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セクハラ問題の解決にかかる弁護士費用の相場とできるだけ費用を抑える方法

更新日
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
このコラムを監修
セクハラ問題の解決にかかる弁護士費用の相場とできるだけ費用を抑える方法

ひとりぼっちでセクハラの加害者と戦うのは精神的にハードですし、こちらに交渉スキル&法律知識がないと負けてしまうおそれがあります。

そこで頼りになるのが、弁護士です。

特にセクハラ・パワハラ案件の実務経験が豊富な弁護士であれば、被害者の心の傷にも配慮しつつ、加害者との間に立って守ってくれます。

味方になってくれると非常に心強いのが弁護士ですが、気になるのが費用でしょう。

実際に「弁護士に頼みたいのはやまやまだけど、報酬が高そうで……」と依頼を躊躇されている方は大変多いです。

“弁護士=費用が高い”というイメージが根強いですが、最近では報酬体系が多様化しており、より多くの人が利用しやすいサービスに変化しつつあります。

今回は、弁護士費用の相場や報酬システム、費用を抑える方法について解説します。

弁護士費用が心配な方へ

弁護士費用が心配な方は、まずは依頼予定の弁護士事務所に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談をすれば、下記の様なことが分かるでしょう。

  • 自分は慰謝料を請求できるのか
  • 慰謝料請求できるならどれくらいになるか
  • 依頼する以外のセクハラ問題の解決策
  • 実際の弁護士費用の見積もり など

弁護士に相談をしてから、依頼するかを決めましょう。

複数の事務所で相談してみて、自分にあった弁護士事務所に依頼をするのが良いでしょう。

初回相談が無料の事務所もありますので、まずはお気軽にご相談ください。

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セクハラ問題の解決にかかる弁護士費用の相場と内訳 

弁護士費用の相場と内訳 

相談料:無料か1時間5,000円〜

弁護士に依頼する際は、まず相談からスタートすることになります。

ご自分が受けた被害の詳細について弁護士に説明し、法律的な見解やアドバイスを受けるのです。

最近では無料で法律相談を受ける弁護士も増えているので、相談料の相場は30分:0~5,000円です。

なるべく無料法律相談を利用すれば、全体の費用を抑えることができるでしょう。

相談をする際は、あらかじめ紙に書いて整理してから、時系列に沿って事実を説明していくことをおすすめします。

セクハラを示す証拠も、できる限り事前に収集しておきましょう。

着手金:10万円〜30万円

解決方法によって異なりますが、セクハラ案件の着手金の相場は10万~30万円です。

しかしこれはあくまでも平均です。

事務所によっては、着手金をゼロにしてその分成功報酬を高く設定しているところもあります

この場合、初期費用をかけずに依頼できるうえに、相手から回収した慰謝料・損害賠償金から成功報酬を差し引く形で支払うことも可能となります。

これは全ての法律紛争について言えることですが、いくら優秀な弁護士に高いお金を支払っても、必ず勝てる保証はありません。

とくにセクハラの場合、有力な証拠の有無が勝敗を左右します。

この点も考慮に入れつつ、慎重に判断してください。

成功報酬:経済的利益の20~30%程度

裁判で勝つ、相手がセクハラを認めるなどして損害賠償金・慰謝料などを支払わせた場合、成功報酬は受け取るお金の20~30%となっていることが多いです。

その他実費

依頼内容を遂行するために弁護士が必要とする交通費・郵送料なども、「実費」として負担することになります。

実費の目安は、1万~3万円程度となっています。

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セクハラ問題の依頼にかかる弁護士費用をできるだけ抑えるには?

