パワハラ・セクハラ・未払い残業代・過重労働・リストラなどの労働トラブルが起こった際に、専門家に相談したくても費用がネックになり、相談が出来ず泣き寝入りしてしまう方が多くいらっしゃいます。
そんな方々を、いざという時に守るための保険が弁護士費用保険です。
労働トラブルに限らず、交通事故や離婚トラブル、子供のいじめなど様々な法律トラブルでも利用可能です。
弁護士保険で法律トラブルに備える
「労災認定が得られず、補償が受けられない…。弁護士に依頼したら解決できるだろうか?」
仕事が原因で病気やケガをした際に、労災申請をしようと考え方は多いかと思います。
しかし、申請をしたからといって、労災認定が得られるとは限りません。ケガや病気が労災と認められるには、仕事が原因であったことを証明する必要があるからです。
仕事中にケガについては労災認定を得られやすいですが、うつ病などの精神障害や脳梗塞などの病気については、因果関係の証明が難しく、不認定となるケースが多々あります。
労災認定を得るのが難しいケースでは、弁護士の力を借りるのも一つの手です。
この記事では、労災認定を弁護士に依頼するメリットや費用、タイミングなどについて詳しく解説します。
冒頭でもお伝えした通り、労災申請を弁護士に依頼するのであれば、個人では認定を得られにくいケースでお願いするとよいでしょう。
労災が認められにくいのは、うつ病などの精神障害や脳梗塞、心疾患など、仕事が原因で病気が発症した場合です。
【令和2年度の労災補償の請求支給件数】
|
脳・心臓疾患が原因 |
精神障害が原因 |
請求件数 |
784件 |
2,051件 |
支給件数 |
194件 |
608件 |
割合 |
28.3% |
29.6% |
参考:令和2年度「過労死等の労災補償状況」を公表します|厚生労働省
ケガに比べて病気の場合は、仕事が明確な原因だと証明するのは簡単ではありません。そして、その証明をするのは請求者本人です.
確かに労災認定を行う労働基準監督署で調査がされますが、あくまで提出された資料や証拠に基づく範囲だけになります。請求者の代わりに証拠を集めてくれるわけではありません。
労災認定に詳しい弁護士であれば、申請にあたり、どのような証拠を集めるべきかアドバイスを受けられますし、場合によっては代わりに証拠を集めてくれます。
また、労災認定が得られれば、補償が受けられますが、発生した損害すべてに対してではありません。全額の補償を受けたい場合には、会社に対して損害賠償請求を行う必要があります。
損害賠償請求を個人で行うのは簡単ではありませんので、弁護士に依頼したほうがよいでしょう。
また、労災申請についても、因果関係について慎重な検討を要するような事案であれば弁護士に依頼することをおすすめします。
労災認定を弁護士に依頼するメリットには、以下のようなものが挙げられます。
それぞれ確認しておきましょう。
うつ病や脳疾患などの病気を労災として認定してもらうためには、医師の診断書以外にも因果関係を証明する証拠を集める必要があります。
会社が協力的であればよいですが、労災隠しのためになかなか証拠を開示してくれないということもあるかもしれません。
このような場合にどのような証拠、どのように集めるべきか、弁護士であれば的確なアドバイスが期待できるため、不安な方は一度相談に行くとよいでしょう。
労災により後遺症が残ってしまった場合、障害補償給付を受取ることができますが、支給される金額は後遺障害等級によって大きく異なります。
後遺障害等級の認定に大きな影響を及ぼすのが、医師の診断書です。医師に任せておけば、ちゃんとした診断書が作成してもらえるかというと、実は違います。
医師は確かに医療に関するプロでありますが、後遺障害診断書の書き方に精通しているとは限りません。場合によっては、今回初めて診断書を書くという医師もいます。
医師本人は十分記載したつもりでも、後遺障害等級認定の基準に満たないということも起こり得るのです。
診断書が過不足なく記載されているか弁護士に確認してもらうことで、正しい後遺障害等級認定を得ることができるでしょう。
労災に関しては、会社が従業員の安全配慮義務に違反したとして、損害賠償請求をすることもできます。
労災認定が無事に得られたとしても、休業や後遺障害によって発生した逸失利益(何事もなければ得られた利益)の補償として十分でないことが少なくありません。
