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パワハラ被害者の中には、労働基準監督署への相談を考えている方もいるでしょう。
ただし、労働基準監督署はあらゆる労働問題に対応しているわけではなく、パワハラのみの相談に関しては基本的に管轄外となります。
パワハラ被害で悩んでいるなら、社内窓口や弁護士などの労働基準監督署以外の相談窓口を検討しましょう。
本記事では、パワハラに関する労働基準監督署の対応や相談可能な労働問題、労働基準監督署以外の相談窓口や、パワハラ問題が解決するまでの流れなどを解説します。
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結論として、労働基準監督署ではパワハラ問題の解決は困難です。
労働基準監督署が介入するのは、基本的に労働基準法違反や労働安全衛生法違反などの法律違反が絡む問題に限られます。
したがって、上記のような法律違反が絡まないパワハラのみの相談に関しては、管轄外となるのが通常です。
以下では、労働基準監督署の役割や特徴などについて解説します。
労働基準監督署とは、会社が労働関係法令を守って事業活動をおこなっているか監督し、違反企業に対しては調査・指導などをおこなう行政機関のことです。
正式名称は労働基準監督署で、通称「労基署」や「労基」などと呼ばれることもあります。
厚生労働省の出先機関として全国に321署設置されており、それぞれの所在地や連絡先は「全国労働基準監督署の所在案内|厚生労働省」から確認できます。
労働基準監督署では、窓口・電話・メールなどの手段で労働者からの相談や通報を受け付けており、匿名でも利用可能です。
労働基準監督署に相談・通報する場合の流れや相談前の注意点など、労働基準監督署の利用方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
労働基準監督署内には「総合労働相談コーナー」という相談窓口が設置されています。
基本的に労働基準監督署ではパワハラのみの相談は管轄外となりますが、総合労働相談コーナーではあらゆる分野の労働問題に対応しており、パワハラの相談も受け付けています。
総合労働相談コーナーは全国378ヵ所に設置されており、それぞれの所在地や連絡先は「総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省」から確認できます。
総合労働相談センターの対応内容や相談前の注意点など、総合労働相談センターの利用方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
全国の労働基準監督署や労働局に設置されている総合労働相談コーナーでは、会社でのパワハラ被害について主に以下のような対応が望めます。
ここでは、パワハラ問題での総合労働相談コーナーの対応内容について解説します。
総合労働相談コーナーを利用すれば、パワハラ問題の解決方法についてアドバイスしてくれたり、問題解決のために役立つ情報を提供してくれたりします。
専門の相談員が面談・電話で対応してくれて、無料かつ予約不要で利用可能です。
直接的に問題を解決してくれるわけではありませんが、相談員から具体的な今後の道筋を示してもらうことで適切な対処が可能となり、結果的に解決につながる可能性があります。
総合労働相談コーナーでは、パワハラ被害者に対するアドバイスだけでなく、必要に応じて労働局への取り次ぎもおこなってくれます。
労働局とは、労働基準監督署の上部にあたる機関で、全国47都道府県に設置されています。
会社と従業員の間で起きたトラブルの解決をサポートしてくれて、パワハラ問題について会社へ助言・指導をおこなってくれる場合もあります。
労働局長による助言・指導がおこなわれることで、会社側の対応が変わり、解決につながる可能性があります。
上記のほかにも、紛争調整委員会によるあっせん手続きが案内される場合もあります。
紛争調整委員会とは、弁護士や大学教授などの学識経験者によって構成されている委員会で、各都道府県の労働局に設置されています。
あっせん手続きでは、紛争調整委員会が公正中立の立場として間に入り、当事者双方の意見の聞き取りや意見調整をおこなうなどして、話し合いでの解決を目指します。
紛争調整委員会を介してやり取りが進行するため、お互いに冷静な状態で話し合いを進めることができ、解決につながる可能性があります。
労働基準監督署は、全ての労働問題に対応しているわけではなく、なかには期待通りに動いてくれない場合もあります。
ここでは、労働基準監督署に相談できる労働問題・相談できない労働問題について解説します。
労働基準監督署は、労働基準法違反や労働安全衛生法違反などの法律違反が絡む問題であれば基本的に対応してくれます。
一例として、以下のような相談であれば労働基準監督署による対応が望めます。
上記のいずれかに該当する場合でも、匿名で相談したり電話で相談を済ませたりすると、緊急性が低いと判断されて対応を後回しにされることもあります。
また、十分な証拠が揃っていない状態で相談した場合は、一切動いてくれないおそれもあります。
労働基準監督署は、上記のような法律違反が絡まない問題については基本的に対応してくれません。
一例として、以下のような相談に関しては労働基準監督署の管轄外となります。
