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転職する際に職業欄に記載する「自己都合退職」と「会社都合退職」。一見、なんら変わりのないことだと思っていた方も多いでしょう。
しかし、自己都合退職と会社都合退職には雲泥の差があります。
例えば、失業手当です。条件にもよりますが、自己都合退職と会社都合退職では貰える額が、150万円以上変わってくる場合があります。
今回は、自己都合退職と会社都合退職の違いや、退職の形についてのご説明をします。
まず、自己都合退職と会社都合退職の違いをご説明します。
自分から辞めた場合は自己都合退職。会社から解雇にあった場合は会社都合退職という違いはなんとなくお分かりでしょう。
簡単にいえば、従業員自ら退職届けを提出して辞めた場合は、自己都合退職となります。履歴書には「一身上の都合により退職」と記載します。
会社都合退職とは、従業員の意思とは関係なく、会社の倒産、人員削減、退職勧奨などで解雇・退職した場合の事を言います。履歴書には「会社都合により退職」と記載します。
メリットというほどのメリットではありませんが、自己都合退職の場合、転職の際、退職理由で波風を立てず済ませることが出来るでしょう。(何度も自己都合退職を繰り返していなければ)
反対に、会社都合退職になると、面接を受けた会社にもよりますが「会社都合により退職」と履歴書に書かれていると、「何があったんだ」と勘ぐられる事があります。
人員削減のリストらの場合でも、「能力が低いから解雇されたんだ」と、判断される可能性も出てきてしまいます(これは、担当人事次第ですが)。
一方、会社都合退職でのメリットは、なんといっても失業手当の手厚さです。冒頭でご説明しましたが、場合によっては、貰える失業手当の金額が150万円変わるケースが出てきます。
また、失業保険の給付も早く、退職後すぐに給付されることとなります。まさに、急に仕事を失った際の大きな助けとなります。
【関連記事】会社都合退職とは|知らないと怖い会社都合のデメリットと自己都合との違い
それでは、もう少し詳しく自己都合退職と会社都合退職の失業保険の違いについての解説を進めていきます。まずは、失業手当が受け取れる条件から行きましょう。
失業保険は、退職した人だれでも受け取れる訳ではありませんし、自動的に受け取れるものでもないので、条件を満たしていることと、申請が必要となります。
失業手当は、退職から次の就職までの生活の保障が目的ですので、本人が働けなかったり、働く気がないと給付されません。例えば、大きな怪我や妊娠中などは、失業手当ではなく、別の手当が受けられるでしょう。
失業手当を受けるにあたって、積極的に求職活動を行っていなければなりません。「もう就職先が決まっていて、しばらく期間がある」や「収入が無いけど起業の準備をしている」「実家に戻り、家事に専念している」ような場合は認められません。
失業手当は、過去の雇用保険の加入により支払われます。過去2年間で12ヶ月(会社都合の場合は6ヶ月)以上加入していなければ、認められません。ここがまず、自己都合退職と会社都合退職の違いです。
失業手当を受けるにはハローワークへの申請が必要になります。必要書類等は以下のようになります。
離職票2種類(前職で貰えます)
雇用保険被保険者証(退職時に貰います)
印鑑
写真(縦3cm×横2.4cm)
普通預金通帳(本人名義、一部のハローワークはキャッシュカードでも可)
本人確認証(写真付き)
失業手当の申請が通れば、失業保険が給付されます。自己都合退職と会社都合退職で貰える金額の違いについては、まず、日毎の支給額(だいたい5,000円程度)には変わりはありません。
しかし、給付日数に大きな違いがあります。簡単にまとめると以下のようになります。
自己都合退職 |
会社都合退職 |
|
給付残日数 |
90~150日 |
90~330日 |
給付までの3ヶ月待機 |
あり |
なし |
最短給付開始日 |
3ヶ月7日後 |
7日後 |
国民健康保険 |
通常納付 |
最長2年間軽減 |
特に、給付開始日数について、自己都合退職は給付待機期間があるため、3ヶ月後と、必要な時に支給されない形になっています。更に、その後休職期間が長引いた際は、会社都合退社だと1年近く給付されます。
更に、国民健康保険料の軽減もあり会社都合退社は退職後の保障がしっかりされています。
次の職場への転職がスムーズに行くようであれば、そこまで気にならないかもしれませんが、再就職が難しくなってくる40代50代の方は、特にシビアに考える内容ではないでしょうか。
