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会社側が退職理由を「会社都合にしたくない理由」とは?自己都合にされたときの対処法

更新日
このコラムを監修
東日本総合法律会計事務所
加藤 惇
弁護士
会社側が退職理由を「会社都合にしたくない理由」とは?自己都合にされたときの対処法

会社を辞めるとき「今回は自己都合退職にしてほしい」と頼まれて困っていませんか?

「本当は会社の都合で辞めるのに、なぜ自分の都合にしないといけないのか」と不思議に思うかもしれません。

実は、会社側には社員を解雇する際に会社都合にしたくない理由がいくつかあります。

なぜなら、会社にとって手続きの手間やお金の面でデメリットがあるからです。

本記事では、会社側が会社都合退職を嫌がる理由と、会社都合退職にしてくれない場合の対処法について解説します。

退職の手続きで後悔しないために、ぜひ参考にしてください。

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会社側が会社都合退職にしたくない理由・デメリット3選

会社が会社都合退職にしたくない理由として考えられるのは、主に以下の3つです。

  1. 経済的な負担につながることがあるから
  2. 退職金の支給額に影響があるから
  3. 一部の助成金に悪影響が生じるから

ここからは、それぞれの理由について詳しく解説します。

1.経済的な負担につながることがあるから

会社側が主導して辞めさせる会社都合解雇の場合、法律上の厳しいルールを遵守する必要があります。

会社が従業員を解雇するには、少なくとも30日以上前に「解雇します」と本人に伝えなければなりません。

もし予告をせずにすぐに辞めさせる場合は、解雇予告手当を支払う義務が発生します。

一方で、従業員からの申し出による自己都合退職であれば、このような支払いは不要です。

つまり、経済的な負担を避けるためには、会社としては自己都合退職として処理したほうが楽なのです。

2.退職金の支給額に影響があるから

退職金制度がある会社では、退職理由によって支給額が変わるケースが多いです。

そして、会社の退職金規程にもよりますが、一般的に会社都合退職のほうが、受け取れる金額が高く設定されています。

そのため、会社側から見れば、退職理由を自己都合にするだけで、支払う金額を減らせる可能性があるのです。

3.一部の助成金に悪影響が生じるから

国は、一定の条件を満たす会社に対して助成金を支給しています。

しかし、社員を会社都合で退職させている場合、助成金がもらえなくなったり、減額されたりする場合があります。

会社都合退職となることで企業がもらえない可能性のある主な助成金は、以下のとおりです。

  • 産業雇用安定助成金:労働者を出向などによって送り出した事業主に支給される助成金
  • 早期再就職支援等助成金:離職者を離職日の翌日から3ヵ月以内に雇い入れたとき、または中途採用の拡大を図った事業主に対して支給される助成金
  • トライアル雇用助成金:職業経験の不足などから就職が困難な求職者を、原則3か月試行雇用し、無期雇用への移行を促す制度

経営において、数十万円〜数百万円単位の助成金は大きな収入源です。

たった一人の退職を会社都合にしただけで助成金が受け取れなくなるのは、会社にとって大きな痛手となります。

そのため、「会社は会社都合にしたくない」と考えるケースがあるのです。

会社側が「会社都合退職」にしてくれない場合に取るべき行動

退職理由を一度「自己都合」として処理されてしまうと、あとから覆すのは簡単ではありません

そのため、会社から「自己都合ということにしてください」と言われたときは、どう動くか重要です。

ここでは、会社側の要求を鵜呑みにせず、自分の権利を守るために取るべき3つの行動を紹介します。

1.安易に自己都合退職を受け入れない

会社が「辞めてほしいけれど解雇にはしたくない」と考えているとき、よく渡されるのが退職合意書という書類です。

これにサインをしてしまうと、お互いに納得して辞めたという証明になってしまいます。

会社側は、不当解雇として訴えられるリスクを避けるために、なんとしてでもサインをさせようとプレッシャーをかけてくるかもしれません。

しかし、これはあくまで合意を目指すものなので、サインを拒否しても問題ありません。

会社が用意した書類は、会社に有利な内容になっていることがほとんどです。

内容をよく理解しないままサインをするのは絶対に避けてください

2.会社都合退職である証拠を残しておく

仮に自己都合退職にされてしまった場合でも、「本当は会社都合退職だった」と証明できれば、結果を変えられる可能性があります。

そのためには、「本当は会社都合だったのに、自己都合になるように説得・強制された」という事実を客観的に示せる証拠を集めましょう。

主に証拠となるものは、以下のとおりです。

集めておくべき証拠リスト
  • 退職届の控え、退職合意書(サイン前のコピーなど)、離職票
  • 上司や社長とのLINE、メールでのやり取り
  • 「辞めてほしい」と言われた時の会話の録音データ
  • 同僚からの「退職を迫られていた」という証言

