上司からのセクハラは、労働問題の中でもよくある内容です。しかし、セクハラに関する明確な判断基準がないのが現状です。
そのような基準が明確でないことから、本人は不快でも泣き寝入りしてしまうこともありますし、セクハラしてくる人は悪気のないつもりでセクハラをしていることもあります。
セクハラを根本からなくすことは難しくても、セクハラを防ぐための方法はあります。また、それでもセクハラが行われるようであれば、「外部に訴える」という方法もあります。
今回は、上司からのセクハラに対する対処法と、セクハラを訴える方に焦点を当ててご説明します。
「セクハラ上司や会社を許せない!」方へ
許しがたいセクハラ問題で上司や会社を訴えたいと考えているなら弁護士への依頼がおすすめです。
弁護士に相談・依頼すれば、下記のようなメリットがあります。
- セクハラ問題で適切なアドバイスがもらえる
- 会社と代理で交渉してもらえる
- 上司に本気で困っているとプレッシャーを与えられる
- 場合によっては損害賠償請求ができる
弁護士に相談・依頼することで、セクハラの証拠集めや訴える際にアドバイスをしてもらえるため、交渉を有利に進められます。
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まずは無料相談を活用して、セクハラ撃退のために何をすればいいのか相談するのも良いかもしれません。
会社でのセクハラに耐えられない場合…
会社の上司や労務に報告してもセクハラ被害が改善しない場合、その会社を辞めることも選択肢の一つです。
自分自身を守るために最も大事なことは、より良い労働環境を自分で見つけることです。誰も助けてくれない会社には別れを告げて、自分の明るい未来のために、次の就職先を見つけることをおすすめします。
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この記事に記載の情報は2023年12月05日時点のものです
セクハラは大きく分けて、2つに別れます。
性的な言動に対する相手の対応によって相手に不利益を与える対価型セクハラと、性的な言動を行うことで相手や周囲の職場環境を悪化させる環境型セクハラ。
環境型セクハラは職場で話される雑談の内容に性的内容が多いなど、職場の環境が大きく影響していますが、対価型セクハラは相手が性的な言動に対して拒否したことを理由に不利益を与える点で非常に卑怯な内容です。
一般的に、上司のセクハラに悩んでいる方は対価型のセクハラを受けているということが多いようです。
対価型セクハラ
会社内の立場を利用して、セクハラを拒否すると出世、給料、待遇などに影響を及ぼす恐れがあると思わせます。
例えば
- お酒の席で酌の強要や
- 昇格を手にとった性関係や愛人関係の強要
- 立場を利用した体を触るなどの性的な接触行為
を指します。
不快に対する対象が上司個人になることが多く、立場や権限を利用されているので、受けた本人は社内の人に相談できず、友人や家族に相談するのみに留まり泣き寝入りしてしまうことが多くなっています。
環境型セクハラ
環境型セクハラは、上司だけならず同僚、部下も含めた会社全体の環境がセクハラの要因になっているタイプです。
- 休憩室で恋人関係や容姿に関する噂話をしたり
- 職場に水着やヌードなどのポスターを貼る
- 性的な冗談や容姿に関する会話をする
恋愛経験や結婚について訪ねたり、男性社員が無理やり風俗店に誘われるなども当てはまります。
環境型セクハラでは仕事をしづらくなり、そのまま退職してしまうこともあります。
齋藤弁護士
これ以外にもよくあるご相談が、
1:最初は上司との関係が楽しくて続けてしまっていたが関係が崩れ
2:喧嘩になった際に、会社側にセクハラであると主張をする、またはされてしまう
ことがよくあります。
不倫がセクハラに発展することは実際のケースではよくある形のご相談になるのです。
上司のセクハラを撃退する方法
それでは、上司のセクハラの撃退方法をご説明します。
先に申したように、会社内の立場を利用され泣き寝入りし易い上司のセクハラ。
しかし、セクハラ行為をしてくる人は大抵、気が弱く反論されると怖気づいてしまいます。
社内に仲間を作る
相手の行為がセクハラであるかどうかは一人で判断することが難しい場合もありますし、一人で「不快だ」「気持ち悪い」と悩むとますます落ち込んでしまうことになります。
まずは、周囲の人間に相談してみましょう。
結果、周囲が同調して、結束すれば、相手に対してもセクハラをやめるよう求めやすくなります。
拒否の姿勢を明確にする
セクハラをしている相手は「何も言われないから嫌じゃないんだろうな」と誤解している場合もありますし、そのような弁解をすることもあります。
そこで、相手に対して、自分は不快に思っているということは率直に伝えるべきです。
この場合、口頭では後々言った言わないの水掛け論となってしまいますので、メールなどで自分が不快に思っており、やめて欲しいと思っていることを伝える方が良いでしょう。
なお、この際に、ただ自分が不快であることを感情的に記載するのではなく、自分の認識する事実を明記して、当該事実に基づいて意見を記載しましょう。
他の上司や人事部などの社内の然るべき担当者に相談する
中規模以上の会社ならば、人事部・相談窓口が有るはずです。
その場合はまず、人事部に具体的証拠を用意した上で相談しに行きましょう。
また、当該窓口がない場合には、別の上長に相談です。
ただ、相談内容が抽象的だと迅速に動いてくれない可能性があるため、具体的な事実と証拠に基づいて相談するべきです。
外部の機関に相談する
会社が小さくて、相談する場所がない。人事も上司も相手にしてくれない。となると社外の機関に相談する手があります。ここから、セクハラ上司との対個人ではなく、セクハラが横行し改善の意思がない対会社との戦いになってきます。
・雇用環境・均等部(室)所在地一覧
・全国各地の労働基準監督署
などがあります。各項目にリンクを貼っていますので、ご検討の方はどのような機関か見てみてください。
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ハラスメント問題に詳しい弁護士に相談する
最終的に、会社や上司に対して然るべき対応を求めたり、責任を取らせるためには、専門家である弁護士に相談するべきでしょう。
弁護士名義で内容証明書が送られてこれば、セクハラ上司も下手な事もできませんし、法的に戦うとなって、訴訟を起こす事になればいずれ法知識を持った弁護士が必要になります。
上記のような対処をしても効果がないようでしたら、弁護士への依頼も検討してみてください。
