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解消するには?
退職代行サービスを利用すれば、上司や同僚と顔を合わせることなく会社を辞められますが、会社の寮や社宅に済んでいる方の場合、以下のように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、会社の寮や社宅に暮らしている人が退職代行サービスを利用する際の注意点や、退去日の基本的なルールについて詳しく解説します。
退職代行を利用してから退去完了までのスケジュールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
結論からいうと、社宅や寮に住んでいても退職代行を利用することは可能です。
現在の住居が会社の持ちものだからといって、退職できない理由にはなりません。
退職は従業員に与えられた権利なため、安心して退職代行を利用しましょう。
ただし、会社の寮や社宅に住んでいる場合は、退去日や費用に注意が必要です。
社宅や会社の寮で暮らしている場合、退職代行を使って会社を辞めることで住む家がすぐになくなるのは困るという人も多いでしょう。
ここでは、社宅・寮住みで退職代行を利用する際の退去日について解説します。
会社の寮や社宅に住んでいる方が退職する場合、退職日が退去日となるのが一般的です。
なかには、退職日から退去まで2週間程度の猶予期間が設けられることもあり、猶予期間の有無や期間は会社によって異なるので、不安な場合は社内規定を確認しておくとよいでしょう。
有給が残っている場合は、残日数分が退去までの猶予期間となります。
有給が残っていれば、退職代行を利用したあともスケジュールにゆとりがあるケースも多いでしょう。
なお、自分から有給の消化を申請しにくいという人は、あらかじめ退職代行サービスに伝えておくと安心です。
有給が残っていない、あるいは入社から半年が経過しておらず有給を与えられていない場合は、基本的には社内規定に基づいて退去スケジュールが決定します。
退職代行を利用した日に即退去となる可能性は低いものの、万が一、即退去を求められた際は、退職代行サービスに交渉を依頼するのがおすすめです。
ただし、退去日に関する交渉が可能なのは、弁護士や労働組合が運営する業者のみです。
会社の寮や社宅であっても、周辺エリアの相場と同等の家賃を支払っている場合は、一般的な賃貸住宅と同じ借地借家法が適用されます。
借地借家法は借主に有利な内容が多く、家賃滞納などの正当な理由がなければ、貸主から強制退去を言い渡すことはできません。
もし正当な理由がある場合も、6ヵ月前には解約予告をする必要があるため、退去まで少なくとも半年間は猶予期間が与えられます。
毎月家賃を支払って暮らしている場合は、周辺の賃料相場と支払い額を一度比較してみましょう。
会社が従業員に提供している社宅・寮には、所有社宅と借り上げ物件の2種類があります。
所有社宅とは、会社名義で所有している物件のことです。一方、借り上げ物件とは、会社や物件の所有者と賃貸借契約を結んだうえで、従業員に提供している物件を指します。
つまり、借り上げ物件には会社とは別に物件のオーナーがいるため、交渉次第ではオーナーと本人の間で直接的に賃貸借契約を結ぶことも可能です。
通常部屋を借りる場合と同様に敷金・礼金などの初期費用はかかるものの、住み慣れた部屋に暮らし続けられます。
社宅や寮を退去する際には、以下のような費用が発生する場合があります。
ここでは、それぞれの相場について紹介します。。
社宅や寮から退去する際、家具家電を運び出す量によっては、引越し業者に依頼する頼ことになるでしょう。
引越し費用は荷物の量や運ぶ距離によって異なりますが、一人暮らしの場合は4万円~5万円程度が相場です。
なお、引越し需要が集中する2月下旬から4月上旬にかけては、料金が高くなる傾向にあります。
費用を抑えて引越ししたい場合は、家族や友人に協力してもらうのも手段のひとつです。
引越し先で使わない家具家電は、オークションサイトや譲渡サービスを活用して手放すという方法もあります。
粗大ごみに出すとお金がかかってしまうため、無料でも手放せるならそのほうがお得です。
費用を抑えるためには複数の業者を比較することも大切なので、できるだけ相見積もりを取るようにしましょう。
退職に関する処理を代行業者に依頼すると、こうした新生活に向けた行動に集中しやすいというメリットもあります。
