適応障害で労災認定はなかなか認められにくいです。
なぜなら適応障害の原因が会社にあることを証明しなければならないからです。
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まずは無料相談を活用して、労災認定の可能性があるか否かについてアドバイスを受けてみても良いかもしれません。
病院で医者から適応障害と告げられて休職しようとしている方や、すでに休職中の方の中には、休職中の賃金や給付金などの扱いについて、疑問を持っている方もいるでしょう。
休職期間中は、仕事のことを忘れてしっかり療養するためにも、お金にまつわる不安は取り除いておきたいものです。
本記事では、適応障害による休職期間中の賃金・給付金の扱いや、休職・復職までの流れなどについて詳しく解説します。
あわせて、給付金の申請方法や休職期間中の注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
適応障害で労災認定はなかなか認められにくいです。
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まずは、会社が実施する休職制度について基本的な事項を解説します。
休職制度とは、会社に在籍したまま一定期間の労務提供を免除する制度のことをいいます。
これは法律上の制度ではなく、個々の会社が任意に実施する制度に過ぎません。
そのため、休職制度がそもそもない会社も多数ありますし、仮にこれがある場合でも制度の内容や利用条件は個々の会社次第です。
企業が通常実施する休職制度は、従業員が業務外の傷病により就労不能の状態となった場合、一定期間の休職を認めています。
そのため、労働者が適応障害を発症し、就労困難な状態に陥った場合、休職制度を実施している会社であれば、休職が可能な場合が多いと思われます。
実際に休職制度が利用可能か、可能な場合の休職期間はどの程度か、休職中の処遇はどのようなものかについては、就労先に確認してください。
なお、休職制度を実施していない会社の場合、適応障害により就労困難となった場合、まずは会社と話し合って、今後の処遇を決めていくことになる可能性が高いです。
仮に適応障害となって就労困難となった場合は、以下3つの判断は会社側でおこないます。
適応障害は、一定のストレスが原因により発症する精神疾患とされています。
ストレスの原因には、以下のような業務上のストレスも含まれます。
このような理由で適応障害となった場合、休業補償給付などが支給される可能性があります。
適応障害などの精神疾患を理由に休職した場合、気になるのは賃金などの処遇に関することではないでしょうか。
ここでは、休職に関する手当金や制度などについて詳しく解説します。
休職中の処遇は休職制度のルール次第ですが、ほとんどの企業では休職中の賃金は支払わないものとされています。
雇用契約に基づく賃金については、「ノーワークノーペイ」という大原則があり、労務提供がないものには賃金を支払う必要がないのが原則です。
そのため、休職中の労働者は労働力を提供していないため、賃金も払われないのが通常です。
したがって、会社が休職制度のルールにおいて特段の定めを置いていない限り、休職中の労働者は賃金の支払いを受けることはできないということになります。
傷病手当金とは、健康保険の被保険者が業務外の事由による病気やけがのために就労不能となった場合に支給される給付金です。
支給期間は最長で1年6ヵ月、支給額は1日あたり標準報酬日額の3分の2とされています。
業務外の理由により適応障害を発症し、就労困難な状況となった場合、自身の健康保険組合に対して傷病手当金の支給を申請できます。
具体的な処理は、会社の人事を通じておこなうのが通常ですので、会社の担当者に確認しましょう。
なお、もし休職中でも会社から賃金が支払われるような場合は、以下のとおり傷病手当金との調整がおこなわれます。
業務上の理由で負傷したり病気になったりして就労困難となった場合、労働災害と認定されることで労基署から休業補償給付の支給を受けることが可能です。
たとえば、上司のパワハラや職場いじめが原因で適応障害になったような場合は、業務上の理由による発症と認定されて休業補償給付が支給される可能性があります。
休業補償給付の金額は「給付基礎日額の60%×休業日数」ですが、労災認定を受けた場合は休業特別支給金として「給付基礎日額の20%×休業日数」も支給されます。
これら給付の支給期間について特段定めはありませんが、療養開始から1年6ヵ月経過しても治癒しない場合でかつその時点で一定の傷病等級に該当する場合には支給が打ち切られ、以後、傷病補償年金が支給されるようになります。
会社から賃金が支給される場合、直ちに休業補償給付を受けられなくなるわけではありませんが、当該支給が賃金の60%以上であれば、会社による休業補償がされているものとして、休業補償給付が打ち切られる可能性は高いです。
