体的に見ていきましょう。
 

労働問題(残業代請求・不当解雇・労災認定)における証拠保全

労働問題の場合、労働者と使用者の問題になってきますが、通常、証拠は使用者(会社)が保有していることになります。労働基準法により、就業規則やタイムカードなどを労働者から開示請求がされた場合、開示する義務があります。
 
しかし、それに使用者が従わない場合、証拠保全を行なっていきます。労働問題(残業代請求や不当解雇)で必要になってくる証拠は以下の通りです。
 

  • 就業規則
  • 雇用契約書
  • 出退勤時間が分かるもの(タイムカードなど)
  • 給与明細
  • 解雇理由証明書
  • 解雇通知書       など

 

医療問題(医療過誤・医療事故)での証拠保全

他の民事事件で特に証拠保全を利用する事件が、「医療過誤」や「医療事故」などの医療問題です。この場合、患者(ご家族)が証拠保全を行う側で、病院が証拠保全をされる側です。

 

病院側からしたら、公にはしたくない内容でしょうから、簡単に証拠開示してくれない事が考えられますので、その場合、証拠保全を行ないます。
 
保全する証拠としては、カルテなどはもちろんなのですが、レントゲン写真の医療情報も必要になってくることもあるので、カメラマンが同行するケースが多いです。医療事件で必要となってくるケースは以下の通りです。
 

  • カルテ
  • レントゲン写真、MRI写真
  • 看護記録
  • 処方箋      など

 

刑事事件における証拠保全

刑事事件の場合、被疑者側と捜査官側(警察・検察)に分かれます。捜査側は強制的に証拠を集められるので、証拠保全の必要性はありませんが、被疑者側(弁護側)は、証拠入手に強制力がないため、証拠保全を行なうケースがあります。
 
例えば、事件現場が室内(誰かの所有地)だった場合、弁護士がその中に入れてもらえるとは限りません。また、被害者や証人に会おうとしても連絡先が入手できなかったり、被害者から面会を拒否されることもあります。そのような場合、証拠保全を行ないます。

 

まとめ

いかがでしょうか。証拠保全は、あらかじめ証拠を確保しておくことですが、それには手続きが必要になってきます。証拠保全を行なうことによって、裁判所を通して半ば強制的に相手から証拠を入手することが可能です。
 
個人で行うことはほとんどない証拠保全ですが、裁判を考えていてどうしても相手から証拠が入手できないような場合は、証拠保全という方法もありますので、頭の片隅に置いておきましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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