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看護師が医師や上司・患者からセクハラに遭った場合の対処法と相談先を解説

更新日
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
このコラムを監修
看護師が医師や上司・患者からセクハラに遭った場合の対処法と相談先を解説

医療現場における問題はさまざまありますが、セクハラ被害に悩んでいる看護師の方は多いのではないでしょうか。また、当初はドクターや事務長などと不倫などの交際関係にあったとしても、徐々に関係が悪化したり、要求がエスカレートすることによってセクハラに発展するケースも多く散見されます。

 

医療の現場は、過酷な労働条件が影響してストレスがたまりやすいうえ、閉鎖的でもあり、ハラスメント問題が起こりやすい傾向にあると考えられます。また、看護中は患者と身体的に接触する機会も多いため、看護師はセクハラの被害に遭いやすい職種といえるかもしれません。

 

弁護


特に医療現場というのは、世間一般の常識が通用しないことも多いため、セクハラ被害に対してろくな対応もせず、泣き寝入りというケースも少なくないようです。現場でのセクハラは密室でおこなわれることも多いようですから、注意が必要です。

当然ですが、悪質なセクハラ行為を許す必要はありません。泣き寝入りせずに、毅然とした態度で対応することが重要です。

では、セクハラに遭った際にはどのように対応すればいいのでしょうか。

 

この記事では、看護師へのセクハラが起きやすい理由や被害に遭った際の対処法、主な相談先などについて詳しく解説します。

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医師や同僚からセクハラを受ける看護師は少なくない

日本医療労働組合連合会看護協会(医労連)が2017年に実施したアンケートによると、11.6%の看護師が医療現場で「セクハラがある」と答えています。

引用元:2017年看護職員の労働実態調査結果報告|日本医療労働

 

また、同アンケートによると、「セクハラをおこなった人」の分布は以下のとおりでした。

  1. 患者:71.5%
  2. 医師:23.3%
  3. 同僚:6.6%
  4. 看護部門の上司:6.2%
  5. 患者の家族:1.8%
  6. その他:3.0%

【参考記事】 2017年看護職員の労働実態調査結果報告|日本医療労働組合連合会

 

約7割の方がセクハラを受けた相手として患者を挙げている一方で、医師や同僚など同じ勤務先の職員から被害を受けたと回答した人は、36.1%にも上っています。

 

医師・同僚による看護師へのセクハラが起きやすい理由

医師や同僚から看護師に対するセクハラが多い理由として、以下の4つが考えられます。

  • 上下関係がはっきりしているから
  • 職場が閉鎖的だから
  • 「周りに迷惑がかかる」と黙認してしまうから
  • セクハラに慣れてしまっているから

それぞれの理由について、詳しく解説します。

 

上下関係がはっきりしているから

現在は改善している病院やクリニックも多いようですが、医療業界は古い慣習が根強く残る傾向にあり、特に上下関係が厳しいといわれています。

 

実際、マイナビ看護師が2022年に実施した調査によると、仕事でストレスを感じていると回答した看護師のうち、62.8%の方が、ストレスを感じる原因として「上司や同僚との人間関係」を挙げています。

【参考記事】vol.4 看護師が感じる仕事のストレス要因と求める就業環境とは?|メディカルサポネット

 

なかには、立場が上であることを利用して、セクハラをおこなう医師や上司もいるかもしれません

 

周囲に相談しようにも、「誰かに話したらここで働けなくしてやる」などと脅されたり、相談したら働けなくなってしまうのではと躊躇したりして、泣き寝入りせざるを得ない方もいるようです。

数年前から医師からセクハラを受けています。

 

(中略)

正直気持ち悪くて仕方ないのですが、師長や同僚も見ていても特に対応してくれません。こちらが医師に嫌と伝えても繰り返してきますし、自分の病棟の担当医師でもあり働きにくくなったらと思うとなかなか上手く対応できません。

引用元:医師からのセクハラ|看護師のお悩み掲示板|看護roo!

