毎日遅くまで働いているのに残業代が一切出ない、管理職だからと言われて諦めている、アルバイトだから仕方ないと思っている方もいるのではないでしょうか。
正社員からアルバイト、契約社員まで、どんな雇用形態であっても法律で決められた労働時間を超えて働けば残業代を受け取る権利があります。
労働基準法では働いた時間に対して賃金を支払うことが義務付けられているためです。会社が独自に決めたルールや管理職という肩書きだけでは、残業代の支払いを免れることはできません。
この記事では、残業代が出ない場合の違法性の判断基準、請求できるケースと請求できないケースの違い、未払い残業代を回収するための具体的な手順を解説します。
残業代が出ないと違法の可能性が高い
残業したのに残業代が支払われていないなら、法律違反の可能性が非常に高いです。
労働基準法では、法律で決められた労働時間を超えて働かせたとき、会社は割増賃金を支払わなければならないと定められています。
使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
たとえば、所定時間を超えて働いたにもかかわらず、給与明細に残業代の項目がなく、基本給しか振り込まれていない場合は違法性が疑われます。会社側の都合でサービス残業を黙認している職場も存在しますが、法律上は支払いを免れる理由になりません。
残業代が出ないのは当たり前ではなく、本来あってはならない状態だと理解しておく必要があります。
支払われる残業代には法定内と法定外の2種類がある

残業代には法定内残業と法定外残業の2つの種類があり、それぞれ割増率が違います。
法律では、法定労働時間として1日8時間・1週間40時間が上限と定められています。上限以内の残業が法定内残業、上限を超えた時間が法定外残業となり、法定外残業には割増賃金の支払いが必要です。
| 種類 | 該当する残業時間 | 割増賃金率 |
| 法定内残業 | 会社で決めた労働時間を超えたが、1日の総労働時間が8時間以内の残業 | 100% |
| 法定内残業+深夜労働 | 法定内残業であるが、深夜労働(午後10時~午前5時)に該当する場合 | 125% |
| 法定外残業 | 1日の総労働時間が8時間、または週40時間を超えた残業 | 125% |
| 法定外残業+深夜労働 | 法定外の残業であり、深夜労働(午後10時~午前5時)に該当する場合 | 150% |
| 法定休日出勤 | 法律で義務付けられた最低限の休日(週1日または4週4日)に出勤 | 135% |
| 法定休日出勤+深夜労働 | 法定休日に出勤し、深夜労働(午後10時~午前5時)に該当する場合 | 160% |
なお、深夜労働(22時から翌5時までの労働)については、法定内・法定外を問わず深夜割増が発生します。
法定内残業代の計算方法
会社で決めた所定労働時間を超えているが、1日の総労働時間が8時間以内であるときの法定内残業代には、割増の義務はありません。しかし、通常の時給分は必ず支払われる必要があります。
労働基準法の賃金全額払いの原則により、働いた時間に対しては法律で決められた労働時間内であっても賃金が発生するからです。
計算式は以下の通りです。
| 時給×法定内残業時間=法定内残業代 |
たとえば、時給1,500円で実働7時間契約の労働者が8時間働いた場合、法定内残業時間1時間に対して1,500円の支払い義務が会社に発生します。
法定内だから残業代は出ないと会社から言われても、時給換算分の支払いを求めることが可能です。
なお、法定内残業であっても深夜帯に及ぶ場合は、通常の時給に25%の深夜割増が加わります。時給1,500円で実働7時間契約の労働者が23時まで働いた場合、22時から23時の1時間分は1,500円×1.25で1,875円です。
法定外残業代の計算方法
1日8時間・1週間40時間の法定労働時間を超えた場合に発生する法定外残業代は、通常の時給に25%以上の割増率をかけて計算します。
計算式は以下の通りです。
| 時給×1.25×法定外残業時間=法定外残業代 |
時給2,000円で1日10時間働いた場合、法定を超えた残業代は2,000円×1.25×2時間で5,000円となります。また、深夜帯の22時から翌5時までに及ぶ労働なら、さらに25%の深夜割増が加わり、合計50%増しの支払いが必要です。
給与明細を確認し、正しい割増率で計算されているかチェックしておきましょう。
管理職だから残業代が出ないは間違い
労働基準法で残業代の支払いが免除されるのは、厳しい条件を満たした管理監督者のみです。会社内での役職と法律上の管理監督者は別のものであり、課長や部長といった肩書きがあるだけでは残業代の支払い義務を免れることはできません。
