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不当労働行為とは?種類ごとの具体例や罰則をわかりやすく解説

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不当労働行為とは?種類ごとの具体例や罰則をわかりやすく解説

組合活動において「これは不当労働行為に該当するのでは?」と疑問に思う行為をされ、対応に悩んでいる人もいるでしょう。

不当労働行為とは、労働組合法第7条が使用者(会社)に禁じている行為をまとめた呼び名です。

組合活動を理由にした解雇や、正当な理由のない団体交渉の拒否などが当てはまります。

本記事では、不利益取扱いや団体交渉拒否といった代表的な類型を、具体例つきで説明します。

労働者・労働組合側がとれる救済申立ての流れや罰則の有無、労働委員会への申立期限も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

不当労働行為とは労働組合法が労働者や労働組合に禁止する6つの行為

不当労働行為とは、労働組合法第7条が使用者(会社)に対して禁止している行為の総称です。

組合活動をする労働者や、労働組合を守るために設けられました。

条文上の分類は不利益取扱い・団体交渉拒否・支配介入・報復的不利益取扱いの4つですが、本記事ではより実務に即して、下記6つに分けて解説します。

種類 内容 根拠法令(労働組合法)
不利益取扱い 組合活動を理由に、解雇・降格などの不利益な扱いをする 第7条1号
黄犬契約 組合への不加入・脱退を雇用条件にする 第7条1号
団体交渉の拒否 正当な理由なく団体交渉を拒む 第7条2号
支配介入 組合の結成・運営に、妨害などの干渉をする 第7条3号
経費援助 組合の運営費を会社が負担する 第7条3号
報復的不利益取扱い 労働委員会への申立てなどを理由に報復する 第7条4号

不利益取扱い|労働組合への参加や活動を禁止する行為

不利益取扱いとは、労働組合の組合員であることや、組合活動をしたことなどを理由に、労働者へ不利な対応をする行為です。

労働組合法第7条第1号で禁止されています。

たとえば、会社が組合への参加や組合活動をした労働者に下記のような行為をすると、不利益取扱いに該当します。

  • 解雇
  • 降格や減給
  • 遠方の事業所への配置転換

会社が「能力不足」などの表向きの理由をつけても、実質的に組合活動への嫌がらせだと判断されれば、不利益取扱いにあたります。

なお、保護されるのは正当な組合活動だけです。

就業時間中に無許可でおこなった活動などは、不当労働行為の対象から外れる場合がある旨を理解しておきましょう。

黄犬契約|労働組合への加入・脱退などを条件に契約を結ぶ行為

黄犬契約(おうけんけいやく)とは、「労働組合に加入しないこと」や「組合から脱退すること」を雇用の条件として結ばせる契約です。

不利益取扱いの一種として、労働組合法第7条第1号で禁止されています。

たとえば、下記のようなケースが当てはまります。

  • 採用面接で「組合に入らないことが条件」と告げる
  • 入社時に組合へ加入しない旨の念書を書かせる
  • 組合脱退を昇進の条件として示す

雇用の条件に組合への不加入をつけた契約は、労働組合法に違反するため、条件部分は無効と考えてよいでしょう。会社側が求めても、労働者が従う義務はありません。

団体交渉の拒否|団体交渉の申入れ拒否・交渉に不誠実に対応する行為

団体交渉の拒否とは、使用者が正当な理由なく、労働組合からの団体交渉の申入れを拒む行為です。

労働組合法第7条第2号で禁止されています。

団体交渉の席につかない場合はもちろん、下記のような不誠実な対応(不誠実団交)も含まれます。

  • 交渉の権限をもたない担当者だけを出席させる
  • 資料や根拠を示さず、結論だけを繰り返す
  • 日程調整に応じず、交渉を引き延ばす

賃金や労働時間といった労働条件は、会社が交渉を避けられない項目(義務的団交事項)です。

組合から求められたら、会社は資料や根拠を示しながら誠実に話し合わなければなりません。

ただし、深夜に突然訪問された場合や、暴力的な対応をとられた場合など、団体交渉を拒否する正当な理由がある場合は違法行為になりません。

支配介入|労働組合の結成・運営を阻止する行為

支配介入とは、使用者が労働組合の結成や運営に干渉し、組合の団結を切り崩したり支配したりしようとする行為です。

労働組合法第7条第3号で禁止されています。

たとえば、下記のような行為が支配介入に当てはまります。

  • 組合の結成を妨害する
  • 組合員に脱退を働きかける
  • 組合の会議室利用や掲示板の使用を不当に制限する
  • 組合活動に支障を出すために組合活動の中心人物を解雇したり配置転換したりする
  • 組合員と組合員でない者とで異なる扱いをする