セクハラが常態化してしまい、自身の言動がセクハラに該当すると認識していない医療従事者も多いのかもしれません。

 

職場が閉鎖的だから

職場が閉鎖的になりやすいことも、看護師にセクハラが起きやすい理由のひとつとして考えられます。

外部の目に触れる機会が少ないせいで、一般常識では考えられない理不尽がまかりとおりやすいのかもしれません。

 

看護師というブランドはいつまで続くのか?
医療業界は、閉鎖的な田舎の村みたいな集落がいくつもあるイメージ。
いつも同じような悩みを抱えては、「しょうがない」という言葉で自分たちを納得させて、自己犠牲のもと課題がループしている気がする。
それか、上から蓋をして見て見ぬふりか。→

— 白石弓夏 看護師兼ライター (@yumika_shi) September 9, 2018

「周りに迷惑がかかる」と不安になって黙ってしまうから

自分が「セクハラを受けた」と騒ぐことで、周りに迷惑がかかるのが嫌だと感じる看護師の方もいるでしょう。

 

基本的に、医療現場の労働環境は過酷なものです。医労連の調査結果でも、看護業界の深刻な人手不足と過重労働が問題視されています。

【参考記事】2017年看護職員の労働実態調査結果報告|日本医療労働組合連合会

 

残業が当たり前になるほどに仕事量が多いにも関わらず、「自分がセクハラと騒いで相手が異動になったら、仕事量がさらに増えてしまう」と不安に思う方もいるかもしれません。

その結果、周りに相談できないままセクハラを我慢し続けてしまうのでしょう。

 

セクハラに慣れてしまっているから

なかには、セクハラが日常茶飯事になってしまい、感覚が麻痺している方もいるかもしれません。

 

前述したように、看護師は上司や同僚だけでなく、患者からもセクハラを受けやすい傾向にあります。病院が患者からのセクハラ防止に率先して取り組んでおらず、見て見ぬふりをしているのであれば、職員間でもセクハラが横行してしまう可能性があります。

 

また、看護師は日頃から患者の裸体を見る機会が多いため、その場で「セクハラを受けている」と気づきにくいことも、セクハラが起こりやすい原因かもしれません。

 

(略)わたしも困っている様子だったので、患者さんのおむつ交換などで慣れているため局部を見せられても特に動じることなく、その場では一度皮膚科もしくは泌尿器科へ診せたらいいのではとアドバイスをしてその後は帰宅しましたが、よくよく考えたら業務外であり、わたしが今まで働いたことのある診療科のことでもないし、ただ単にセクハラされただけでは?と結論に至りました。(後略)

引用元:職場のスタッフからのセクハラ|看護師のお悩み掲示板|看護roo!

被害者がセクハラに慣れてしまうと、同僚がセクハラを把握していても対応が改善されないまま、職場全体に「これはセクハラには該当しない」との誤った認識が浸透してしまうことも起こり得るでしょう。

 

 実際に看護師が遭ったセクハラの事例

ここでは、看護師が受けたセクハラの実際の事例を紹介します。

 

看護師は、医師や同僚、患者からセクハラを受けやすい傾向にありますが、その問題が明るみになっていないケースも数多くあるようです。

 

施設長からセクハラを受けた事例

介護施設で看護師をしていた女性は、当時62歳の施設長からセクハラを受けていました。

 

セクハラ行為は、「すれ違いざまに臀部や胸部を触られる」「宿直室で二人きりになって性行為を迫られる」など悪質なもので、同僚に気づかれないようにおこなわれていました。

 

女性が毅然として「やめてください」と伝えたところ、「他の事業所へ転勤させるぞ」「応じないと看護から介護職に変更するぞ」などと脅され、強く拒否できなかったそうです。

 

しばらくの間セクハラに耐えていましたが、女性は精神疾患を患い、休職を余儀なくされます。その後、勇気を出して労災申請し、労働基準監督署が労災調査をおこなった結果、施設長はセクハラの事実を認めました。しかし、病院からの処分は下ったものの、女性に対する謝罪や説明はなかったそうです。

 

【参考記事】

「セクシーな下着をつけろ」40歳女性看護師が介護施設長から受けた、壮絶セクハラの数々|現代ビジネス

労基署に通報できず、内輪で揉み消される…セクハラ上司を生み出す「公務員」の大問題|現代ビジネス

 

職場の男性からセクハラを受けた事例

企業の嘱託看護師の女性が、忘年会の席で同じ職場に勤める男性社員二人からセクハラを受け、自殺に追い込まれたとして、遺族が同社と社員二人に約8,600万円の損害賠償を求める訴訟を起こした事例です。

 

看護師の女性の訴えによると、男性社員二名のうち一名が、看護師に卑猥な質問をしながら体を押しつけたり、足をなでまわしたりして、それを見ていたもう一名の社員が「愛人になっちゃえ」などと言ったそうです。

 

女性は本社のセクハラ相談窓口に相談しましたが、まともに取り合ってもらえず、男性社員二名からの謝罪を受けたのみで、該当社員にそれ以上の処分は科されませんでした。また、セクハラ疑惑の場に同席した支社長は、その後取締役への昇格を果たしています。