実際の権限や待遇が伴わない名ばかり管理職であれば、残業代を請求する権利があります。
管理職と管理監督者は別物
会社での役職と法律上の管理監督者は、まったく別のものです。管理監督者に該当すると残業代の支払い義務がなくなりますが、役職は会社が自由につけられる肩書きにすぎません。
管理監督者かどうかは、実際の仕事内容や責任、権限、給料などから厳しく判断されます。
部長や次長といった肩書きがあっても、人を採用する権限や予算を決める権限がなく、上司の指示に従って働くだけなら、法律上は一般の労働者として扱われます。
名刺に書かれた役職ではなく、実際にどれだけの権限があるかが判断の基準です。
管理監督者と認められるための3つの要件
残業代の支払い義務がなくなる管理監督者として認められるには、法律で決められた3つの厳しい条件をすべて満たす必要があります。
厚生労働省のガイドラインや裁判例により、役職手当を支払うだけでは不十分で、実際に責任と自由が伴っていなければなりません。
具体的な条件は以下の3つです。
- 経営者と同じような立場で仕事をしていること
- 出勤や退勤の時間について厳しい制限を受けず自分の判断で働けること
- 役職に見合った十分な給料や手当をもらっていること
採用の権限がなく経営判断にも関与せず、出退勤がタイムカードで管理されていて、給与も一般社員とほぼ同じであれば、管理監督者には該当しません。
管理監督者に該当しやすい役職・該当しにくい役職
管理監督者に該当するかどうかは肩書きではなく実際の状況で判断されるため、役職によって認められやすさが大きく変わります。
裁判でも、名前だけの役職者は否定され、実質的な権限があるかどうかが重視されています。
取締役や工場長、支店長のように経営に直接関わる大きな権限を持つ役職は、管理監督者として認められやすいでしょう。
一方で、店舗の管理責任者、人を採用する権限のない係長や主任、チームリーダーは、会社から管理職として扱われていても管理監督者とは認められにくいです。
いわゆる名ばかり管理職に該当する可能性が高いため、残業代請求を検討する価値は十分にあるといえます。
管理監督者でも深夜手当は必ず支給される
法律上の管理監督者であっても、深夜に働いた分の割増賃金を支払わないのは違法です。労働基準法では、管理監督者は労働時間や休憩、休日に関するルールの適用外とされていますが、深夜労働に関するルールは適用されます。
正しく管理監督者として認められている人が深夜0時まで業務を行った場合、通常の残業代や休日手当は発生しません。
しかし22時から翌5時までの深夜帯に働いた分については、基本給の25%以上の深夜割増賃金を別途請求できます。管理職だから深夜手当も出ないと説明する会社があれば、法律違反に該当している可能性が高いです。
残業代が出なくても違法ではない雇用形態
特定の働き方や職種では、法律の例外により残業代の支払いが免除されたり、特殊な扱いを受けたりする場合があります。労働基準法第41条の規定により、仕事の性質上、労働時間のルールになじまない職種については、時間管理の適用外とされているためです。
管理監督者のほかにも、裁量労働制が適用されている人や、農業や漁業などに従事する人は、通常の残業代の対象外となる場合があります。
自分の働き方がどの制度に当てはまるのか、正確に理解しておきましょう。
裁量労働制
裁量労働制では、実際に働いた時間に関係なく、あらかじめ決めた時間を働いたとみなすため、みなし時間を超えない限り残業代は発生しません。
仕事の進め方を労働者の判断に任せることで、時間による管理をしない働き方が労働基準法で認められています。1日8時間のみなし労働制で10時間働いても、基本的には追加の残業代は出ないのが原則です。
ただし、深夜労働や休日労働については裁量労働制が適用されていても別途手当が発生する点は注意が必要です。
また、みなし時間が法定労働時間を超えて設定されている場合も、超過分は割増賃金として支払われる必要があります。
固定残業代制
固定残業代制は、あらかじめ給料に残業代を含める仕組みですが、設定された時間を超えた分は別途支払う義務があります。
固定分はあくまで予定される残業の先払いであり、実際の労働時間が上回れば、不足分を精算しなければならないという裁判例が確立しています。
例えば30時間分の固定残業代が含まれている契約で月に40時間の残業をした場合、会社は超過した10時間分の残業代を別途支給しなければなりません。
固定分に何時間分が含まれているか、給与明細や雇用契約書で確認しましょう。
監視・断続的労働に従事する方
