会社が労働員を解雇する場合には、適切な解雇理由が必要です。
しかし、労働者の無知を利用して、理不尽な理由で解雇をしてくる会社も存在します。
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弁護士に相談すれば、以下のようなメリットを得られます。
- 自身の解雇理由が適切かどうかわかる
- 損害賠償を請求できるかわかる
- 不当に解雇されずに済む可能性が高まる
- 自分で会社と交渉せずに済む
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リストラや不当解雇した会社に対して、『裁判を起こしたい』『訴えたい!』と考える方も多いのではないでしょうか。裁判まで検討されている方は、すでに会社との話し合いによる解決は望めない状態かもしれません。
どのような理由で解雇に至ったのか、
このような理由で解雇されたのだと思うと、怒りも湧いてくるかと思います。ただ、初めにお伝えしておくと、会社に対して裁判を起こすことは想像以上の労力で、費用もかかります。
本記事では、不当解雇裁判に関わる手続きやかかる期間などについて解説しています。もしあなたの想いが強く、それでも会社を訴えたいという場合は、参考にしてください。
会社が労働員を解雇する場合には、適切な解雇理由が必要です。
しかし、労働者の無知を利用して、理不尽な理由で解雇をしてくる会社も存在します。
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不当解雇をされて裁判をおこす際、あなたがどのような結果を望んでいるかにもよりますが、裁判に発展している場合は『会社に戻る』という選択は法的にはともかく、現実的には難しい部分もあります。
裁判所に『地位確認等請求』を行い、解雇が無効という判断となれば、復職は可能です。しかし、復職までの時間がかかることや一度解雇されたことを踏まえると、実際に復職して在籍し続けるケースは多くありません。
そのため、不当解雇事案では、不就労期間中の賃金などを請求することで解決しているケースが大半です。
そもそも解雇予告(かいこよこく)とは、使用者が労働者を解雇する際、『少なくとも30日前には使用者に対して解雇する旨を通知する義務(労働基準法第20条)』のことで、もし30日前に解雇予告がなかった場合、使用者は30日分以上の平均賃金を支払う義務を負います。これを解雇予告手当と呼びます。
(解雇の予告)
第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
引用元:労働基準法第20条
【関連記事】解雇予告手当の算定方法
原告が被告に雇用されていたところ、理由もなく解雇されたとして解雇予告手当相当分の金員及び解雇が不法行為に該当するとして不法行為に基づき慰謝料を請求した事案において、被告による告知によって解雇の意思表示と評価するのが相当であり、原告が「それなら自分から辞めます。」と答えたとしても、これをもって原告による辞職の意思表示であるとか自主退職と評価することは出来ないとして、解雇予告手当の支払請求を認めるとともに、被告による解雇はなんら理由なくされたものであり不法行為を構成するとして慰謝料10万円、解雇予告手当27万円を認めた事例 |
主文要約 被告は,原告に対し,37万5437円を支払え。 |
裁判年月日 平成21年 8月13日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平21(ワ)9515号 事件名 解雇予告手当等請求事件 裁判結果 一部認容 Westlaw Japan文献番号 2009WLJPCA08138001 |
突然解雇された理不尽な扱いに対して解雇無効を主張し、無効となった期間の未払い賃金を請求する方法です。
被告の従業員であった原告が、被告に対し、被告の代表取締役が行った不当解雇により著しい生活上の不利益を被ったとして不法行為に基づく損害賠償、解雇予告手当及び未払賃金等の各支払を求めた事案において、何ら解雇を回避する方法・手段の有無が検討されないまま行われた本件解雇は、余りに性急かつ拙速な解雇というよりほかなく、労働契約法16条にいう「客観的に合理的な理由」はもとより、社会通念上も「相当」と認められないことは明らかであって、著しい解雇権の濫用行為に当たるなどと判示して、請求を一部認容した事例 |