 

最終的に、遺族と企業の間で和解が成立し、訴訟は取り下げられました。

 

【参考記事】道新「セクハラ自殺」問題が法廷の場へ 問われる人権への姿勢|YAHOO!ニュース

 

医師からセクハラを受けた事例

 職場の医師からセクハラを受けた事例です。

この投稿者は看護師になって間もないこともあり、上司や先輩への相談を躊躇しているようです。

 

医師からセクハラを受けたにも関わらず、今後のキャリアや病院内での立場を考慮して、泣き寝入りしてしまう方も少なくないでしょう。何も声を上げないと、セクハラ加害者が「許容されている」と誤解して、さらにエスカレートしてしまう可能性もあります。

 

看護師一年目です

可愛がってくれていたドクターに胸を軽く触られました

誰にもいえず、先輩やプリセプターに相談しようかずっと悩んでいます。でも言えそうになくて、。

とても辛いです。

引用元:Yahoo!知恵袋

患者からセクハラを受けた事例

看護中に患者からセクハラを受けた事例です。

 

前出の医労連の調査結果によると、セクハラを受けた相手として患者を挙げた看護師は7割超にも及び、多くの看護師に起こり得るケースだと考えられます。

 

医療の現場においては、看護師と患者の身体的な距離感が近くなるため、これが原因となって、セクハラが発生しやすいのかもしれません。

 

検温の時が多いかと。体温計渡すと手を掴みグイっと引き寄せたり、手にキスをしたり…血圧測定時に伸ばしてる手で胸を触ろうとしたり…ですかね。

そういう患者さんはブラックリストに載りますから、度が過ぎるといざという時入院させてもらえなくなりますよ

 

引用元:Yahoo!知恵袋

 

今日初めて患者にセクハラっぽいことされた。硬麻の体位取ってる間に、お尻をギュッと握られて、頭ハテナで埋まった 患者さんは「ごめんね~笑 お尻だと思わなかった笑」って軽い感じだったから、笑ってやり過ごしたけど

— (@mmyonn) September 7, 2022

医師や同僚からセクハラ被害を受けた場合の対処法

医師や同僚からセクハラされた場合、泣き寝入りはしたくなくても、どのように対処すればいいのかわからない方もいるでしょう。

 

この章では、セクハラ被害を受けた際の対処法について、詳しく解説します。

 

その場ではっきり拒絶する

セクハラに対処するうえでまず大事なのが、はっきりと拒絶することです。

 

曖昧な対応をすると、「この人はセクハラをしても大して怒らない相手だ」とセクハラ加害者に認識されてしまい、次第に言動がエスカレートするケースもあります。

 

セクハラの相手をつけあがらせないためにも、毅然とした態度で対応しましょう。

 

上司や院長、セクハラ相談窓口に報告する

自分の口から嫌だと明確に伝えても、聞き入れてもらえず、セクハラ行為を続ける人もいるかもしれません。そのような場合には、上司や院長にセクハラ被害を受けたことを報告し、組織としての処分を依頼しましょう。病院が調査に乗り出せば、職場全体にセクハラの事実が伝わり、再発の抑止力につながることも期待できます。

 

また、病院内のセクハラ相談窓口への相談もひとつの方法です。

男女雇用機会均等法第11条では、事業主にセクハラ防止措置を講じることを義務づけています。

 

(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等)

第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

引用元:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第11条|e-Gov法令検索

事業主にはセクハラ相談窓口の設置が義務づけられているうえ、相談者の相談に適切に応じ、再発防止策を講じなければならないと定められています。

事実関係の調査の結果、セクハラの相手に適切な処分が下されることも期待できるでしょう。

 

異動を願い出る・退職する

「セクハラ加害者とこれ以上一緒に働けない」という場合には、異動もしくは退職を願い出ましょう。

 

「なぜ被害者の私が職場を変えなくてはいけないの?」と感じるのも当然ですが、残念ながら、一度のセクハラだけでセクハラ加害者が懲戒解雇になるとは限りません。

 

個人経営のクリニックであれば、相手を異動させるのも困難でしょう。となると、セクハラ相手と距離をおくために一番確実な方法は、自身が異動または退職して、職場から物理的に離れることです。

 

2022年10月時点の看護師を含む保健医療サービスの有効求人倍率は3.25倍と高く、看護師は転職先には困りにくい仕事といえるでしょう。

【参考記事】職業別の有効求人倍率|ハローワーク情報サイト~ハロワのいろは~

 