監視や断続的労働に従事し、労働基準監督署の許可を得ている場合は、残業代や休日労働の割増賃金の対象外となります。
仕事の密度が低く待機している時間が主な業務については、通常の労働時間に関するルールを適用するのが適切ではないと法律上判断されているためです。
マンションの管理人や守衛、専属運転手のように、待機時間が多く実際に働く時間が少ない状況で、監督署から個別の許可を得ているケースが該当します。
ただし、許可を受けていなければ通常の労働者と同じように残業代の請求が可能です。自分の職場が正式に許可を取得しているかどうか、確認しておきましょう。
公立の教育職員
公立学校の教職員には給特法という法律が適用されるため、月給の4%(2026年より順次10%へ引き上げ)に相当する教職調整額が支払われる代わりに残業代は出ません。
公立学校の教員の仕事の特殊性を考慮して、時間外手当を支給しないと法律で定められています。
公立小学校の教員が平日に何時間残業しても、一律の調整額のみが支払われ、別途の残業代は支払われない仕組みです。
一方、私立学校の教員には給特法は適用されないため、通常どおり残業代を請求できる点で扱いが異なります。
公務員だから残業代が出ないのではなく、公立の教育職員に限定された特別な制度であることを理解しておくとよいです。
農業・畜産業・水産業など一次産業に従事する方
農業・畜産業・水産業に従事する方は、労働基準法の労働時間、休憩、休日に関するルールが適用されません。天候や季節によって労働時間が左右されやすく、一律の時間規制になじまないという仕事の性質を考慮し、法律で除外されているためです。
農家で繁忙期に1日12時間、土日休みなく働いたとしても、法律上の割増賃金の支払い義務は会社側には生じません。
ただし一次産業従事者であっても、深夜労働に対する割増賃金のルールは適用されます。22時から翌5時までの労働については25%以上の深夜割増を請求できる点は、他の業種と変わりません。
会社独自の違法ルールで残業代がもらえない具体例
会社が独自に決めたルールで残業代を支払わない行為は、多くの場合で労働基準法違反です。
労働基準法は必ず守らなければならない法律であり、会社と労働者の間で合意した内容や就業規則であっても、法律の基準を下回るルールは認められません。
入社時にサインした同意書があっても、内容が法律に反していれば無効です。
タイムカードを打刻させた後に仕事を継続させる
タイムカードを切った後の作業も、会社の指示のもとで働いている限りはすべて労働時間として扱われ、残業代が発生します。
労働時間は実際に働いていたかどうかで判断されるため、タイムカードを打刻したかどうかに関係なく賃金を支払う義務が会社に生じるからです。
18時に一度カードを切るよう指示され、その後2時間デスクで資料作成を続けた場合、2時間分は未払い残業代として請求できます。
会社側がタイムカードの記録を根拠に残業がなかったと主張しても、実際に業務をしていた証拠があれば請求は認められる可能性が高いです。
メールを送った時刻やパソコンにログインしていた記録は実際に働いていたことを証明する材料になるため、日頃から保存しておきましょう。
在宅勤務・持ち帰り残業時に残業代をださない
在宅勤務や自宅への持ち帰り残業であっても、会社から指示されたり認められたりしていれば残業代は支払わなければなりません。
働く場所に関係なく、仕事をしている時間は労働時間になるため、会社は労働時間を正しく記録する義務があります。
上司から今日中に終わらせて自宅から送るよう言われて深夜まで作業した場合や、ノルマが終わらず持ち帰らざるを得ない状況は労働時間に該当します。在宅だから残業代が出ないという説明は法律上認められません。
業務の指示を受けたメールやチャットの記録、作業したファイルの保存日時を証拠として残しておけば、残業代を請求するときに使えます。
朝礼や掃除などの早朝出勤に残業代を出さない
始業時間前の掃除、朝礼、着替えの時間が強制されている場合、労働時間に含まれるため残業代の対象です。
最高裁の判例でも会社の指示のもとにあるかが基準とされており、参加しないと不利益を受けるような場合は労働時間とみなされます。
毎朝始業30分前に全員集合して掃除と朝礼を行うことが義務付けられている場合、30分間は毎日早出残業が発生していることになります。
任意参加と説明されていても、参加しないと評価が下がる、上司から注意を受けるといった状況であれば実質的に強制といえるでしょう。
未払い残業代を確実に請求するための3ステップ

未払い残業代を確実に回収するためには、闇雲に行動せず、法律的に正しい順序で準備と交渉を進めることが大切です。