会社都合退社といえば、リストラや倒産などが主なイメージとしてあります。
しかし、一般的な解雇も会社都合退社に当たります。しかし、会社が従業員を解雇にするには、相当な条件を満たしていないと出来ません。
そこで、もし、「気に入らない従業員がいる」や「優秀な人材と入れ替える」といった、安易な理由で従業員を辞めさせようとする場合、従業員自ら自己都合退職させるような手口を使ってくることがあります。
例えば、「会社都合退職だと再就職に不利だから退職届にサインして自己都合退職にしたが良いよ」といった内容です。
この事を、退職勧奨と言い、従業員も会社の意図に気づかないうちに、自己都合退職になってしまいます。
決して簡単に自己都合退職せず、慎重に対処して下さい。
もしも、既に自己都合退職で退職された方がいても、自己都合退職から会社都合退職に変えられる場合があります。
失業手当の違いを知り「会社都合退職が良いじゃないか」と思った方、まだチャンスはあります。
以下の項目に当てはまるようであれば、自己都合退職から会社都合退職に切り替えられます。
失業手当の申請に行く際にハローワークへ行きますが、その際に、以下の事実に該当するので、「自己都合退職から会社都合退職に変えられませんか?」と相談してみてください。
いわゆる会社の倒産です。この場合は、会社都合となっていることがほとんどでしょう。
いわゆる会社のリストラのことです。この場合も、会社都合とされることも多いのですが、「退職金などを増額するから退職したい人はいないか?」という、希望退職者は、自己都合退職になります。
意外に、知られていないことがこの会社都合退職の理由です。
ならば、「辞めてやろう」と考えた方もいるでしょう。
この場合、一見自己都合退職と思われますが、あまりにも採用条件とかけ離れていることが認められれば、会社都合退職に変更されます。
この場合は、採用条件を記した求人票や、実際の状況が分かるタイムカードや記録などの証拠があるとスムーズに認められます。
会社の経営が苦しくて給料が払われていない、大幅に減ったので、見切りを付けて辞めた場合も上記のように会社都合退職とされることがあります。
実は失業手当の条件が変わるのは「特定受給資格者」と認定されるからです。
ですので、何も会社都合退社だけが失業手当の条件が変わるという訳ではありません。
例えば、「肉体労働で、身体を壊したから事務職に転職した」ような場合も、特定受給資格者に認められる可能性は出てきます。
同じく、両親の病気や死亡で、実家近くで仕事をしなくてはならなくなったような場合も、特定受給資格者と認められる可能性があります。
自己都合退職と会社都合退職の大きな違いは、失業手当の違いです。
一度、自分の場合、どちらが良いのかを考えなおしてみましょう。また、会社は従業員に自己都合退職にするために不当な手段を使ってくる可能性もあります。
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ただし、解雇の不当性は弁護士を通じて正しく立証する必要があります。
不当解雇を防ぐために自己都合退職を迫る、「退職勧奨」の手口です。
会社から退職を勧められたとしても、それに従う必要はありません。今の会社に残りたいと考えるならば、拒み続けても問題ありませんので、安易に退職届にサインをするのは控えましょう。
それでもパワハラなどを絡めて退職を強要してきた場合には、損害賠償を請求できる可能性が生じますので弁護士に相談するのも一つの手です。
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就業規則に明記されていない限り、会社が何らかの事由によって懲戒解雇処分を通知することは出来ません。まずは会社の就業規則を確認しましょう。
また、重大な犯罪行為や重大な経歴詐称など、著しく重要な問題に抵触しない限り懲戒解雇を受けることはありません。
会社の裁量基準に納得がいかず、撤回を求めたい方は早急に弁護士に相談しましょう。
前提として、企業は求職者を採用する際に長期契約を念頭において雇用契約を結ぶため、試用期間を設けられたとしても「向いてなさそうだから…」や「なんか気にくわない…」という理由で一方的に解雇することは出来ません。
もし解雇に妥当性がないと言い張る場合は、解雇の撤回を要求するか、解雇されなかった場合に受け取れるであろう期待未払い賃金の請求が可能です。