退職は、セクハラの相手から離れるもっとも有効な手段といえます。もし、どうしても退職を言い出しにくかったり退職の引き止めにあっていたりする場合には、退職代行を利用するなどして、一日でも早く職場から離れましょう。

 

法的手段をとる

あまりにも悪質なセクハラ被害に遭った場合は、法的手段を取るのもひとつの手です。ケースによっては、セクハラで受けた精神的苦痛に対する慰謝料を請求できるでしょう。

 

セクハラを訴えるうえでは、証拠の提示が重要です。

具体的に次のようなものは、証拠として有効と考えられます。

  • セクハラに関する音声データやメール
  • LINEの履歴
  • 被害の内容や日時を記録したノート
  • 目撃者した同僚の証言
  • セクハラが原因で身体的・精神的な体調不良が生じた場合には、その診断書

現在被害に遭っているのであれば、これらの証拠を収集しましょう。過去の被害について訴える場合に客観的な証拠がないケースでも、証言だけで裁判所にセクハラだと認められることもあり得ます。そもそも、セクハラは密室でおこなわれることが多く、証拠が残りにくいものだからです。

 

弁護士に相談すれば、セクハラを訴えるうえで有効な証拠収集に力を貸してくれます。証拠が手元にない場合にも、有効なアドバイスをもらえるため、まずは相談してみましょう。

 

【関連記事】セクハラでも慰謝料請求は可能|相場・請求方法と必要な証拠【弁護士監修】

 

医師・同僚による看護師へのセクハラが起きやすい理由

看護師への医師や同僚によるセクハラが多いのには、以下4つの理由が考えられます。

  • 上下関係がはっきりしているから
  • 職場が閉鎖的だから
  • 周りに迷惑がかかるからと黙ってしまうから
  • セクハラに慣れてしまっているから

それぞれ確認していきましょう。

 

上下関係がはっきりしているから

現在は改善している病院やクリニックは少なくないものの、医療業界は上下関係が厳しいことで有名です。

 

立場が上であることを利用して、セクハラをおこなう医師や上司も少なくありません

 

周囲に相談しようにも「誰かに話したら、ここで働けなくしてやる」などの脅しにより、泣き寝入りせざるを得ないことも…。

 

また、まだまだコンプライアンスの意識が低い業界でもあるので、自身の言動がセクハラになることを理解していない医療従事者は多いといえます。

 

職場が閉鎖的だから

職場が閉鎖的であることも、看護師にセクハラが起きやすい理由の一つ。

 

外部の目に触れる機会が少ないせいで、一般常識では考えられない理不尽がまかり通りやすいといえます。

 

周りに迷惑がかかるからと黙ってしまうから

自分がセクハラを受けたと騒ぐことで、周りに迷惑をかかるのが嫌だという看護師の方もいるでしょう。

 

基本的に医療現場の労働環境は過酷の一言。業務以外の問題に対処する余裕はないのが、本音ではないでしょうか。周りに相談できないまま、セクハラを我慢し続けなければなりません。

 

セクハラに慣れてしまっているから

セクハラが日常茶飯事すぎて、感覚がマヒしてしまっているのも理由の一つに挙げられるでしょう。

 

前述したように看護師は、上司や同僚だけでなく患者からもセクハラを受けます

 

職場が率先して改善に取り組んでいるならまだしも、見て見ぬふりをしていれば、わざわざ対応せず心を殺して業務をおこなうほうがラクですよね。

 

そうした対応が受け継がれてしまっているのが、医療業界が抱える大きな問題といえるでしょう。

 

医師や同僚からセクハラ被害を受けた場合の対処法

医師や同僚からセクハラをされた場合、泣き寝入りはしたくないけど、どうやって対処すればわからないという方もいると思います。

 

この項目では、セクハラ被害を受けた際の対処法を詳しく解説します。

 

その場ではっきり拒絶する

セクハラへの対処する上で、まず大事なのがはっきりと拒絶することです。

 

なあなあな対応すると、この人はセクハラをしても大して怒らない相手だと認識されてしまい、言動も次第にエスカレートします。

 

セクハラを嫌だと思っていないなんて誤解を招かないためにも、毅然とした態度で対応しましょう。

 

上司や院長に報告する

自分の口から嫌だときっぱり伝えても、セクハラを止めない人は少なからずいます。そうした場合には上司や院長など、セクハラ被害を受けたことを報告しましょう。

 

いくら何でも、偉い立場にある人から注意されれば、セクハラを継続するのは難しいはずです。また職場全体にセクハラの事実が伝わることで、再発の抑止力にもなります

 

