サービス残業を匿名で告発する3つの手段

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2018.5.16
残業代請求 弁護士監修記事

サービス残業を匿名で告発する3つの手段

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サービス残業を告発したいと考えたとき、会社に知られない方法や残業をした分の賃金を取り戻す方法が気になった方もいると思います。

 

サービス残業をさせて残業代を支払わないことは違法行為です。労働基準監督署に通報したり、会社に対して残業代請求をしたりすることを検討してもよいかもしれません。この記事では、サービス残業を労働基準監督署に通報する方法や会社に残業代を請求するための方法についてご紹介します。

 

 

サービス残業を会社に知られずに通報する方法

サービス残業を労働基準監督署に通報するのはとても勇気がいることですよね。「通報したことによって降格や減給処分が下されたらどうしよう。」と考える方もいると思います。

 

法律的には労働基準監督署に労働者が正当な理由で通報行為をした場合、会社が降格や減給などの処分を与えることは違法です。とはいえ、サービス残業を通報したことを会社には知られたくないと思う方は少なくないでしょう。この項目では、サービス残業を会社に知られずに通報する方法をご紹介します。

 

サービス残業の証拠を集める

サービス残業の通報や残業代の請求にあたって重要なのは証拠を残すことです。特に、残業をした時間を立証することが重要になります。

 

【残業時間の証拠】

  • タイムカード、業務日報
  • 業務用パソコンのログオン記録
  • 出社・退社の時間を記録したメモ・日記

 

【もらっている賃金の証拠】

  • 給与明細

 

上記以外にも、帰宅時に家族に送ったLINEやメール、スマホアプリの記録なども補助的な証拠になります。

 

未払いの賃金を計算しておく

サービス残業の証拠を集めたら、未払い賃金の計算をします。本来、支払われるべき残業代を計算しておくことで残業代請求などの際にも利用できます。

 

未払い賃金 = (サービス残業時間 ×1時間あたりの賃金×割増率)-支給されている残業代

おすすめ記事:残業代の正しい計算方法|未払い残業代があった場合の請求手順まとめ

 

労働基準監督署に調査票を送ってもらう

労働基準監督署では、事業所を監督するためランダムで事業所に『調査票』を送付することがあります。調査票とは、統計調査のために各事業所の労働時間や賃金などを書面報告することです。この調査票がきっかけとなって違法労働の実態が発覚するということもあるようです。

 

あくまでも相談内容やタイミングにもよりますが、調査書の送付を依頼することで、匿名の告発ができるケースもあります。

 

参考:厚生労働省|賃金構造基本統計調査の対象事業所に選ばれた事業主の方へ

 

もしも会社に知られた場合の処分

労働基準監督署は行政機関であり、相談者からの聴き取り内容を口外することはありません。

 

それでも労働基準監督署への相談は、労働者にとって「会社に知られたら解雇や降格にあうのではないか…。」と不安になるものです。しかし、監督機関に相談・通報したことで労働者を処分することは法律で禁止されています

 

第百四条 事業場に、この法律はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。

○2 使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

引用元:労働基準法

 

 

サービス残業をさせる会社を訴える方法

サービス残業を個人の働きで解決することが難しい場合は、周囲を巻き込むことを考えましょう。

 

この項目では、裁判などの法的手段も視野に入れた解決方法をご紹介します。

 

会社のコンプライアンス窓口に相談

サービス残業は、賃金を支払わない違法労働。コンプライアンス窓口に相談しましょう。

 

なお、小規模の会社で相談できる窓口がない場合やパワハラの危険がある場合は弁護士などの専門家に代理交渉をしてもらうのもひとつの手段です。

 

会社に残業代の請求書を送る

社内で相談しても解決できない場合は、サービス残業の支払い請求を行うことを検討してもよいかもしれません。

 

労働基準監督署に相談

会社にサービス残業の支払い請求書を送付しても、支払いなどの改善が見られない場合は労働基準監督署にサービス残業の証拠を持って相談しましょう。

労働基準監督署では匿名の電話相談なども受け付けていますが、労働環境の改善を求める場合は来所での相談が有効です。

 

参考:厚生労働省|全国労働基準監督署の所在案内

 