退去後に新たに賃貸契約を結ぶ場合は、契約にかかる初期費用が必要です。
親族や友人・知人を頼れる場合を除き、基本的に社宅・寮を出たあとは賃貸物件に移り住むことになるケースが多いでしょう。
賃貸契約を結ぶためには、敷金・礼金や事務手数料など、さまざまな費用が発生します。
敷金・礼金は「家賃◯ヵ月分」として設定される場合が多く、1ヵ月分のところもあれば、2.5ヵ月分のところもあり、オーナーの意向に大きく左右されます。
仮にそれぞれ2ヵ月分とすると、家賃6万円なら敷金・礼金だけで合計24万円もの費用がかかる計算です。
新居の確保にかかる費用を抑える方法としては、再び社宅や寮のある会社に転職するという手もあります。
転職先が限られる可能性もありますが、検討の余地はあるでしょう。
社宅や寮の退去費用は、会社側が負担する場合がほとんどです。しかし、会社によっては修繕費を従業員が負担するケースもあります。
修繕費とは、部屋の原状回復にかかる費用のことです。
つまり、入居したときと同じ状態に戻すための費用については、退去時に会社から請求される恐れがあります。
とはいえ、経年劣化によって生じた傷や汚れの分は、初めから賃料に含まれているため、それほど心配する必要はありません。
たとえば、家具を置いていたことによる床のへこみや、壁にカレンダーを張っていたことによる画びょうの穴などは経年劣化とみなされます。
一方、タバコの煙によって壁紙が変色してしまった場合や、水回りの汚れがあまりにひどい場合などは、退去時に費用を請求される可能性があるでしょう。
修繕費は修繕の内容や部屋の広さによってさまざまですが、一般的には2万円~8万円程度が相場といわれています。
修繕費については社内規定に明示されていることが多いため、事前に確認しておくと安心です。
退職代行サービスを利用したあと、会社に一切出社しない場合は、会社からの貸与品を郵送で返却することになるため、郵送費がかかります。
高額になるケースはまれですが、おおよその郵送費を把握しておくと安心です。
郵送費用は送るものの量や距離によって異なるため、返却するものをあらかじめ整理しておきましょう。
たとえば、以下のようなものが該当します。
なお、健康保険証は会社によって返却先が異なるため、事前に確認しておきましょう。
名刺は自分の名刺だけでなく、取引先から受け取った名刺も返却します。
通勤定期券は払い戻しの手続きをしたあとに、戻ってきた金銭を返却するケースが一般的です。
貸与品の返却については会社ごとにルールが異なるため、詳しくは社内規定を確認しましょう。
オフィスに私物が置いてある場合は、逆に会社から郵送してもらうための費用がかかります。
自前のお菓子やマグカップ、筆記用具などを会社に置いている場合は、返却についても退職代行サービスに相談しましょう。
返却不要であれば、代行業者を通じて、会社で処分してもらえるよう伝えるのがおすすめです。
退職代行サービスを利用してから、会社の寮・社宅を退去するまでの流れは、おおむね以下のとおりです。
それぞれのステップにおける注意点を解説するため、ぜひ参考にしてください。
退職の意思が固まったら、まずは退職代行サービスに相談するところから始めましょう。
会社の寮や社宅に住んでいることを事前に伝えておくのがおすすめです。退職・退去までにするべきことについて、アドバイスを受けられる可能性があります。
どの退職代行サービスを選べばよいかわからないという人は、運営元をチェックしてください。退職代行サービスの運営元は、主に弁護士・労働組合・民間企業の3つに分けられます。
弁護士が運営する退職代行サービスでは、会社との交渉や請求における法的なサポートを受けられます。
上司からのパワハラ・セクハラによる被害を訴えたい場合や、未払いの給与や残業代がある場合などは、法律の専門家である弁護士に依頼するとよいでしょう。
上記以外にも、トラブルリスクが高い場合は弁護士に相談するのがおすすめです。
たとえば、強引な引き止めにあいそうな場合や、交渉が難航しそうな場合には心強い後ろ盾となってくれるでしょう。
ただし、弁護士が運営する退職代行サービスは、そのほかの運営元と比べて費用が高額になりがちです。費用は弁護士によって異なりますが、相場は5万円~10万円程度といわれています。
労働組合が運営する退職代行サービスは、団体交渉権という権利を行使することで、未払いの給与・残業代について会社との交渉が可能です。
サービス利用者が一時的に労働組合に加入することで、適法な範囲での交渉を実現できます。