会社側が支払いを拒否した場合に備え、客観的な証拠をもとにした主張を組み立てる必要があります。
まずは自分の権利を確認し、確実な証拠を集めた上で、専門家の力を借りて会社に正式な請求を行う流れが最も成功しやすい方法といえます。
ステップ1:働き方が違法かどうか確認する
未払い残業代の請求の第一歩は、今の雇用契約や職種、実際の働き方を確認し、本当に残業代をもらう権利があるかを正確に判断することです。
自分の立場を間違えたまま請求を進めると、会社側の反論に対応できず、時間を無駄にするリスクがあります。
就業規則や雇用契約書を読み込み、自分が管理監督者や裁量労働制に本当に当てはまるのか、法律の条件と照らし合わせて確認しましょう。
判断に迷う場合は、この段階で弁護士の無料相談を利用するのも選択肢の一つです。
ステップ2:違法残業の証拠資料を集める
残業代を請求するときに最も大切なのは、何時まで働いたかを客観的に証明できる資料をできるだけ多く集めることです。
裁判や労働審判では証拠がない主張は認められないため、会社がデータを消したり書き換えたりする前に、自分で記録を保管しておく必要があります。
有力な証拠となる記録は以下の通りです。
- タイムカードのコピー
- 業務メールの送信履歴
- パソコンのログオン・ログオフ記録
- 毎日の作業メモや日誌
- 家族へ送った帰宅連絡のメッセージ
- ICカードの入退館記録
- オフィスビルの防犯カメラ映像
証拠は1種類より複数あったほうが信頼性が高まるため、退職前に集められるものはすべて集めておくと請求を有利に進められます。
ステップ3:労働問題に詳しい弁護士へ相談する
証拠が集まったら、労働問題に詳しい弁護士に相談し、正確な金額の計算と会社への交渉を依頼しましょう。
個人で交渉しても会社にまともに取り合ってもらえないケースが多い一方、弁護士が代理人になれば会社は無視できず、スムーズな解決と十分な金額の回収が見込めます。
弁護士に依頼すれば、内容証明郵便の送付による時効の停止から労働審判、訴訟まで、精神的な負担を減らしながら進められます。
残業代請求は成功報酬制で受ける事務所も多く、最初の費用をかけずに依頼できる場合も少なくありません。
未払い残業代の時効は3年で、古い分から順に請求できなくなるため、違法だと感じたらすぐに専門家へ相談しましょう。
残業代が出ない悩みを解決できる相談窓口4選
残業代の問題で困ったら、一人で悩まず相談窓口を利用してください。
相談先によってできることが違うため、目的に合わせて選ぶと解決しやすいです。
すぐにアドバイスが欲しいなら電話相談、会社に指導してほしいなら労働基準監督署、実際にお金を取り戻したいなら弁護士に相談するとよいでしょう。
弁護士
弁護士は、個人に代わって会社と交渉し、未払い残業代を最大限の金額で取り戻せる専門家です。
裁判や労働審判を視野に入れた対応ができ、他の相談先では難しい遅延損害金や、悪質な場合に裁判所が命じる追加の支払いといった請求も行えます。
実際に、弁護士が介入したことで会社の対応が変わり、数百万円の解決金が支払われて和解に至るケースもあります。
ベンナビ労働問題
ベンナビ労働問題とは、未払い残業代請求や不当解雇などの労働トラブルに強い弁護士を検索して相談できるポータルサイトです。
残業代請求に詳しい弁護士も多数在籍しており、地域や相談内容で絞り込んで検索可能です。
初回相談が無料の事務所も多いため、弁護士に相談する際はぜひ活用してみてください。
労働条件相談ホットライン
労働条件相談ホットラインは、厚生労働省が設置する無料の電話窓口で、夜間や休日でも労働問題の相談ができます。
平日昼間に時間が取れない人でも利用しやすく、法律に詳しい相談員が制度に基づいたアドバイスをしてくれます。
たとえば「毎日長時間働いているが違法かどうかわからない」「残業代が出ていないのは問題ないのか」といった疑問に対して、匿名で予約なしに相談できる点が特徴です。
| 電話番号:0120-811-610 受付時間:平日17時〜22時、土日祝日9時〜21時 公式HP:https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/lp/hotline/ |
総合労働相談コーナー
総合労働相談コーナーは、各都道府県の労働局に設置されている窓口で、さまざまな労働トラブルについて相談や解決の支援を行っています。
国が運営しており、専門の相談員が公平な立場から助言したり、会社と労働者の間に入って調整したりしてくれます。