労働審判を申し立てる

労働基準監督署での相談で解決できない場合は、労働審判を申し立てるという方法もあります。労働審判は地方裁判所で審判官・審判員が問題解決のための審判を下す制度です。

 

引用元:裁判所|労働審判手続

 

労働審判は、通常の裁判よりも少額の手数料で申し立てることができ、法律にのっとった解決が見込めます。もちろん弁護士にサポートを依頼することも可能です。

 

おすすめ記事:労働審判の弁護士費用相場と弁護士費用を無駄なく抑える方法

 

裁判で残業代請求をする

労働審判での審判に納得がいかない場合は、2週間以内に異議を申し立てることができます。この場合、通常の裁判に移行するので、弁護士を立てた方がよいかもしれません。

 

【関連記事】残業代請求によって未払い残業代を獲得する全手順と注意点

 

 

サービス残業は拒否できる|強要への対策

この記事では、サービス残業を告発する方法をご紹介してきましたが、業務命令がサービス残業を命じるものであるという場合は拒否することができます。

この項目では、サービス残業を拒否するための対策法をご紹介します。

 

残業命令は正当な理由があれば断れる

残業命令は正当な理由があれば断ることができます。正当な理由とは、以下のような場合です。

 

  • 体調不良で業務に支障をきたしている
  • 家族が病気などで緊急対応が必要

 

ただし、『他に用事がある』『疲れた』など労働者側の都合である場合は正当な理由にはならないでしょう。なお、残業を拒否したことだけを理由に、不利益な扱いをするのは違法になる可能性があります。

 

おすすめ記事:解雇と不当解雇の判断基準|不当解雇にあった場合の対処法

 

労働組合(ユニオン)を利用して会社と交渉

サービス残業を拒否することが個人では難しい場合は、社内や民間の労働組合(ユニオンともいう)などを通じて会社と交渉することも可能です。

 

労働組合(ユニオン)に加入した場合、個人ではなく団体での交渉ができるので、会社も無視することが難しくなります。

 

 

サービス残業の相談先

この項目では、サービス残業で悩んでいて、「とにかく話を聞いてほしい。」「解決策を一緒に考えてほしい。」という場合の相談先をご紹介します。

 

厚生労働省|労働条件相談ほっとライン

サービス残業に関する話を聞いてほしいときに利用しやすいのは、労働条件相談ほっとラインです。

 

  • 電話番号

0120-811-610

  • 受付時間

月~金 / 17:00~22:00

土・日 / 10:00~17:00

 

関連リンク:厚生労働省|労働条件相談ほっとライン

 

こちらは、直接告発に繋がるわけではありませんが、個別の案件の相談や解決方法を一緒に考えてくれます。

 

日本労働組合連合会|なんでも労働相談ダイヤル

労働組合やユニオンでの団体交渉などで解決を考えている場合は、日本労働組合連合会のなんでも労働相談ダイヤルを利用するのもよいでしょう。

日本労働組合連合会では、主に労働組合の作り方や民間の労働組合の加入について相談することができます。

 

関連リンク:日本労働組合連合会|なんでも労働相談ダイヤル

 

労働基準監督署|総合労働相談コーナー

サービス残業は違法労働なので、労働基準監督所に相談することができます。

 

『労働基準監督署に相談』というと敷居が高いイメージもありますが、予約不要で無料相談ができるため、「解決したいけど、どこから手をつけたら良いかわからない…。」という際も一緒に解決策を考えてくれます。

 

関連リンク:厚生労働省|総合労働相談コーナー

 

弁護士

残業代請求など、法的措置を前提とした解決を希望している場合は弁護士に相談することをおすすめします。

サービス残業を弁護士に相談した場合、会社との代理交渉などを行うことができます。

 

【関連記事】残業代請求を弁護士に依頼する前に知らないと損する6つの事

 

 

 

まとめ

サービス残業は賃金が支払われずに労働を強いられるため、労働者にとってはただ労力を奪われるものですよね。

 

サービス残業はそれ自体が違法なので、告発や残業代請求をすることも可能です。

この記事がサービス残業の告発を考えている方にとって、解決のヒントになれば幸いです。

 

出典元一覧

 

この記事を監修した法律事務所

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プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は労働問題弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※労働問題弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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