費用相場も2万円~3万円程度と、弁護士と比べてリーズナブルです。会社と交渉したいが、費用にあまり余裕がないという人におすすめできます。
ただし、労働組合は法的なサポートはできないため、会社に訴えを起こす場合は弁護士がおすすめです。たとえば、会社に損害賠償請求をする場合は、弁護士が適しています。
一方、民間企業はリーズナブルな料金設定が魅力です。
相場は1万円程度と、経済的にあまり余裕のない人でも気軽に退職代行を依頼できます。
ただし、民間企業は会社との交渉権がありません。
そのため、弁護士や労働組合と比べるとサービスの幅は狭くなりますが、未払い給与・残業代や有給消化などの交渉が不要であり、トラブルリスクが低い場合は十分目的を果たせるでしょう。
退職代行サービスや契約内容に関する説明を受け、納得できたら正式に依頼をしましょう。
案内に従って契約を締結し、指定の料金を支払います。
退職代行サービスのなかには、後払いに対応しているところもあります。
すぐにまとまったお金を用意するのが難しい場合は、後払い可能な退職代行サービスを上手に活用するのがおすすめです。
退職代行の実施日が決定したら、それまでにできる範囲で、荷物の整理や引越し業者の選定などを進めておきましょう。
特に、2月中旬から4月上旬は引越し業者の繁忙期のため、退職決定後にスムーズに依頼できるよう、業者の目星をつけておきましょう。
相談して決めた日程で、退職代行サービスから会社へ退職連絡をおこないます。
会社とのやりとりは代行業者が全ておこなうため、あらかじめ連絡事項を共有したあとは、当日の完了報告を待つだけです。
退職に至った経緯や、申し訳なく思っている気持ちなども伝達してもらえるため、会社に伝えたいことがあれば遠慮なく依頼しましょう。
退職代行サービスと会社との間で、退職日や有給消化などに関する交渉がおこなわれます。
このとき、社宅・寮の退去日についても交渉がおこなわれるため、前もって希望するスケジュールを伝えておきましょう。
未払いの給与・残業代などがある場合も交渉が必要なため、退職代行サービスにあらかじめ相談しておきます。
退職代行サービスと会社との交渉が完了すると、退職・退去までのおおまかなスケジュールが決まります。
退職連絡が実行されたあとは、まず退職届を作成しましょう。
退職届は退職代行サービスがテンプレートを用意してくれる場合が多いため、その内容にしたがって記入していきます。会社によっては、指定のフォーマットが用意されている場合もあります。
これ以降出社しない場合は、郵送で退職届を提出しましょう。
その際、退職届を送ったという証拠を残すために、内容証明郵便を利用します。
内容証明郵便とは、いつ、誰が、誰に対して、どのような内容の文書を送付したのか、郵便局が証明する制度です。
退職届を確実に送付したことを証明したもらえるため、のちのちのトラブルを回避できます。会社からの貸与品がある場合は、退職届と一緒に郵送で返却してもよいでしょう。
同時に返却しなければならないという決まりはないため、タイミングがずれても問題はありません。
会社との交渉によって決定した期日までに、退去準備を進めます。
まずは、入居している部屋をキレイに清掃しましょう。退去後は清掃業者が入る場合も多いですが、常識的な範囲での清掃は必要です。
また、会社によっては清掃業者を入れないケースもあるため、隅々まで清掃してから退去しましょう。
自分一人で清掃するのが困難な場合は、清掃業者を手配することもできます。
退去の際、特に注意したいのが備え付けの家具・家電への忘れ物です。
たとえば、シンク下の棚のなかに食器用洗剤や食料品などを置き忘れてしまうと、後日着払いで送ってもらう必要があります。
そのほか、引越し業者の手配や、引越し先での電気・ガス・水道やインターネット回線といったインフラまわりの手続きも必要です。
新居の入居日も調整する必要があるため、スケジュールを計画的に組立ましょう。
インフラまわりの比較サイト「セレクトラ」では、
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参考記事として記事おすすめの電気ガスプランや東京都の水道の手
退職が完了すると、後日会社から離職票などの書類が郵送されてきます。
退職から退去日までに猶予がある場合は社宅・寮に送付されてきますが、引越し後に郵送してもらう場合は転居先を知られることになるため、注意が必要です。