裁判年月日 平成23年11月25日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平23(ワ)303号 事件名 損害賠償等請求事件 裁判結果 一部認容 Westlaw Japan文献番号 2011WLJPCA11258006 |
このような場合、不就労期間中の賃金とは別に、精神的な損害について慰謝料の請求ができる可能性があります。
一般的には不当解雇=慰謝料ということはなく、慰謝料請求位ができるのは賃金では補填されないような精神的損害が発生したと認められる場合に限られます。
しかし、そのような場合でも不当解雇による慰謝料だけでみれば50万円〜100万円前後で決着する事案が多く、それほど多額とはなりません。
そのため、不当解雇事案では不就労期間中の賃金請求が認められるかどうかが重要となります。
社長の女性従業員に対する性的嫌がらせと不当解雇について不法行為の成立を認め、社長個人と共に会社(民法四四条一項)も責任を負うとされた事例 |
主文要約 被告らは、原告に対し、各自金100万円及びこれに対する平成七年三月八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。 |
裁判年月日 平成 9年 2月28日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平7(ワ)11838号 事件名 損害賠償請求事件 上訴等 確定 Westlaw Japan文献番号 1997WLJPCA02280006 |
不当解雇については裁判で争うという方法もありますが、裁判とせずに話合いにより解決するという方法もあります。訴訟提起すべきかどうかは、諸般の事情を総合的に考慮して決定すべき問題ですが、例えば以下のような点を考慮することになります。
なお、解決金についてはあくまで話合いによる金額であるため決まった金額はありません。しかし、一般的には以下のような水準に落ち着くと思われます。
労働事件を裁判に訴える際、初めから順序立てて説明すると主に下記のように進みます。
1 |
解雇理由証明書を請求 |
そもそも不当解雇といえるのかどうかを判断するために、使用者に対して解雇理由証明書の交付を求める。 |
|
2 |
解雇無効の請求書を送付 |
解雇に正当かつ客観的な理由がない場合、使用者に対して解雇無効とする撤回の書面を送付。 |
|
3 |
手続外での交渉 |
労働者側の主張と会社側の主張を突き合わせて、話合いでの解決が可能かどうか模索。 |
|
4 |
労働審判の手続き |
不当解雇の訴訟(裁判)を行う前に、解雇無効(地位確認)を求める労働審判という手続もあります。原則3回の審判で訴訟判決と同等の効力が得られる結果がでるので、金銭的解決を望んでいる場合は労働審判もおすすめです。労働審判で決定が出れば、これをもって解決とする場合もあります。 |
|
5 |
訴訟(裁判) |
不当解雇について徹底的に争いたいという場合は、訴訟提起を行うのが一般的です。 |
|
6 |
判決 |
使用者側、労働者側の主張・立証が出尽くしたら、裁判所から判決が言い渡されます。事案によりますが、通常は1年以上かかります。 |
|
7 |
不服申立てか確定 |
第一審の判決に異議がある場合、判決書の送達から2週間以内に『控訴』することが可能です。控訴審の判決は控訴から半年程度でくだされますが、この判断にも不服の場合は『上告』が可能です。もっとも、最高裁が事件を受理する可能性は非常に低いです。 |
これらの他にも、『少額訴訟』という請求額が60万円以下の場合に利用できる手続きや、使用者側と調停委員を交えて裁判所で話し合う『民事調停』がありますが、現段階ではあまり有効な手段ではありませんので、除外しています。
また、裁判単体の流れとしては下図のように進んでいきます。
参考:裁判所
自分一人で労働審判や裁判をたたかうこともできますが、使用者と対等かそれ以上の立場で争うためにも、法律の専門家である弁護士の協力は必要不可欠でしょう。
解雇無効を争うだけではなく、慰謝料や賃金請求をするのであれば、請求金額に対する客観的な事実が必要になります。