なお、適応障害のような精神疾患が労災認定されるハードルは一般的に高く、「医師の診断書があるから直ちに認定される」というものではありません。
認定されるためには、業務上の負荷が適応障害を発症するに足る程度のものであった、ということが根拠資料をもって認定される必要があります。
労働者として認定を求めるのであれば、弁護士等の専門家に依頼し、労基署の調査に積極的に協力することも検討するべきでしょう。
自立支援医療制度とは、公的医療保険における医療費が3割負担から1割負担に軽減される制度のことです。
なお、所得状況などに応じて負担額には上限があり、詳しくは「自立支援医療|厚生労働省」を確認してください。
上記のような制度を利用しても生活ができないほど困窮している場合は、生活保護制度を利用できる可能性があります。
具体的な利用条件や手続きの流れなど、詳しくは「生活保護制度|厚生労働省」を確認してください。
休職中で賃金の支払いがない状態でも、社会保険料の支払い義務は免除されません。
そのため、自身の「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険(40歳以上)」などの自己負担分は、休職期間中でも支払う必要があります。
また、住民税は前年の所得に対して課税されるため、休職中に無給であっても支払い義務が生じるということがあります。
このような社会保険料や租税の支払いについては、会社ごとに対応が異なりますが、例として以下のような方法で対応している企業もあります。
傷病手当金や休業補償給付などは、会社が自動的に申請してくれるものではありません。
もし給付を受けたい方は、会社担当者にその旨を申請し、所定の処理をおこなう必要があります。
ここでは、傷病手当金や休業補償給付などの申請方法について解説します。
傷病手当金の申請方法は、以下のとおりです。
まずは、所定の「傷病手当金申請書」を作成します、
申請書は保険者(協会けんぽまたは勤務先の健康保険組合)のホームページからダウンロードできますが、会社担当者に言えば交付してもらえるのが通常です。
次に、申請書に必要事項を記載します。
労働者側の対応として必要なのは、通院先に必要書類を提出して必要な証明をもらうことでしょう。
通常の会社であれば、雇用関係に係る部分は会社側で記入してくれますし、健康保険組合への申請処理もおこなってくれます。
もちろん、会社の協力を得ながら労働者自らが申請をおこなうこともできますが、あまり一般的ではありません。
申請後は審査を経て、支給決定通知書が送られてきてから振り込まれるという流れです。
休業補償給付の申請方法は以下のとおりです。
まずは、休業補償給付に関する申請書・請求書を作成します。
申請書は労働基準監督署に備え付けられており、厚生労働省のホームページからもダウンロードできますが、会社に申請すれば交付してもらえるのが通常です。
なお、単純なけがなどの労働災害であることが明白なケースでは、会社担当者が書類作成等の処理を代行してくれるので、労働者側で対応することは少ないはずです。
一方で、精神疾患については会社が労働災害と認めないケースがほとんどであり、この場合、会社担当者の協力はあまり期待できません。
この場合は、所定の申請書を自ら作成して、労基署に提出する必要があります。
上記のとおり、適応障害などの精神疾患について労働災害として認定されるケースは稀であり、一般的に認定のハードルは高いです。
そのため、労災認定を受けようと思うのであれば、申請前から弁護士等の専門家に相談・依頼することを検討するべきでしょう。
請求書・申請書が作成できたら、労働基準監督署に書類を提出しましょう。
適応障害で休職するのであれば、休職開始から復帰までの流れを確認しておきましょう。
ここでは、業務外の理由で適応障害を発症したこと、会社に一定の休職制度が存在することを前提としています。
もし業務上の理由で休業する場合は別途検討が必要です。
病院を受診した結果、適応障害と診断されて就労不能という医師判断を得た場合、会社に対して休職制度の利用申請をおこなうことを検討することになります。
労働者が積極的に申請しなくても、その就労状況に問題を認めて就労継続に不安があると会社が判断した場合、会社から休職を命じられることもあります。
会社の休職制度を利用するにあたって、会社から医師の診断書の提出を求められることや、産業医の面談・受診を求められることもあります。
休職制度を利用するのであれば、会社から言われたことに対しては真摯に対応するべきでしょう。
会社の休職制度の利用が認められて実際に休職を開始した場合、労働者が取り組むべきことは療養および治療の専念です。
休職期間の上限は、各企業の設ける休職ルールにより異なります。
1ヵ月や3ヵ月という比較的休職期間の短い企業もあれば、半年や1年という長期の休職を認める企業もあります。
通常の休職制度では、休職期間満了日までに復調せずに復職に至らない場合には、そのまま自然退職または解雇となります。