どうしても転居先を知られたくない場合は、書類を実家に送ってもらうという方法もあります。
退職代行サービスの利用後に社宅・寮を退去する必要がある場合は、次の5つのポイントに注意しましょう。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
社宅・寮に住んでいる人が退職代行を利用する場合は、退去に関して会社との交渉が必要になる可能性があります。
しかし、民間企業には会社との交渉権がないため、退去日の調整を依頼できません。
交渉が発生しそうな場合は、労働組合か弁護士が運営する退職代行サービスを選びましょう。
労働組合には団体交渉権が認められており、利用者が一時的に加入することで会社との交渉が可能となります。
弁護士と比べて費用もリーズナブルなため、経済的にあまり余裕のない人にもおすすめです。
一方、弁護士は依頼料が高額になりがちですが、退去日の交渉だけでなく、会社に損害賠償請求を起こす場合などの法的サポートを受けられます。
コストとサービス内容のバランスを考慮し、自分にとって最適な退職代行サービスを選択しましょう。
社宅・寮に関するルールは会社ごとに異なるため、社内規定をしっかり確認しておくことも大切です。
会社によっては、退去に関して独自のルールを設けているところもあります。
退去費用が従業員負担になっていたり、清掃業者は従業員が自分で手配する必要があったりと、退去にかかる費用が大きく左右される可能性もあるでしょう。
また、退去日についての取り決めが明記されている場合もあるため、前もって確認したうえで退職代行サービスに相談するとスムーズです。
社宅・寮を退去する際の立ち会いは、基本的に任意となっています。
しかし、立ち会いでは原状回復に関する確認がおこなわれるため、どの程度の修繕が必要になるのか気になる人も多いでしょう。
もし退去時に立ち会う場合は、一人ではなく、家族や友人と一緒に立ち会うのがおすすめです。
自分一人で会社の人と対面すると、心ない言葉を投げかけられたり、引き止めにあったりする恐れが考えられるためです。
退去時の立ち会いは退職代行サービスには依頼できない場合が多いため、一緒に行ける人がどうしても見つからない場合は、労基に立ち会いを依頼してみるのもよいでしょう。
退職代行サービスに依頼できる内容には、限りがあります。
たとえば、会社に置いてある私物の受け取りは、ほとんどの業者が対応していません。
そのため、基本的には退去前に私物の受け取りを済ませておくほうが無難でしょう。
退去後に私物を郵送してもらうとなると、会社に新しい住所を教えなければならないためです。
どうしても退去後になってしまう場合は、実家に送ってもらう、退職連絡の前に私物を少しずつ持ち帰っておくなどの対策が考えられます。
借り上げ物件の場合は会社とは別に物件の所有者がいるため、交渉次第では退職後も住み続けることが可能です。
ただし、借り上げ物件にはほかの従業員も暮らしている可能性が高いため、人によってはストレスを感じてしまう場合もあるでしょう。
退職前の人間関係に問題がなくても、建物内で顔を合わせると気まずい思いをしてしまうかもしれません。
借り上げ物件に住み続ける場合は、こうしたリスクを理解したうえで契約を締結しましょう。
また、退去予定であっても、退職代行を利用すると上司や同僚が自宅まできて、会社に引き止めようとしてくる可能性が考えられます。
退職代行が実行されたあとは、会社の人からの連絡や訪問に応じる必要はありません。直接対応するとトラブルに発展する恐れもあるため、その場合は退職代行サービスを通じて、自宅まで来ないように要請しましょう。
最後は、社宅・寮に暮らしている人が退職代行を利用する際のよくある質問に答えていきます。
社宅・寮に住んでいるからといって、退職代行を利用した際にデメリットを感じることはそれほどないでしょう。
しかし、社宅・寮に暮らしていると、退職と同時並行で退去・引越しについても考えなければなりません。
そのため、一般的な賃貸物件や実家に暮らしている人と比べると、退職までにするべきことが多くなってしまいます。
社宅・寮に暮らしている人こそ、退職する際は、親身に相談に乗ってくれる退職代行サービスを利用して、負担を少しでも軽減するとよいでしょう。
会社によっては、社宅・寮を退去に関する違約金を請求される場合もあるでしょう。
自己都合退職の場合は賃料の◯ヵ月分を請求するといったように、高額な違約金がかかるケースもあるかもしれません。