異動を願い出る・退職する

セクハラ加害者と一緒に働くなんて無理という場合には、異動もしくは退職を願い出ましょう。

 

なぜ被害者の私が職場を変えなきゃいけないのかと思うかもしれないですが、一度のセクハラだけで懲戒解雇になるとは限りません

 

個人経営のクリニックであれば、異動させるのも難しいといえます。となると一番確実なのは、自身が異動または退職によって職場を離れることです。

 

幸い、看護師は転職先には困りにくい仕事なので、自身にとって最適な結論は何なのか、よく検討してみてはいかがでしょうか。

 

法的手段をとる

あまりにも悪質なセクハラ被害に遭った場合は、法的手段を取るのも手です。

 

セクハラを訴える上で最も大事なのは証拠。

 

  • セクハラに関する音声データやメール
  • LINEの履歴
  • 被害の内容や日時を記録したノート

などが証拠として役立ちます。

 

できれば、早いうちから時間をかけて集めておきたいところですが、手元になくても証拠集めが可能な場合もあるので、弁護士に相談してみましょう。

 

ただし、セクハラ被害に対する慰謝料相場は、100万円~300万円程度。場合によっては、費用倒れになってしまうため、訴訟は現実的ではないかもしれません。

 

何にせよ、法的手段を考えている場合は、弁護士に相談してみましょう。

 

セクハラ被害に困ったときの外部相談先

 

セクハラ被害に遭ったときに、冷静に対処することは意外に難しいものです。

 

誰かに相談できればよいですが、上司や同僚、家族、友人など、近しい人間だからこそセクハラについて話しづらいと感じるかもしれません。

 

そのような場合には、外部の相談できる機関を利用しましょう

 

以下の機関では、セクハラ被害に関する相談を無料で受け付けています。

 

女性の人権ホットライン(法務省管轄)

「自分が受けた行為がセクハラに該当するのか」「ひどいセクハラに遭っていて辛い」など、セクハラについて匿名で相談できます。

公式ホームページはこちら

 

雇用環境均等部(労働局管轄)

会社に相談したが取り合ってもらえなかった場合は、労働局の雇用環境均等部(室)への相談がおすすめです。主に男女雇用機会均等法に関わるトラブルの相談を受け付けており、紛争解決援助または行政指導によって、問題の解決を支援してくれます。

詳しくはこちら

ハラスメント悩み相談室(厚生労働省委託事業)

2019年6月17日に開設された相談窓口で、職場におけるさまざまなハラスメント相談を受け付けています。電話、メール、LINEでの相談が可能です。

公式ホームページはこちら

 

セクハラを受けたときに、被害者が我慢する必要はありません。一人で抱え込まずに、上司や同僚、外部の機関などに相談すると、解決の糸口がみえる可能性もあります。

 

また、周りにセクハラで困っている方がいるのであれば、上記のような相談先があることをぜひ教えてあげてください

 

当サイト「ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)も、セクハラ問題の解決に注力している弁護士を多数掲載しています。弁護士であれば、法的な知見をもとに、セクハラ問題解決のための力を貸してくれるでしょう。

 

まとめ

セクハラ被害に遭ったにも関わらず、これまで我慢してきた看護師の方は多いかもしれません。しかし、決して泣き寝入りする必要はありません。

 

医師や上司などの立場を利用したセクハラ行為に負けることなく、しっかりと対処していきましょう。


セクハラへの対処方法は以下のとおりです。全て実行するのは困難かもしれませんが、できる範囲で努力してみてください。

  • その場ではっきり拒絶する
  • 上司や院長に報告する
  • 異動を願い出る・退職する
  • 法的手段をとる
  • セクハラの証拠を収集する

特に上の二つは、患者からのセクハラ被害にも活用できるので、日頃から意識しておきましょう。

 

セクハラについて上司や同僚、身近な人に相談しづらい場合には、以下のような外部機関を利用してみてください。

  • 女性の人権ホットライン
  • 雇用環境均等部
  • ハラスメント悩み相談室

セクハラは、その事実が第三者に漏れにくく、被害者が黙っていると発覚しづらいものです。医師や同僚、患者からセクハラを受けた際は、早い段階で誰かに相談してください。また、悪質な場合は弁護士に相談し、法的な解決も検討することをおすすめします。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
女性のセクハラ被害解決を得意とする弁護士。慰謝料請求や退職を余儀なくされた際の逸失利益の獲得に注力。泣き寝入りしがちなセクハラ問題、職場の女性問題に親身に対応し、丁寧かつ迅速な解決を心がけている。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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