まずは、労働問題全般や不当解雇に詳しい弁護士に相談し、現在の状況についてアドバイスをもらうのが賢明です。
不当解雇を理由に慰謝料や賃金請求する際、解雇の違法性やなぜ無効なのか、どうしてその額の慰謝料を請求したのか、そして不法行為性を立証する証拠が必要になります。どのような証拠が必要かは労働者の状況次第ですが、共通して以下のようなものが必要になります。
不当解雇の主張に対して、会社から「労働者の任意退職である」「退職勧奨はしたが、不当に解雇はしていない」と主張されることがあります。解雇通知書は、会社から労働者に対する明確な解雇の意思表示であるため、このような主張に対して有効な証拠となります。
不当解雇か否かは、結局は、解雇の理由が、合理的でかつ社会通念上相当であるかどうかにつきます。そのため、会社が解雇理由を特定する解雇理由証明書は不当解雇を争う訴訟で極めて重要です。
例えば、
解雇理由証明書があれば、上記のいずれに該当するかを即時に判断できます。
裁判の訴えを起こすには、原告又は弁護士(訴訟代理人)が裁判所に「訴状」を書いて提出する必要があります。原告側は訴状にどのような判決を望むのか、裏付ける事実を記載し、手数料として定められた収入印紙代を貼付して提出します。
法的手続としては『労働審判』もありですが、『解雇権濫用法理:使用者の解雇権の行使も、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になる考え』についてある程度知識がないと、適切に手続を遂行することは難しいかもしれません。
【関連記事】解雇と不当解雇の判断基準|不当解雇にあった場合の対処法
なお、裁判所は、適切な主張、立証の観点から労働審判手続についても弁護士への依頼を推奨しています。
Q. 労働審判手続を申し立てるには,弁護士を頼まなければならないのですか。
A. 労働審判手続の申立てについては,弁護士に依頼することなく,自分で行うことができます。
もっとも,労働審判手続は,当事者間の権利関係を踏まえた上で事案の実情に即した解決を図る手続であり,原則として3回以内の期日で審理を終結することになるため,申立ての段階から十分な準備をして,充実した内容の申立書と必要な証拠を提出することが重要です。また,当事者双方は,期日において口頭で言い分を述べることが原則とされていますから,申立人は,相手方から提出される答弁書や証拠をしっかりと検討し,期日において的確な主張(言い分)を述べ,証拠を提出することが重要です。
弁護士に依頼するかどうかは,最終的には,自分の意思で決めていただくことになりますが,上記のように,申立ての段階から十分な準備をし,期日において状況に応じた的確な主張,立証を行うためには,必要に応じて,法律の専門家である弁護士に依頼することが望ましいでしょう。
引用元:裁判所
以下は訴訟提起をする場合の流れです
裁判所法及び民事訴訟法等が定めるところにより,土地管轄と事物管轄を有する裁判所が管轄裁判所になります。
参考:裁判所
裁判官が訴状を審査し、形式上不備がなければ『口頭弁論期日』を指定します。不備があった場合は原告に対して補正が命じられます。
口頭弁論には、原告・被告(又はこれらの訴訟代理人)が出頭し、事前に裁判所に提出した準備書面を陳述し、証拠を提出します。
書面での主張・立証が尽きてくると裁判所から訴訟上の和解を検討できないか打診されるのが一般的です。仮に和解が難しいという場合は、最後に証人尋問を実施して、弁論を終結し、判決へと進みます。
裁判所から判決があり、これが確定すれば強制執行が可能です。なお、判決で『仮に執行することができる』という宣言が付けられた場合は確定前でも強制執行手続が可能です。
第一審の判決に不服がある場合、『判決送達日から2週間以内』に『控訴』することができます。第二審判決にも不服があれば『上告』という流れになります。
裁判時には申立て時に請求する額に対する手数料が発生します。
手数料(円) |
訴えの提起(円) |
労働審判手続(円) |
10万まで |
1,000 |
500 |
20万 |
2,000 |
1,000 |
30万 |
3,000 |
1,500 |
40万 |
4,000 |
2,000 |