目に見える妨害だけでなく、言葉や態度による暗黙のプレッシャーも、支配介入と認定される可能性があります。

会社側は、組合への対応が干渉や支配にあたらないか、慎重に判断する必要があります。

経費援助|労働組合の運営費用を会社が負担する行為

経費援助とは、使用者が労働組合の運営費を負担する行為で、支配介入の一種として労働組合法第7条第3号で禁止されています。

会社からの資金援助を受けると、組合が会社寄りの「御用組合」になり、自主性を失う恐れがあるためです。

たとえば、会社からの下記のような援助行為が、禁止されています。

  • 就業時間中の組合活動時間(会社との協議・交渉を除く)に対する賃金を支払う
  • 労働組合のための出張費用を援助する
  • 組合事務所の水道光熱費や電話料金を負担する

会社としては良かれと思った福利厚生的な支援であっても、違法とみなされるケースがあります。

会社側は、支援の範囲が例外にとどまるか確認しておくと安心です。

報復的不利益取扱い|会社が報復目的で不利益を与える行為

報復的不利益取扱いとは、労働者が労働委員会へ救済を申し立てたことなどを理由に、会社側が報復として不利益な扱いをする行為です。

労働組合法第7条第4号で禁止されています。

たとえば、下記のようなケースが当てはまります。

  • 労働委員会の審問で会社に不利な証言をした従業員を降格する
  • 救済を申し立てた組合員を減給する
  • 証拠を提出した労働者を遠方へ配置転換する

労働者が報復を恐れずに救済制度を使えるようにするための、重要な規定です。

ほかの不利益取扱いと同じく、報復をおこなった使用者は厳しく責任を問われます。

不当労働行為を受けたら救済命令を申し立てよう

不当労働行為の被害を受けた労働者や労働組合は、労働委員会へ救済命令の申立てをおこなえます。

救済命令とは、憲法で保障されている団結権などを守るために、労働組合法で定められている制度です。

労働委員会に救済の申立てをおこない、不当労働行為の事実があると認められれば、申立内容の全部または一部を認容してくれます。

たとえば、不当労働行為によって解雇された場合は復職を、賃金減額があったら差額の支払いなどを、会社に命じます。

救済命令の申立ての詳細は、下記のとおりです。

項目 内容
申立先 事業所を管轄する都道府県労働委員会
申立期間 不当労働行為があった日から1年以内
申立てできる人 被害を受けた労働者・労働組合
主な救済内容 解雇の撤回、減給分の支払い、謝罪文の掲示など

認められれば、解雇の撤回や減給分の支払いに加え、謝罪文の掲示を命じるポストノーティス命令が下されるケースもあります。

救済命令は自分で申立てすることも可能ですが、法的手続のため、労働組合を通すか、弁護士のサポートを受けて進めるのが一般的です。

不当労働行為の救済命令申立ての流れ5ステップ

不当労働行為の救済命令申立ての流れ5ステップ

不当労働行為の救済命令は、申立てから命令の交付まで、いくつかの段階を踏んで進みます。

本章では、不当労働行為の救済命令を申し立てる流れを5ステップにわけて解説します。

不当労働行為に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

1.都道府県労働委員会に審査を申し立てる

はじめに、会社の所在地を管轄する都道府県労働委員会へ、申立書と証拠書類を提出しましょう。

申立書には、不当労働行為の具体的な事実関係と、原職復帰などのどのような救済を求めるかを正確に記載します。主張を裏づける証拠として、下記のようなものを併せて提出してください。