セクハラ問題の依頼にかかる弁護士費用をできるだけ抑えるには

相談料無料の弁護士を選ぶ

前述のとおり、無料法律相談を受けている弁護士を選ぶのもひとつの方法です。

とくにセクハラの被害にあった方の場合、精神的ショックや心の傷からスムーズに説明しづらいこともあるでしょう。

時間を気にすることなく落ち着いて話をするためにも、無料法律相談を利用することをおすすめします。

成功報酬額が低い弁護士を選ぶ

もっとも金額が大きいのが、成功報酬金です。

なるべく成功報酬金が低い弁護士を選ぶことで、費用を抑えることができます。

着手金ゼロの事務所は初期費用がかかりませんが、その分成功報酬金が高く設定されていることが多いので注意が必要です。

着手金無料の完全成功報酬の弁護士を選ぶ

「すぐにお金は用意できないけれど一刻も早く弁護士に依頼したい」という方は、着手金無料・完全成功報酬型の弁護士に依頼することを検討してみましょう。

前述のとおり成功報酬金が高く設定されている傾向がありますので、それぞれのメリット・デメリットを比較しつつ、ご自分の状況に合わせて報酬体系を選びましょう

法テラスを利用する

法テラス(日本司法支援センター)は、全ての国民が収入に関係なく司法サービスを受けられるよう支援する法務省所管の機関です。

法テラスを通して弁護士に依頼すれば、かなり費用を抑えることができます。

さらに弁護士費用の立替え払いもおこなっています

ただし法テラスを利用するためには、一定の収入・資産要件を下回っている必要があります。

見積もりをとって判断する

複数の弁護士に無料法律相談を受けつつ、見積書を出してもらってから選ぶのもおすすめです。

実際に相談を受けて弁護士との相性も見ながら、ご自分にとって妥当な金額を判断することができるはずです。

弁護士費用や裁判費用を相手に請求することは可能?

弁護士費用や裁判費用を相手に請求することは可能?

基本はできない

裁判で負けた側が勝った側の弁護士費用・裁判費用を負担することを、「敗訴者負担制度(はいそしゃふたんせいど)」と言いますが、日本では「敗訴者負担制度」を採用していないので、基本的には相手に弁護士費用等を請求することができません

弁護士費用を請求できる例外もある

負けたほうが相手の弁護士費用まで負担する必要はない原則は上記のとおりですが、例外もあります。

その一つが「不法行為に基づく損害賠償請求」の場合です。

不法行為とは、「故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害する」違法行為のことです。

セクハラの場合、不法行為責任を問えるので、相手に弁護士費用を負担させることができる可能性があります。

齋藤弁護士

もちろん、セクハラ行為が直ちに不法行為となる訳ではありませんが、たとえば、

  • 加害者の単純な不法行為【民法709条】
  • 雇用主の使用者責任(不法行為)【715条】
  • 雇用主の配慮義務違反(不法行為)【709条】

などが認められれば、加害者の不法行為によって精神的被害を被った被害者は、加害者に対して「加害者のせいで裁判になったのだから、その弁護士費用不法行為によって被った損害に含まれるはずだ」という論理で請求できる可能性はあります。

実際、セクハラの損害賠償を巡って裁判となった事件で、使用者(会社)と加害者に対して、賠償金330万円(内弁護士費用30万円)の支払いを命じた事例もあります。

【参考元】東京高判平 24.8.29、労判 1060 号 22 頁

逆に、被害者が敗訴したからといって、加害者側の弁護士費用を支払うということにはなりませんので、「敗訴者負担制度」とは異なるもの、個別具体的な状況(あなたの状況)によって変わりますので、詳しい内容は弁護士に直接聞いていただくのがよいかと思います。

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弁護士費用も見越して多めに請求しておくのがコツ

これは一般的な交渉でもよく用いられるテクニックですが、最初はわざと厳しめの条件を突き付けて少しずつ下げていくのも有効です。

高めの金額と本当の希望金額を比較させることで、「これなら支払えそう」と相手に思わせることができるかもしれません。

こちらも個別の事情や交渉によって変動する箇所ですので、弁護士に法的な見解も含めた無料相談から始められるのがよいでしょう。

まとめ

弁護士費用は決して安いものではありませんし、必ず勝てる保証もありませんが、それでも支払うだけの価値があるものです。

結果がどうあれ自分の尊厳のために戦ったという事実が、心の傷を癒してくれることもあるからです。

弁護士を選ぶ際は、費用を安く抑えることばかりに気を取られるのではなく、人としての相性や経歴などもしっかりと確認することが大切です。

労働案件を中心に受けている弁護士の中には、「お金儲けよりも社会正義」を重視して低価格で依頼を受けている方もいます。

お金がかけられないけれどなるべく良い弁護士を選びたいという方は、弁護士のホームページもしっかり読んで「どのような信念を持って活動しているのか」をチェックするようにしましょう。

弁護士費用が心配な方へ

弁護士費用が心配な方は、まずは依頼予定の弁護士事務所に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談をすれば、下記の様なことが分かるでしょう。

  • 自分は慰謝料を請求できるのか
  • 慰謝料請求できるならどれくらいになるか
  • 依頼する以外のセクハラ問題の解決策
  • 実際の弁護士費用の見積もり など

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複数の事務所で相談してみて、自分にあった弁護士事務所に依頼をするのが良いでしょう。

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銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
女性のセクハラ被害解決を得意とする弁護士。慰謝料請求や退職を余儀なくされた際の逸失利益の獲得に注力。泣き寝入りしがちなセクハラ問題、職場の女性問題に親身に対応し、丁寧かつ迅速な解決を心がけている。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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