残業代の未払いだけでなく、ハラスメントや配置転換といった会社とのトラブル全般について、直接窓口で相談が可能です。あっせんという仕組みを利用すれば、第三者が間に入って話し合いによる解決を目指すこともできます。
裁判より手軽で費用もかからないため、できるだけ穏便に解決したい人には向いている方法です。
| 電話番号:各窓口により異なる 受付時間:各都道府県労働相談コーナーにより異なる 全国の総合労働相談コーナー窓口一覧:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html |
労働基準監督署
労働基準監督署は、会社が労働基準法を守っているかを監視する公的機関で、明らかな違法行為があれば会社に対して是正勧告を出せます。
国から強い調査権限を与えられており、法律違反の事実が認められれば、行政の立場から会社を正すよう命じることが可能です。
サービス残業の証拠を持って申告に行き、担当者が法律違反と認めれば、監督官が会社へ立ち入り調査を行い、支払いを命じてくれる場合があります。
ただし労働基準監督署はあくまで会社を指導する機関であり、個人の代わりに残業代を回収してくれるわけではありません。
会社への行政指導を求めたいときに活用し、それでも会社側が動かない場合にはすぐさま弁護士に相談しましょう。
| 電話番号:各窓口により異なる 受付時間:各都道府県労働基準監督署により異なる 全国労働基準監督署の所在案内:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html |
残業代が出ない時によくある質問
残業代には誤解や会社側の誤った説明が多いため、正しい知識を身につけることが大切です。よくある疑問に対する答えを知っていれば、不当な説明を受けた際にも適切に対応できます。
会社がよく使う支払わない理由の多くは法律的な根拠がないため、正しい知識を身につけておきましょう。
アルバイトやパートは残業代が出ないのが当たり前ですか?
アルバイトやパートであっても、法律で決められた労働時間を超えて働けば、正社員と同じように必ず残業代が支払われます。
労働基準法では雇用形態による区別はなく、アルバイトもパートも同じように時間外労働の割増賃金が適用されるためです。
1日8時間契約のアルバイトが忙しくて10時間働いた場合、超過した2時間分は時給の1.25倍を支払わなければなりません。アルバイトだから残業代は出ないという説明は法律上認められず、労働基準法違反に該当します。
会社を辞めた後でも残業代を請求できますか?
退職後であっても過去3年分の未払い残業代を請求することは可能です。残業代を請求する権利は退職したからといって消えるわけではなく、時効の期間内であれば行使できます。
辞めるときに何も言わなかったから無効だと会社に言われても、証拠さえあれば請求して回収できます。
在職中は言い出しにくかった人も、退職後に弁護士を通じて請求するケースは珍しくありません。時効で請求できなくなる前に、早めに弁護士に相談しましょう。
残業代に上限があり、超過分は支払わなくていいと言われましたが違法ですか?
残業代に月◯時間までといった上限を設けて、それ以上を支払わない運用は労働基準法違反です。
会社は働かせた時間のすべてに対して賃金を支払う義務があり、労働時間に勝手に上限を設けることは法律上認められません。
就業規則に書いてあったとしても、労働基準法を下回る内容は無効です。超過分の支払われなかった時間の証拠を集めて請求すれば、全額回収できる可能性は十分にあります。
雇用契約書に残業代は発生しないと書かれている場合は諦めるべきですか?
契約書に署名押印していても、労働基準法を下回る内容は無効であり、残業代は請求できます。法律の基準に達しない労働条件を定める契約は、該当部分が無効となって法律の基準が適用されるからです。
「残業代を一切支給しないことに同意する」という一文が契約書にあっても、法律上は何の効力もありません。
入社時に同意書にサインしたから請求できないと諦める必要はなく、働いた分の残業代は請求可能です。会社側の説明を鵜呑みにせず、弁護士に相談してください。
能力不足だから残業代は支払わないと言われましたが従う必要がありますか?
仕事が遅いことや能力不足を理由に、働いた分の残業代を支払わないのは違法です。労働契約は働いた時間に対して賃金を支払う契約であり、成果の良し悪しで残業代を支払わないことは認められません。
仕事が遅くて定時に終わらないだけだから残業代は出せないと上司に言われても、会社が残業を認めている以上は支払う義務が発生します。
本当に能力不足が問題なら、会社は残業を禁止するか仕事の量を調整すべきです。
年俸制や歩合給でも残業代は発生しますか?