そのため、労働者は一定の期間内に療養・回復に努め、職場復帰する必要があります。
一定の期間内に療養・回復ができるよう、休職に入った場合は極力ストレス原因を取り除き、必要な治療に専念しましょう。
休職したからといって、労働者は会社に対して何ら責任を負わなくなるわけではありません。
休職しても労使間の雇用契約は存続していますので、労働者には同契約に基づいて、会社に対する一定の責任があります。
特に、休職制度において休職中の労働者は、会社に所定の報告や連絡をおこなうことが義務付けられていることもありますので、ルールに基づいて休職しましょう。
基本的には会社から説明があるはずですが、もし疑問点があれば、適宜会社担当者に連絡して確認してください。
ここでは、休職後に復職するまでの対応について解説します。
療養・治療の結果、就労可能な状態となった場合、会社に復職したい旨を連絡する必要があります。
具体的には、医師から「就労可能である」旨の診断書を取得し、これを会社に提出して復職を希望することになります。
会社は復職の申請を受けた場合、労働者が復職可能な状態にあるかを判断・認定する必要があります。
担当主治医の診断書が信用に足るものであれば、これを前提に復職の処理がおこなわれるのが通常ですが、内容に疑義がある場合や慎重な対応を要する場合には、担当主治医に対する照会や産業医の面談・受診を求められる可能性があります。
この場合、労働者としてはやはり真摯に対応することが望ましいでしょう。
復職の可能性については、医師の判断に加えて、企業によっては復職審査のためのリハビリ出勤などをおこなっているところもあります。
企業からリハビリ出勤などの審査処理を求められた場合も、ルールに従って真摯に対応するべきでしょう。
これらの審査の結果、会社において復職可と判断する場合、休職は終了し復職となります。
この場合、復職時の職務内容は復職前の職務内容と同じであるのが通常ですが、復職前の就労状況が適応障害に一定程度寄与しているような場合には、復職にあたって一定の配転措置が講じられることもあります。
なかには、休職期間を経ても仕事に復職できないというケースもありえます。
ここでは、休職期間の満了時に復職できないときの対応などについて解説します。
通常の休職制度では、休職期間満了時に復職できない場合に自然退職または解雇となります。
休職期間満了時に客観的に復職可能な状態にない場合(具体的には雇用契約の趣旨に従った労務提供が困難な状態にある場合)、休職期間満了を理由に自然退職または解雇とすることは適法です。
しかし、適応障害のような精神疾患の場合、休職期間満了時に客観的に復職可能な状態にあるのかどうかで労使間で争いとなることは珍しくありません。
この場合は裁判になることが多いと思われますが、裁判手続で労働者側において休職期間満了時に客観的に復職可能な状態にあることが主張・立証されれば、会社による退職・解雇の処理は無効であるとして、雇用契約上の地位が認められることになります。
上記のようなケースでは、労働者が復職可能な状態にあると認められるか、認められるとして会社に対してどのように協議・交渉をおこなうべきか、認められない場合に会社に対してどのような対応をおこなうべきかなど、検討するべき事項が多くあります。
この場合、通常は弁護士のサポートを受けなければ対応困難と思われます(会社の指示に従って処理するのであれば別ですが、会社と争うのであれば弁護士のサポートは必須でしょう)。
したがって、このような場合には弁護士に相談し、どのように対応するべきかアドバイスを受けるべきでしょう。
労使間で協議しても復職可否についての見解の溝が埋まらず、自身の意に沿わない自然退職・解雇などの扱いをされてしまった場合には弁護士に依頼し、会社に対して訴訟提起して当該退職・解雇の効力を争うなどの対応をおこなうことも検討するべきでしょう。
訴訟の結果、復職可能な状態であったと認定されれば、退職・解雇は無効となり、復職可能時期以降に不就労期間中の賃金の支払いを受けることができます。
会社に復職措置を講じるよう求めることもできるため、弁護士に相談することも視野に入れておきましょう。
適応障害のような精神疾患により就労困難な状態に陥った場合、休職制度を設けている会社であれば、会社のルールに従って休職制度を利用できるのが通常です。
休職制度を利用したことでトラブルとなることは少ないです。
他方、休職後に復職する場合に会社とトラブルとなるケースは少なくありません。
もし、復職にあたって会社と見解の相違があり、争いとなりそうなのであれば、早めに弁護士に相談して、どのように対応するべきかアドバイスを受けるべきでしょう。
会社が復職を認めず、退職・解雇となってしまった場合には、弁護士に依頼して会社との間で訴訟手続をおこなうことも検討してみてください。
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