  • 会社とのやり取りを記録したメール
  • 面談や交渉の録音データ
  • 就業規則や人事異動の通知書

申立期間は1年と定められています。

期限を過ぎると受け付けられないため、事実が判明したあとは速やかに準備を進めましょう。

2.調査を受ける

申立書が受理されると、選任された労働委員会の担当委員が、事実関係の調査をおこないます。

裁判でいう争点整理にあたる段階です。

労働委員会が労使双方の主張を整理し、審問に向けて、何が争点になるか・どんな証拠が必要かを固めていきます。

会社側は答弁書を提出し、人事措置などに正当な理由があったと反論するのが一般的です。

なお、調査の途中でお互いに歩み寄りの余地があれば、労働委員会から和解が提案されるケースもあります。

和解が成立すれば、審査は終了します。

3.証人尋問や証拠調べがおこなわれる

和解できなかった場合は、裁判の口頭弁論にあたる「審問」が開かれます。

審問は、当事者や証人への直接の尋問と、詳細な証拠調べがおこなわれる場です。

労働者側は会社の違法性を、会社側は自らの正当性を、主尋問や反対尋問を通じて立証していきます。

事案の複雑さに応じて、審問は複数回にわたって開かれるのが一般的です。

審問での主張やふるまいは、判断を担う委員の心証を左右します。

感情的にならず、一貫した事実にもとづいて客観的に主張する姿勢が、有利な判断につながります。

4.合議で不当労働行為にあたるかを判断される

全ての審問が終わると、公益委員会議による合議に入ります。

不当労働行為の事実があったかどうかを判断する段階です。

提出された証拠や審問での証言を総合的に評価し、労働組合法第7条に違反するかどうかを法的に検討します。

申立ては全てが認容される場合もありますが、一部の主張だけが認められ、ほかの主張は退けられるケースも珍しくありません。

たとえば、ある懲戒処分は撤回を命じられても、別の処分は正当な理由があるとして退けられる、といった判断もあります。

5.救済命令または棄却命令が下される

不当労働行為が認められた場合、会社には救済命令が下され、原職への復帰や、謝罪文の掲示などが命じられます。

認められなかった場合は、申立てを退ける棄却命令になります。

申立てから命令が出るまでの期間は、事案によって異なり、争点が多く複雑な事案では、1年以上に及ぶケースも少なくありません。

都道府県労働委員会の命令に不服がある場合は、命令書の交付から15日以内に中央労働委員会へ再審査を申し立てるのも可能です。

または、30日以内に裁判所へ取消訴訟を起こす方法もあります(労働組合法第27条の15第1項・第27条の19第1項)。

再審査や取消訴訟まで進むと、手続きはいっそう複雑になります。

見通しや進め方に不安がある場合は、労働問題に注力している弁護士へ相談してみましょう。

不当労働行為をした会社は罰則を受ける?