違約金に関するルールを無視できるかどうかはケースバイケースとなるため、まずは退職代行サービスに相談してみましょう。
トラブルリスクが高い場合は、弁護士が運営する退職代行サービスがおすすめです。
会社の寮や社宅に暮らしていても、退職代行サービスは問題なく利用できます。
退職代行の利用=即退去となるケースはまれであり、基本的には猶予期間が与えられるため、安心して退職代行サービスを利用しましょう。
ただし、会社の寮や社宅を退去するにあたり、退去日や退去費用など会社との交渉が必要になるケースも少なくありません。
会社との交渉権を持っているのは、労働組合や弁護士が運営する退職代行サービスのみです。
それぞれのサービス内容やコストを比較し、自分にとって最適な退職代行サービスを選びましょう。
弁護士への相談で残業代請求などの解決が望めます
労働問題に関する専門知識を持つ弁護士に相談することで、以下のような問題の解決が望めます。
・未払い残業代を請求したい
・パワハラ問題をなんとかしたい
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可能です。企業に勤めており、雇用契約の中で働いている一般労働者から、自衛隊、警察等の期間で働いている方でも、弁護士の退職代行はご利用できます。
退職代行とは?ブラック企業から抜け出すための救世主サービス
退職代行業者と、弁護士による退職代行業務に大差はありません。いずれも、労働者の代わりに退職の意思を伝えるサービス概要において、両者に違いはないと言えます。ただ、退職代行業者が自社の持つ権限内で適切にサービスを運用しているとは限りません。退職代行業務の中には『弁護士資格』を持つ弁護士にしかできない業務も多分にございます。
その点、弁護士を通すことで上記違反(弁護士法違反・非弁行為)のリスクはありませんし、確実に適法範囲で対応できます。また、未払い残業代や不当解雇、万が一懲戒解雇等の扱いを受けたとしても、弁護士がおりますので、相談によって具体的な解決策の提示を受けられる可能性は高いと思います。
退職代行を利用したことが損害賠償の理由となることはありません。しかし、在職時の労働者の行いや退職の仕方によっては労働者側に損害賠償義務が認められる可能性もゼロではありません。退職にあたって、会社から損害賠償を請求されるのは、退職にあたって労働者側に何らかの義務(注意義務)違反があり、同違反により会社に具体的損害が生じている場合に限られます。
たとえば、労働者が退職に至るまでの間、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、退職にあたっても何ら必要な引継ぎ・連絡をせず代行業者を通じて本人が一切出てこないという場合、労働者の会社に対する義務違反を構成することはあり得ます。
代行業者、弁護士のどちらに依頼した場合でも「退職できなかった」というトラブル報告はほとんどみられません。会社も退職代行会社が連絡してくると、退職に応じてはいるようです。つまり、よほどのことがない限り、退職した従業員に対して損害賠償ということは考えられません。(従業員1名が退職したとしても、直ちに損害が生じることは考えにくいです。)ただし、これも絶対ではありません。
過去、入社1週間で退職し、退職の効果が発生するまでの期間も出勤しなかった従業員が勤務先から損害賠償を受け、70万円の支払命令が出た事案があります。(ケイズインターナショナル事件)そのため、どのような辞め方でも絶対に労働者側に責任が問われないというわけでもない、という点は注意すべきです。
とはいえ、通常は退職したことで直ちに会社に損害が生じることはありませんので、過度の心配は不要かと思います。
状況にもよるかと思いますが、引き継ぎをせずに退職することは多くの場合は可能と思われます。例えば、引継ぎをしないことが会社に対する義務違反とならないような場合や、引継ぎをしないことで会社に具体的な実害が生じないような場合は、引継ぎは必須ではないといえそうです。ただし、『労働者が退職前から、長期間の無断・無連絡の欠勤を続けており、会社の出頭要請にも応じていない』『そのまま退職した結果、会社業務に具体的な支障が生じ、取引先を失うなどの実害が生じている』というケースであれば、労働者が退職代行を入れて引継ぎもなく退職したことについて、損害賠償を求められるリスクはまったくないとはいえないでしょう。
退職代行で引き継ぎ放棄しトラブルに?リスク回避が可能な方法と注意点