会社でパワハラの被害に遭った際は、労働基準監督署以外への相談を検討しましょう。
パワハラに関する主な相談窓口としては、以下の5つがあります。
| 相談窓口 | こんな人におすすめ |
| ①会社のハラスメント相談窓口 | 社内だけで穏便にパワハラ問題を解決したい場合 |
| ②弁護士 | 問題解決に向けた具体的なアドバイスやサポートを受けたい場合 |
| ③法テラス | 弁護士への相談・依頼を検討しているものの、弁護士費用を支払う余裕がない場合 |
| ④こころの耳 | パワハラ被害で疲弊しており、メンタルケアが必要な場合 |
| ⑤みんなの人権110番 | 人権侵害するようなパワハラを受けた場合 |
ここでは、各相談窓口の特徴やサポート内容などを解説します。
「なるべく社内だけで穏便にパワハラ問題を解決したい」という場合は、社内に設置されている相談窓口を利用しましょう。
改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の施行により、大企業の場合は2020年6月から、中小企業の場合は2022年4月から相談窓口の設置が義務付けられました。
社内窓口に相談すれば、パワハラ被害者・加害者・関係者への聞き取り調査などがおこなわれたのち、加害者に対する指導や配置転換などの措置を取ってくれる可能性があります。
ただし、なかには相談しても思うように動いてくれなかったり、相談者の情報が社内に漏れたりするおそれもあり、必ずしも問題解決につながるとはかぎりません。
「社内ではパワハラ問題の解決が難しく、的確なアドバイスやサポートを受けたい」という場合は、弁護士への相談がおすすめです。
弁護士なら、パワハラに該当するかどうか法的視点から判断してくれるうえ、パワハラの証拠集め・内容証明郵便の作成・裁判手続きなどの各手続きをサポートしてくれます。
相談者・依頼者の味方として法律知識を駆使して尽力してくれるため、素人が自力で対応するよりも迅速かつ納得のいく形での解決が望めます。
今すぐ信頼できる弁護士を探したいなら、当サイト「ベンナビ労働問題」がおすすめです。
パワハラ問題を得意とする全国の弁護士を掲載しており、お住まいの地域から対応可能な弁護士を一括検索できるので、初めての方でもスムーズに相談先を探せます。
「パワハラ問題について弁護士の力を借りたいものの、弁護士費用を支払う余裕がない」という場合は、法テラスの利用がおすすめです。
法テラスとは、法律問題の解決をサポートする目的で設置された公的機関です。
法テラスのサポートダイヤルでは問題解決に役立つ法制度や相談機関などの紹介が受けられるほか、経済的に困窮している方に対しては「民事法律扶助制度」を実施しています。
民事法律扶助制度では、弁護士との無料法律相談(30分×3回まで)や依頼費用の一時立替えなどが利用でき、すぐにはお金を準備できない方でも速やかにサポートが受けられます。
注意点として、民事法律扶助制度には収入基準や資産基準などの利用要件が定められており、詳しくは「民事法律扶助業務|法テラス」をご覧ください。
| 名称 | 法テラス(日本司法支援センター) |
| 相談料 | サポートダイヤル:無料 弁護士や司法書士への法律相談:30分×3回まで無料(利用条件あり) |
| 相談方法 | 面談 電話 メール など |
| 受付時間 | サポートダイヤル:平日9時00分~21時00分、土曜9時00分~17時00分 メール:24時間受付 事務所窓口:詳しくはこちら |
| 所在地 | 地域によって異なる (詳しくはこちら) |
| 電話番号・連絡先 | サポートダイヤル:0570-078374 メール:詳しくはこちら 事務所窓口:詳しくはこちら |
| 公式ホームページ | https://www.houterasu.or.jp/ |
「パワハラを受けて精神的に辛い状態にあり、メンタルケアが必要」という場合は、こころの耳を利用するのがおすすめです。
こころの耳とは、労働者向けのメンタルヘルス・ポータルサイトです。
産業カウンセラーなどの専門家が職場での悩み相談に乗ってくれるほか、メンタルヘルスケアに役立つ情報提供なども受けられます。
パワハラ問題を直接的に解決してくれるわけではありませんが、現在抱えている悩みや不安が和らいで、前向きな気持ちへと切り替えられるでしょう。
| 名称 | こころの耳 |
| 相談料 | 無料 |
| 相談方法 | 電話 メール SNS など |
| 受付時間 | 電話:平日17時00分~22時00分(受付は21時50分まで)、土日10時00分~16時00分(受付は15時50分まで) メール:24時間受付 SNS:平日17時00分~22時00分(受付は21時30分まで)、土日10時00分~16時00分(受付は15時30分まで) |
| 電話番号・連絡先 | 電話:0120-565-455 メール:詳しくはこちら SNS:詳しくはこちら |
| 公式ホームページ | https://kokoro.mhlw.go.jp/ |
「お前は役立たずな人間だ」「会社にとって要らない存在だ」などの人権侵害に該当し得るパワハラを受けた場合は、みんなの人権110番への相談が有効です。
みんなの人権110番とは、人権侵害の悩みに対応している電話相談窓口です。
法務局職員・人権擁護委員が悩み相談に対応しており、気軽に電話でアドバイスが受けられます。
なお、相談内容によっては、会社への調査・説示・勧告などの救済措置を講じてくれる場合もあり、救済措置を受けることでパワハラ問題の解決につながる可能性があります。