50万 |
5,000 |
2,500 |
60万 |
6,000 |
3,000 |
70万 |
7,000 |
3,500 |
80万 |
8,000 |
4,000 |
90万 |
9,000 |
4,500 |
100万 |
10,000 |
5,000 |
500万 |
30,000 |
15,000 |
1,000万 |
50,000 |
25,000 |
参考:裁判所|手数料額早見表
また、弁護士に依頼した場合は…
相談料の相場としては【1時間当たり1万円】です。最近は初回相談無料の弁護士事務所もあります。
着手金の相場としては【10~20万円程度】です。相談料と同様、着手金がかからない弁護士事務所もありますが、会社に対して金銭を請求する場合、請求額の10%程度の着手金を設定している事務所もあります。
成功報酬の相場としては着手金より少し高めの【30万円前後】です。こちらも賃金請求が成功となった場合、請求額の10%〜15%前後に設定している事務所もあります。
【関連記事】不当解雇の撤回を弁護士に依頼した場合の費用相場
不当解雇に関する裁判の流れは以上です。
ここまでの内容をまとめると下記のようになります。
裁判で請求できること |
|
裁判のスケジュール |
だいたい半年から1年強 |
裁判費用 |
■手数料
■弁護士費用 相談料:1万円/時,無料 着手金:10~20万円程度、無料もあり 成功報酬:30万円前後、請求額の10%〜15%前後 |
弁護士の必要性 |
弁護士に依頼することなく,自分で行うことができるが、申立て段階からの十分な準備と、状況に応じた的確な主張・立証には弁護士への依頼を推奨。 |
現在もめていても必ずしも裁判まで発展するとは限りません。会社側も社会的信用のために、裁判はできる限り避けようとします。
なので、できるだけ時間や費用を抑えたい人は、弁護士に他の解決方法がないか相談してみましょう。
もめごとが複雑になってしまうと裁判でしか解決できなくなってしまうため、早めの対応をおすすめします。
会社が労働員を解雇する場合には、適切な解雇理由が必要です。
しかし、労働者の無知を利用して、理不尽な理由で解雇をしてくる会社も存在します。
自身の解雇に納得がいかない方は、弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に相談すれば、以下のようなメリットを得られます。
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不法な解雇により労働者に不利益が生じた場合、労働者は企業相手に慰謝料請求を行うことが出来ます。
その際請求が出来るのは、解雇されたことにより受け取れなかった期待賃金になります。
ただし、解雇の不当性は弁護士を通じて正しく立証する必要があります。
不当解雇を防ぐために自己都合退職を迫る、「退職勧奨」の手口です。
会社から退職を勧められたとしても、それに従う必要はありません。今の会社に残りたいと考えるならば、拒み続けても問題ありませんので、安易に退職届にサインをするのは控えましょう。
それでもパワハラなどを絡めて退職を強要してきた場合には、損害賠償を請求できる可能性が生じますので弁護士に相談するのも一つの手です。
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上層部の私情によるものや、勤務態度や成績に依存しないリストラは認められないと定められています。
就業規則に明記されていない限り、会社が何らかの事由によって懲戒解雇処分を通知することは出来ません。まずは会社の就業規則を確認しましょう。
また、重大な犯罪行為や重大な経歴詐称など、著しく重要な問題に抵触しない限り懲戒解雇を受けることはありません。
会社の裁量基準に納得がいかず、撤回を求めたい方は早急に弁護士に相談しましょう。
前提として、企業は求職者を採用する際に長期契約を念頭において雇用契約を結ぶため、試用期間を設けられたとしても「向いてなさそうだから…」や「なんか気にくわない…」という理由で一方的に解雇することは出来ません。
もし解雇に妥当性がないと言い張る場合は、解雇の撤回を要求するか、解雇されなかった場合に受け取れるであろう期待未払い賃金の請求が可能です。