不当労働行為をした会社が、ただちに刑事罰を受けるわけではありません。

しかし、命令に従わない場合などでは、過料や刑事罰、損害賠償といった責任が生じます。

本章では、行政上の罰則と民事上の責任に分けて解説します。

1.行政上の罰則|救済命令違反による過料・拘禁刑など

行政上の責任が問われるのは、労働委員会の救済命令が確定したのに、会社が従わない場合です。

会社が確定した救済命令に違反すると、下記2つのいずれかに処されます(労働組合法第28条)。

  • 1年以下の拘禁刑
  • 100万円以下の罰金

さらに、裁判所が履行を命じる「緊急命令」に違反した場合は、50万円以下の過料の対象です(同法第32条)。

不履行が5日を超えると、1日につき10万円が加算されます。

命令違反は社会的な信用の低下を招き、企業のイメージにも深刻な悪影響を及ぼすでしょう。

2.民事上の責任|損害賠償の請求

民事上は、不当労働行為によって労働者が受けた精神的・経済的な苦痛に対して、損害賠償の支払い義務が生じる場合があります。

救済命令によるバックペイ(解雇期間中などの未払い賃金)とは別に、民法第709条の不法行為責任を問われるケースも少なくありません。

長期間にわたる差別的な扱いや嫌がらせを受けていた場合は、損害賠償(慰謝料)の支払いが認められる可能性があります。

損害賠償額の相場は、事案によって異なります。

早めに弁護士を入れて適切な解決を図るのがおすすめです。

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不当労働行為が認められた事例

実際に不当労働行為と認められた事例を知ると、どのような行為が問題になるのかをイメージしやすくなります。

本章では、厚生労働省の中央労働委員会の命令データベースで公開されている、支配介入や団体交渉拒否が認められた2つの事例を紹介します。

協伸産業事件|支配介入を受けて一部救済命令が認められた事例

協伸産業事件は、会社の支配介入などが不当労働行為と認められた事例です。

労働組合が、有限会社協伸産業の対応を不服として救済を申し立てました。

問題となったのは、団体交渉での不誠実な対応です。

会社側は、組合の出席者が1名であることを理由に交渉へ誠実に応じず、組合員名簿の提出を交渉の条件としました。

さらに、組合員の親族へ連絡し、組合からの脱退を余儀なくさせる行為もおこなっています。

労働委員会は、団体交渉の誠実な応諾拒否と支配介入を認定しました。

会社には、誠実な団体交渉への応諾と、謝罪文の掲示などが命じられています。

不当労働行為審査事件|懲戒処分と団体交渉拒否を受けて救済命令が認められた事例

不当労働行為審査事件では、会社の懲戒処分と団体交渉拒否の一部が不当労働行為と認められました。

3つの労働組合が、会社の5つの行為を不服として救済を申し立てた事案です。

労働委員会は、分会長への懲戒処分を「分会長個人を狙った支配介入」と判断しました。

あわせて、昇給や一時金などの議題について団体交渉に応じなかった対応も、問題視しています。

会社に対しては、懲戒処分の撤回と減給分2,370円の支払い、特定の議題への誠実な団体交渉が命じられました。

一方で、ほかの組合員への懲戒処分は正当な理由があるとして退けられ、また、申立期間を過ぎた部分は却下されています。

会社が団体交渉を拒否しても不当労働行為にならないケース4つ

会社が団体交渉を拒否すると、原則として不当労働行為にあたります。

ただし、正当な理由があれば、拒否しても違法にならないケースもあります。

本章では、団体交渉を拒否しても不当労働行為にあたらない、代表的な4つのケースを見ていきましょう。

1.団体交渉が行き詰まっている場合

団体交渉が行き詰まっている場合、会社は交渉を打ち切っても違法になりません。

交渉が行き詰まっているとは、双方が誠実に議論を尽くし、合意に達する見込みがなくなった状態を指します。

不当労働行為とみなされないためには、会社は、十分な説明やデータの提示といった誠実な交渉を尽くした実績が欠かせません。

議事録などで、交渉の経過を残しておきましょう。

ただし、数回交渉しただけで会社が一方的に打ち切る場合は、不誠実な団体交渉として違法になる可能性が高いため、注意してください。

2.訴訟で決着がついた事項の団体交渉の申入れがおこなわれた場合

すでに裁判所の判決などで法的に解決した事項について、改めて団体交渉を求められた場合、会社は応じる義務を負いません。

確定判決や、労働委員会での和解によって決着がついたテーマは、交渉すべき事項から外れます。

同じ主張の蒸し返しにすぎない申入れなら、会社側は「すでに解決済みである」と理由を明確に示して拒否しましょう。

ただし、判決のあとに事情が大きく変わった場合や、まったく別の新しい争点についての申入れであれば、応じる必要があります。

3.会社側の弁護士の同席を労働組合側が拒否した場合

会社が弁護士の同席を求めたのに、組合側が不当に拒んだ場合、会社に責任は問われません。

会社側が法的な助言を得るために、代理人として弁護士を同席させるのは、正当な権利として認められています。

組合側が「弁護士が同席するなら交渉しない」と強く主張して交渉が進まないときは、決裂の原因は組合側にあると判断されます。

会社としては感情的に反発せず、弁護士を同席させる必要性を冷静に伝えましょう。

やり取りを記録に残しておくと、あとから証拠になります。

4.労働組合側が暴力行為を働いた場合