これらの証拠があれば、ハローワークや弁護士に相談する際に、あなたの主張が正しいと証明できます。

どんなに些細な証拠でも、捨てずに残しておきましょう。

3.会社都合にするよう会社側と交渉する

会社に対して「会社都合にしてください」と交渉するのもおすすめです。

実際、自分の意思で新しい仕事に挑戦したい人の中には、あえて自己都合を選ぶことがあります。

そのため、会社側は悪気なく自己都合を提案している可能性もあります。

誤解されたまま手続きが進まないようにするためには、以下のようにはっきりと希望を伝えることが大切です。

  • 失業保険のことを考えて、会社都合にしてほしい
  • 事実と違うので、会社都合に直してほしい

このように正直な気持ちを会社に話して、希望を聞いてもらうように働きかけましょう。

会社側が「会社都合退職」にしてくれない場合の3つの対処法

会社に「会社都合にしてほしい」と伝えても、聞き入れてもらえないことがあります。

そんなときは、ひとりで悩み続けず、会社以外の第三者へ相談することを検討してください。

ここでは、目的別の相談先3つと対処法を紹介します。

1.失業保険についてはハローワークに相談する

失業保険の手続きをするときは、会社から受け取った離職票をハローワークに提出する流れになります。

そのため、失業保険についてはハローワークに相談しましょう。

このとき、離職票に書かれている退職理由を必ず確認してください。

もし、会社が勝手に「自己都合」にチェックを入れていたら、そのまま受け入れてはいけません。

その場合は、離職票にある「異議有り」という欄に印をつけましょう。

そして、窓口で「会社の書いた理由は事実と違います」と伝えてください。

これは異議申立てという手続きです。

異議申立てを受けてハローワークが事実関係を調査し、異議申立てが認められれば、退職理由が会社都合に変更されます。

なお、この際「2.会社都合退職である証拠を残しておく」で紹介した証拠が役に立ちます。

証拠を持って窓口へ行き、事情を詳しく説明してください。

2.労働基準法の違反については労働基準監督署に相談する

退職の手続きにあたって労働基準法違反がみられる場合は、労働基準監督署に相談しましょう。

労働基準監督署は、労働基準法等を遵守するよう企業を取り締まる機関です。

たとえば、会社が従業員を解雇する場合、労働基準法で以下のどちらかが義務付けられています。

  • 30日以上前に「解雇予告」をする
  • 30日分以上の給料にあたる「解雇予告手当」を支払う

たとえば、「明日から来なくていい」と急に言われたのに手当が支払われていないなら、労働基準法違反です。

この場合、労働基準監督署に相談することで、会社に対して指導や是正勧告をしてくれるかもしれません。

3.代理で対応してほしい場合は弁護士に依頼する

「会社と直接話すのが怖い」「ハローワークや労働基準監督署に行っても解決しなかった」というときは、弁護士に頼るのがおすすめです。

弁護士は、あなたの代わりに会社と交渉してくれます。

会社側も、弁護士が出てくると「裁判になると困る」と考え、態度を改めるかもしれません。

また、無理やり自己都合退職を押し付けてくるような会社は、ほかにもトラブルを抱えているケースがよくあります。

弁護士にお願いすれば、以下のようなトラブルをまとめて解決してくれます。

一緒に解決できるトラブルの例
  • 残業代が正しく支払われていない
  • 上司から嫌がらせやハラスメントを受けている
  • 有給休暇を使わせてもらえない

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さいごに|退職トラブルが得意な弁護士は「ベンナビ労働問題」で探そう

本記事では、会社が会社都合にしたくない理由や、会社都合退職にしてくれない場合の対処法についてわかりやすく解説しました。

会社側にも「手続きを楽にしたい」「助成金を守りたい」といった事情はあります。

しかし、そのためにあなたが損をする必要はありません

会社都合退職か自己都合退職かどうかで、もらえる失業保険の金額や受け取りまでの期間は変わります。

会社の言いなりになって後悔しないように、まずは自分の希望をしっかりと伝えてください。

もし、会社が話を聞いてくれなかったり、自分だけで交渉するのが怖かったりする場合は、労働トラブルが得意な弁護士に頼るのがおすすめです。

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地域や相談内容から検索できるので、自宅や職場の近くの弁護士がすぐに見つかります。

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本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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