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会社から突然解雇を告げられると、大きなショックを受ける方がほとんどでしょう。
いわゆる即日解雇は違法である可能性が高い一方で、その全てが必ずしも「即日解雇=違法」というわけではありません。
本記事では、即日解雇が認められる3つの条件と、即日解雇の条件を満たしているかどうか確認する際のポイントについて解説していきます。
会社から解雇を突然告げられた際に違法かどうかを柔軟に判断できるようにしておきましょう。
そもそも解雇は、大きく分けて(整理解雇を含めた)普通解雇と懲戒解雇という2つに分かれます。
ご自身が会社から言い渡された解雇がどちらに該当するかわからない場合は、まずは解雇理由を会社へ確認してみましょう。
会社による即日解雇は原則として違法である可能性が高いものの、以下2つの条件を満たす場合は例外的に認められています。
第一に、即日解雇するにあたり「客観的に合理的な理由」及び「社会通念上の相当性」が認められなければなりません。
(解雇)
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
引用元:労働契約法|e-GOV法令検索
とくに即日解雇の場合、会社が即日解雇を下した判断の合理性及び相当性に関して厳しく審査がおこなわれます。
ここでいう客観的に合理的な理由とは、第三者が見ても「解雇は止むを得ない」と判断できるような理由のことで、例えば以下のようなものが挙げられます。
これらを客観的に見て「解雇されても仕方がない」と判断できるような理由が必要です。
社会通念上の相当性とは、労働者の状況やおこなった行為に対して、解雇が相当な処分であるか否かが問われるということです。
つまり、労働者の行為に対して「解雇はやりすぎだ」と認められるような場合には、不当解雇に該当する可能性があります。
軽微な就業規則違反のペナルティとして解雇をおこなったり、違反やミスに対して十分な注意指導や教育をおこなっていないにもかかわらず解雇を通告することは、社会通念上の相当性を欠く行為であると判断され、不当解雇になる可能性があります。
これら2つの条件全て満たしていない即日解雇は、不当解雇の可能性が極めて高いと考えられます。
原則として、従業員を解雇するためには30日以上前に解雇の予告をおこなう必要があります。
しかし、会社が従業員を予告なしに解雇する場合には、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払うことが義務付けられています。
つまり、解雇に対して「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」がある場合でも、、即日解雇の場合、解雇予告手当として、30日分以上の賃金を支払う必要があります。
会社から即日解雇された場合、即日解雇の条件を満たしているかどうか、以下の4つのポイントをチェックしましょう。
解雇理由証明書とは、会社が従業員の解雇理由等を記した書類をいいます。
まずは、この書類から「なぜ解雇されたのか」の理由をしっかりと確認するようにしてください。
なお、解雇理由証明書は解雇した従業員に対して一律に交付するものではないため、会社に対して発行の請求をおこなう必要があります。
会社の就業規則を確認し、ご自身が解雇された理由が就業規則違反であるか否かを確認しましょう。
解雇事由がどのようなものなのかは会社によって異なりますが、以下のような内容が記載されていることが一般的です。
会社の就業規則を確認し、解雇事由のいずれかに該当するか否かをしっかりと確認するようにしてください。
過去に会社から受け取った人事評価書や指導注意書などで、自分の能力や成績に対して会社がどのように評価しているのかを確認しましょう。
就業規則には「勤務成績又は業務能率が著しく不良」などと、能力についての言及がなされていることがほとんどです。
そのため、会社は「能力や成績が不要」という理由で解雇をおこなうケースも少なくありません。
過去に労働者の能力や成績を評価している資料があるのであれば、解雇理由が不当であることの証明になります。
会社が解雇理由として勤務態度不良を挙げている場合、タイムカードや勤怠記録などで会社の主張が虚偽であることを証明することができます。
のちに不当解雇を争う際の重要な証拠にもなるため、人事評価書や指導注意書とともにタイムカードや勤怠記録などの写しをとっておくようにしましょう。
もし即日解雇が認められる条件を満たしていないのにもかかわらず解雇されてしまった場合、労働者が採れる選択肢として以下2つの方法があります。
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
会社に残りたい場合、会社に対して解雇無効確認請求をおこなうこととなります。
この解雇無効確認請求とは、会社に対して「解雇は不当だから無効である」と認めさせるものです。
この請求が認められれば、解雇は無効となるため、会社復職することができ、さらに解雇期間中の給料も受け取ることが可能です。
また、解雇無効確認請求が認められれば、解雇そのものが無効となるため、解雇を通知される前と同じ雇用条件で働けます。
中には、「不当解雇について争った会社には戻りづらいのではないか」と、考える方もいるかもしれません。
しかし、復職後に労働条件を一方的に変更されることは原則としてありません。
ただし、中には1年以上の時間がかかることもあるほか、復職後にほかの従業員からの風当たりが強くなる可能性も否定できない点は考慮する必要があるといえます。
解雇の無効を認めさせたうえで会社を退職する場合は、解決金や慰謝料を請求できます。
このようなケースの場合、一般的には解雇期間中の賃金相当額や未払の残業代などを基準にして解決金を算定し、会社に対して金銭解決を提案していくことになります。
多くの労働者の方は「不当に解雇された会社には戻りたくない」と考えるものですし、不当解雇された方の中にはすでに他の職場へ就職しているという方も多数います。
また、会社側としても復職は希望しておらず、「できればお金で解決したい」と考えていることもあります。
そのため、即日解雇などが「不当解雇」と認められたケースでは、復職ではなく解決金や慰謝料の支払いがおこなわれるケースが少なくありません。
即日解雇されたからといって、必ずしも労働者の権利が守られるとは限りません。
ここでは、即日解雇の条件に関して知っておくべき2つの注意点を解説します。
突然の解雇だからといって、必ずしも過去予告手当が30日分受け取れるわけではありません。
解雇する際には、解雇予告手当として従業員に30日分以上の賃金を支払わなければなりません。
例えば、解雇日10日前に解雇を通知された場合は「30日–10日=20日分」を解雇予告手当として支払えばよいこととなります。
「明日いっぱいで解雇する」と言われた場合には、1日前の解雇通知ですので「30日–1日=29日分」解雇予告手当として請求できます。
つまり、30日分丸々解雇予告手当を受け取れるのは、即日解雇の場合に限られます。
労働基準法第20条には30日以上前の解雇通知や解雇予告手当を支払わなくてよいケースとして、以下3つが挙げられています。
【解雇予告がなくても即日解雇が認められるケース】
一例として、「労働者側に明らかな責任があった場合」とは、横領や個人情報持ち出しなどの犯罪や、重度の就業規則違反が該当する可能性があります。
また、「労働者が解雇予告の対象外である場合」には、臨時雇用や試用期間中であるケースが考えられます。
ただし、これらのケースにおいて即日解雇をおこなう場合は、労働基準監督署長の認定(解雇予告除外認定)を事前に受ける必要があります。
本記事では、即日解雇が認められる条件や、ご自身のケースが即日解雇であるか否かの判断基準について解説してきました。
とはいえ、自身のケースが不当解雇であるかどうかを個人で判断するのは決して容易ではありません。
もし会社から納得がいかない理由で即日解雇を言い渡された場合や、すでに即日解雇されたものの、不当解雇である疑いが考えられる場合には、労働トラブルに注力している弁護士への相談をおすすめします。
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会社の裁量基準に納得がいかず、撤回を求めたい方は早急に弁護士に相談しましょう。
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