労働組合側が団体交渉の場で暴力や脅迫などの違法行為に及んだ場合、会社が交渉を打ち切って退室しても、正当な理由と認められます。

組合の活動であっても、刑法に触れる暴力的な手段や恫喝は、正当な組合活動として保護されません。

大勢で取り囲んで威圧するなど、身の危険を感じて冷静な交渉ができない状況では、交渉を拒んで退室する対応も認められます。

会社側は退室する際に理由を告げ、暴言や暴力の証拠を録音などで確保しておきましょう。

速やかに警察や弁護士へ相談すれば、身を守れます。

不当労働行為に関するトラブルは弁護士に相談しよう

不当労働行為をめぐるトラブルは、法的な判断が複雑なうえ、証拠集めも難しいため、労働問題に注力している弁護士へ相談しながら進めるのがおすすめです。

労働者側は、自分のケースが不当労働行為にあたるかどうかの見極めから、申立書の作成、会社との交渉までを任せられます。

会社側は、組合からの過大な要求を適法に退け、団体交渉拒否などのリスクを避けた対応について助言をもらえるのが強みです。

労働委員会の手続きを独力で進める精神的な負担や、時間的なコストも大きく減らせます。

弁護士を効率よく探すなら「ベンナビ労働問題」

労働トラブルに注力している弁護士を探すなら、ポータルサイトの「ベンナビ労働問題」の活用がおすすめです。

地域や、不当労働行為・労働組合対応といった相談内容に合わせて、自分に合った弁護士をスムーズに検索できます。

初回相談を無料にしている法律事務所も多く掲載されているため、初期費用を抑えて助言を受けられます。

労働者側と会社側、それぞれの立場での解決実績をもつ弁護士を比較して選べるのも強みです。

まずは気になる弁護士へ、気軽に問い合わせてみましょう。

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不当労働行為に関するよくある質問

最後に、不当労働行為に関するよくある質問と、その回答を紹介します。

救済申立ての費用や労働組合の有無、パワハラとの違いなど、気になる項目があればぜひ参考にしてください。

Q1.不当労働行為の救済命令申立ては費用がかかりますか?

労働委員会への救済命令の申立て自体には、費用はかかりません。

裁判所での訴訟のように印紙代を納める必要はなく、無料で手続きを利用できます。

ただし、証拠書類のコピー代や、労働委員会へ足を運ぶ交通費などの実費は自己負担となります。

弁護士へ手続きを依頼する場合は、別途弁護士費用(着手金や報酬金など)が発生する点も理解しておきましょう。

Q2.労働組合がなくても不当労働行為に該当するケースはありますか?

社内に労働組合がない場合でも、不当労働行為に該当するケースはあります。

労働者が組合を結成しようと準備を進める段階の行動も、労働組合法の保護の対象だからです。

会社が労働者へ、準備を理由に不利益な扱いをすれば、不当労働行為にあたります。

社外の合同労働組合(ユニオン)に個人で加入した場合の会社の対応も、同じように対象となります。

「自社に組合がないから関係ない」という会社側の認識は誤りです。

組合の結成や加入の動きがあれば、慎重に対応する必要があります。

Q3.労働組合のストライキに参加して解雇されたら不当労働行為になりますか?

正当なストライキ(争議行為)に参加したことを理由に解雇された場合は、不利益取扱いになるため、不当労働行為に該当します。

ストライキ権は憲法や労働組合法で守られており、正当な手続きを踏んだ参加は、民事・刑事の責任を問われません。

会社が参加者を解雇したり懲戒処分にしたりする対応は違法であり、処分が無効と判断される可能性が高いといえます。

ただし、暴力的な手段を用いた場合や、組合の指令によらない違法なストライキの場合は、正当性が否定され、処分が認められるケースもあります。

Q4.不当労働行為とパワハラの違いはなんですか?

不当労働行為とパワハラの違いは、嫌がらせの目的にあります。

不当労働行為は組合活動を理由とした会社による嫌がらせで、パワハラは個人の尊厳を傷つける嫌がらせです。

パワハラは、個人的な感情や職場の人間関係のもつれから生じるケースが多く見られます。

一方の不当労働行為は、労働組合の弱体化といった反組織的な意図をもっておこなわれる点が特徴です。

なお、上司の暴言が「組合を辞めろ」という内容であれば、パワハラと不当労働行為(支配介入)の両方に当てはまるケースもあります。

まとめ|不当労働行為は早期の確認と相談が重要

不当労働行為とは、労働組合法第7条が使用者に禁じている行為の総称です。

不利益取扱い・団体交渉拒否・支配介入など、6つの類型があります。

労働者が会社から不当労働行為をされている場合は、放置せずに早めに救済申立てをおこないましょう。

法的な判断は複雑で、証拠集めや手続きにも専門知識が必要なため、弁護士に相談しながら手続きを進めるのがおすすめです。

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弁護士法人晴星法律事務所

藜園 泰斗
弁護士
(広島弁護士会)
依頼者様が抱えている問題をしっかりと分析して、適切な解決を目指すことを大切に日々みなさまと向き合っています。
編集部

本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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