以上のように、セクハラに対処する手段としては、最終的には社内の担当者、外部機関、弁護士に相談することになりますが、このような相談をする際に重要なポイントは、
- セクハラであると考える具体的な事実を特定すること
- ①の事実の証拠を揃えること
の2点です。これらがないまま相談しても、十分な助言を得られない可能性もありますし、事実が確認できないとして対処されない可能性もあります。
抑えておいたほうが良い証拠の内容は以下のようになります。
備忘メモ、相手からのメール、自分のメール、友人などに相談したメール、相手とのやり取りについての録音、診断書などの証拠を残しておきましょう。
ここまで読まれている方は、セクハラをなんとかしようという思いは強い方だと思います。
そこで、セクハラ問題での最終手段「裁判を起こす」ということも視野に考えても良いかと思います。
しかし、裁判となると期間と労力、また費用も要することになります。
また、勤め先の会社の人間(又はその会社)に対して裁判を起こすのは、現実問題として難しいところもあります。
そのため、実際に裁判を起こすべきかは、慎重に判断する必要があります。
例えば、以下の項目に当てはまる方は、訴訟を検討してみても良いかと思います。
既に会社を退職している
既に退職済みであれば、特にしがらみ等もありませんので、訴訟を検討してもよいかもしれません。
証拠が十分に有る
裁判で敗訴してしまう多くの要因が証拠不十分によるものです。
いくら優秀な弁護士が付いていて、とんでもないセクハラが起きていても、それを証明できる証拠が全く無ければ裁判に負けてしまいます。
訴訟をお考えであれば、まず十分な証拠を集めましょう。
セクハラによる損害が発生している
例えば、
- セクハラを受けたことによりうつ病になり病院にかかったり
- セクハラに抗議をしたことにより社内での待遇が変わった
などといった事実があるような場合は、それによって発生した損害賠償を請求することができます。
あまりにもセクハラの内容がひどい
強引にキスをされたり、胸を触られたり、酔っ払っているからと強引に性関係を持たされたりと、極めて強度かつ直接的なセクハラ行為があり、その証拠がある場合、勝てる見込みは十分にあります。
むしろ、そのような場合は、(準)強制わいせつ罪、(準)強姦罪などで刑事告訴をすることもできます。
あまりひどい場合は精神的にもきついでしょうが、証拠だけ集めて、落ち着いてからでも構いません。
第三の機関(労働基準監督署や弁護士)に協力してもらってもいいです。民事訴訟や刑事告訴を考えてみてください。
セクハラの慰謝料で最も多い認定額は50万円~200万円となっています。
もちろん事案によって変わりますので、慰謝料金額の判断要素は4つになります。
セクハラ行為の悪質性
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セクハラ行為が悪質であればあるほど損害額も上がります。
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セクハラ行為の持続性
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こちらもセクハラ行為を受けた期間が長いほど損害額が上がります。
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被害者と加害者の関係性
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加害者が上司であればその分上がりますし、加害者が会社での立場が上であればあるほど損害額も上がります。
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セクハラによって被害者が受けた損害
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セクハラが原因で会社を退職せざるを得なかった、うつ病になってしまったなどといった事実があればそれによって受けた損害も上乗せされます。
|
セクハラによる慰謝料について詳しくは「セクハラでも慰謝料請求は可能|相場・請求方法と必要な証拠【弁護士監修】」で解説しています。
訴訟を起こす流れとしては、裁判所のホームページより
ただし、訴訟の場合には証拠裁判主義といって、証拠の評価が主に争点になります。
また、訴状の書き方も複雑ではあります。そのため、たとえば裁判所内での話合いの期日を設ける形での、調停申し立ても視野に入ります。裁判は公開の法廷で行われますが、調停は非公開の手続になります。
図:セクハラ問題解決までの流れ
上司にセクハラを止めさせて、なおかつ社内でも円満に働くには訴訟になる前段階で解決させることが一番です。
法的処置まで出るとセクハラ上司と対峙することになりますし、場合によっては会社とも対峙することになります。
そうなってしまっては、その会社で円満に働くということは難しいのが現実かもしれません。
もし、セクハラと感じたのであれば、周りの人に社内でセクハラが起きているということを察知してもらい、それと同時に被害が大きくなってしまった時のために証拠を集めておきましょう。
セクハラ上司に対処するには、会社の雰囲気をセクハラは許さないという認識に変え、味方を増やすことが一番の円満解決方法です。
「セクハラ上司や会社を許せない!」方へ
許しがたいセクハラ問題で上司や会社を訴えたいと考えているなら弁護士への依頼がおすすめです。
弁護士に相談・依頼すれば、下記のようなメリットがあります。
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- 会社と代理で交渉してもらえる
- 上司に本気で困っているとプレッシャーを与えられる
- 場合によっては損害賠償請求ができる
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まずは無料相談を活用して、セクハラ撃退のために何をすればいいのか相談するのも良いかもしれません。
会社でのセクハラに耐えられない場合…
会社の上司や労務に報告してもセクハラ被害が改善しない場合、その会社を辞めることも選択肢の一つです。
自分自身を守るために最も大事なことは、より良い労働環境を自分で見つけることです。誰も助けてくれない会社には別れを告げて、自分の明るい未来のために、次の就職先を見つけることをおすすめします。
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