| 名称 | みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル) |
| 相談料 | 無料 |
| 相談方法 | 電話 |
| 受付時間 | 平日8時30分~17時15分 |
| 電話番号・連絡先 | 0570-003-110 |
| 公式ホームページ | https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken20.html |
会社でパワハラ被害に遭った際は、以下のような流れで対応するのが一般的です。
ここでは、パワハラ問題の相談をして解決するまでの流れについて解説します。
まずは、相談前の準備としてパワハラの証拠を集めておきましょう。
パワハラ加害者に対して責任追及などをおこなう場合、基本的には被害者側がパワハラの事実を立証する必要があります。
具体的には、以下のようなものがパワハラの証拠として有効です。
パワハラ被害について相談する際は、まずは社内窓口の利用を検討しましょう。
社内の人事部・総務部・コンプライアンス部門など、設置場所は会社によって異なります。
社内窓口に相談すれば、外部の相談窓口や複雑な裁判手続きなどを利用せずに解決に至る場合もあります。
もし会社側の対応が消極的で解決が難しそうであれば、外部の相談窓口を利用しましょう。
社内ではパワハラ問題の解決が難しい場合は、外部の相談窓口を利用しましょう。
「【ケース別】労働基準監督署以外のパワハラの相談窓口5選」で解説したとおり、パワハラに関する相談窓口は多くあり、状況に応じて最適な相談先は異なります。
現在の状況や自分の希望などを踏まえて、自分に合った相談窓口を選ぶことが大切です。
パワハラ問題で会社が動いてくれない場合、パワハラの被害内容や環境改善を求める旨などを記載した「ハラスメント差止要求書」を会社に送付するという方法もあります。
ハラスメント差止要求書を送付することで、自分の本気度が会社側に伝わり、解決に向けて動いてもらえる可能性があります。
なお、ハラスメント差止要求書を送付する際は、内容証明郵便の利用がおすすめです。
内容証明郵便とは「いつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を送付したのか」を郵便局が証明してくれるサービスのことです。
内容証明郵便を利用すれば「そのような書類は受け取っていない」という言い逃れを防止できますし、裁判時には証拠として効力を持つなどのメリットもあります。
直接やり取りしても解決が見込めない場合は、裁判手続きに移行しましょう。
主な裁判手続きとしては「労働審判」や「民事訴訟」などがあり、まずは民事訴訟以外の裁判手続きで解決を目指すのが一般的です。
労働審判では、裁判所にて労働審判委員会を介して話し合いをおこない、原則3回以内の期日で審理終了となりますが、解決に至らなかった場合は訴訟に移行します。
民事訴訟では、裁判所にて当事者双方が証拠を用いるなどして主張立証を尽くし、最終的には裁判官による判決または和解となって決着が付きます。
各手続きの詳しい流れについて知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
ここでは、労働基準監督署やパワハラに関するよくある質問について解説します。
パワハラについて労働基準監督署に相談しても、基本的には動いてくれません。
労働基準監督署が介入するのは、基本的に労働基準法違反や労働安全衛生法違反などの法律違反が絡む問題に限られます。
上記のような法律違反が絡まないパワハラのみの相談に関しては、管轄外という扱いになるのが通常です。
労働基準監督署では、匿名での相談も受け付けています。
氏名を明かさずに電話相談することも可能ですし、「労働基準関係情報メール窓口送信フォーム|厚生労働省」から氏名欄を記入せずに送信すれば、匿名でのメール相談も可能です。
なお、労働基準監督署に相談しても、基本的には会社にバレることはありません。
労働基準監督官には守秘義務が定められており、通報者に関する情報を外部に漏らすことは禁止されています(労働基準法第105条)。
状況に応じて最適な相談先は異なりますが、まずは社内窓口に相談するのがよいでしょう。
社内窓口に相談すれば、外部の相談窓口や複雑な裁判手続きなどを利用せずに解決に至る場合もあります。
もし社内だけでは解決が難しい場合は、以下のような外部の相談窓口を利用しましょう。
| 相談窓口 | こんな人におすすめ |
| 弁護士 | 問題解決に向けた具体的なアドバイスやサポートを受けたい場合 |
| 法テラス | 弁護士への相談・依頼を検討しているものの、弁護士費用を支払う余裕がない場合 |
| こころの耳 | パワハラ被害で疲弊しており、メンタルケアが必要な場合 |
| みんなの人権110番 | 人権侵害するようなパワハラを受けた場合 |
基本的に労働基準監督署ではパワハラ問題の解決は難しいため、ほかの相談窓口を選ぶ必要があります。
弁護士なら、パワハラに該当するかどうかの判断・証拠集め・内容証明郵便の作成・裁判手続きなどに幅広く対応しており、心強い味方として手厚いサポートが望めます。
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