年俸制や歩合制であっても、法律で決められた労働時間を超えて働いた場合には別に残業代を支払う義務があります。
年俸制や歩合制はあくまで給料の決め方であり、労働基準法の時間に関するルールが適用されないわけではないからです。
年俸に含まれている想定の残業時間を超えて働いた場合や、深夜・休日労働をした場合には追加の手当が発生します。
年俸制だから残業代込みという説明をする会社がありますが、何時間分がいくら含まれているか契約書に明記されていなければ、別途残業代を請求できる可能性が高いです。
自分の契約内容を確認し、不明な点があれば弁護士に相談してください。
まとめ
残業代が出ない状態は、多くの場合で労働基準法違反です。管理職という肩書きがあっても、実際の権限や待遇が伴わなければ残業代を請求する権利があります。
会社独自のルールや雇用契約書の内容が法律の基準を下回る場合、該当部分は無効となるため諦める必要はありません。
未払い残業代を回収するには、タイムカードやメールの送信履歴など客観的な証拠を集め、労働問題に詳しい弁護士へ相談することが最も確実な方法です。
残業代は3年前の分までしか請求できず、それより古い分は時効で請求できなくなります。違法だと感じたら一人で悩まず、弁護士に相談しましょう。
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この記事の監修
東日本総合法律会計事務所
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36協定に違反する長時間労働は違法です。この記事では残業時間の上限や、長時間労働の相談先について詳しく解説しています。残業時間の上限は法律で厳格に定められている...
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残業代の計算方法を正しく理解できておらず、いつも受け取っている金額が本当に正しいのかどうか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では、残業代の計...
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みなし残業で働いている方の中には、みなし残業の多さに疑問を持った方もいるともいます。労働基準法で定められている残業の上限は45時間。45時間を超えたみなし残業は...
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残業代請求をおこなうなら、無料相談窓口の利用がおすすめです。窓口はいくつかあってサポート範囲が異なるため、状況に合った相談先を選ぶことが大切です。本記事では、残...
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サービス残業は、個人名を出さなくても告発できる場合があります。タイムカードを実際とは違う時間に打刻させたり休日出勤を強制したりするサービス残業は違法です。この記...
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残業代請求の解決実績がある弁護士の選び方と、相談するメリットを徹底解説!管理職だから残業代は出ないと、みなし残業制だから残業代は払っているなどと言われているなら...
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残業代は原則、いかなる場合でも1分単位で支給する必要があります。しかし、会社によっては従業員へ正規の残業代を支払っていない違法なケースも存在します。この記事では...
相談者様ご自身で保管していなくても、弁護士に依頼することで会社に開示請求を行う事ができます。
タイムカードはもちろん、PCの起動ログから残業時間を立証できた事例もございますので、証拠が手元に無くても泣き寝入りせず弁護士に相談しましょう。
確かに労働基準法では、「管理監督者」には残業代を支払わなくても良いと明記されておりますが、会社で定める「管理職」が労働基準法で言う「管理監督者」に当たらないケースもあります。
この場合は会社側が労働基準法違反となり、残業代を支払う義務を負います。このような名ばかり管理職問題についてまとめた記事がございますので、詳しくはそちらをご覧ください。
固定残業時間以上の残業を行った場合、その分の残業代は適切に支払われる必要があります。また、36協定の都合上、基本的に固定残業時間の上限は45時間とされております。
固定残業時間を上回る残業を行ったり、会社が違法な固定残業代制度をとっていた場合はもれなく残業代請求が可能です。直ちに弁護士に相談しましょう。
残業代請求に対する企業からの報復行為は、そのほとんどが違法とみなされているため積極的にされることはありません。
ただし、少なからず居心地が悪くなる懸念もあります。一般的には在職中に証拠を集めるだけ集め、その後の生活を守るために転職先を決めてから残業代請求を行うのがベターと言えるでしょう。
残業代請求の時効は3年となっております。
退職してからゆっくり残業代請求を行う場合、どんどん請求可能期間が短くなってしまいますので、一早く請求に対して動き始めましょう。
また、弁護士に依頼して内容証明を会社に送ることで、時効を一時的にストップさせることが出来ます。