労災では補填しきれない差額部分について、会社に支払わせるよう請求することができるのです。
逸失利益の具体的な金額を算出するのはプロでないと難しく、会社との交渉、裁判にあたっては法的な知識が必須となるため、損害賠償請求をする際は弁護士に依頼したほうがよいでしょう。
弁護士費用の内訳は、大まかに5つに分類することができます。
【労災認定を弁護士に依頼した際の相場】
相談料 |
無料~1万円(1時間当たり) |
着手金 |
10万円~20万円 |
成功報酬 |
得られた利益に対して10~30%に当たる金額 |
実費・事務手数料 |
5万円前後 |
日当 |
3万円程度 |
労災認定の依頼した際の弁護士費用は、事務所によってまちまちです。というのも、事案によって、解決にかかる時間や得られる報酬が大きく異なるからです。
相談内容によっては、そもそも依頼を受けてもらえないことも考えられるため、いくつかの事務所で話を聞いてみたほうがよいでしょう。
労災認定について弁護士に依頼するのであれば、できるだけ早い段階で相談に行くとよいでしょう。
一度、労災申請が却下されてしまうと、労働基準監督署の判断を覆すのは容易ではありません。できれば、申請前に相談をしておいたほうが、必要となる証拠を集めておくことができます。
もちろん、労災が明らかであれば、弁護士に相談する必要はありません。労働基準監督署でアドバイスを得ながら、申請手続きを進めていくとよいでしょう。
なお、会社への損害賠償請求について依頼する場合は、労災認定を得てから相談に行った方がスムーズに進むこともあります。
弁護士への無料相談も利用しつつ、依頼するタイミングを見極めましょう。
労災認定を弁護士に依頼する場合の前提として、労働問題に精通している弁護士を探しましょう。
弁護士はそれぞれ専門としている分野を持っており、基本はその分野の仕事しか受注しません。労災認定の相談を離婚問題に詳しい弁護士に相談しても、効果的なアドバイスは得られないのです。
弁護士を探す際は、事務所のホームページなどで、労災認定に関する相談を解決した事例があるかを確認してみてください。
ただし、労災認定を扱っている弁護士事務所はそれほど多くありません。近場に見つからないこともありえるため、遠方対応も可能か確認しておきましょう。
最後に、弁護士に労災認定の依頼をして解決に至った事例を紹介します。
夫を過労死で亡くした奥様が、労災申請の弁護士に依頼した事例です。
過労死の労災認定においては、時間外労働(残業時間)を証明することが大事ですが、亡くなった夫が勤めていた会社では、タイムカードで勤怠管理を行っていませんでした。
代わりの証拠として、亡くなった夫が使用していたパソコンから、当時行っていた業務の具体的内容や発生していたトラブルについて調査し、時間外労働をせざる負えない状況であったことを証明しました。
また証拠保全の手続きを行い、会社が資料を処分できないようにするなどの取り組みにより、労災認定を獲得。
会社との間にも和解が成立することができました。
ある会社で働くトラック運転手の男性が、配置転換の強要や長時間労働が原因で精神疾患を発症した事例。
男性は通勤中にひざを痛めた際、通勤災害の申請をしようとしたが、上司に配置転換を示唆されたため申請を諦めました。
その後、膝のケガが悪化したため、手術を受けたところ、再び配置転換の強要が繰り返し行われました。
長時間労働も常態化していたこともあり、男性は不安障害を発症。労働基準監督署に労災申請を行い、長時間労働と配置転換の強要が原因の労働災害だと認められました。
労災申請について、必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。
基本的には会社が代わりに手続きをしてくれますし、仮に会社が行わなくても自分自身で申請することができます。
ですが、うつ病などの精神障害、脳梗塞、心疾患などの病気を発症した原因が、仕事にあると考えられる場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
ケガの場合と異なり、病気の労災認定を得るのは簡単ではありません。というのも、仕事が原因で発症したことの証明が難しいからです。
因果関係を証明するにあたって、できるだけ多くの証拠を集めておく必要があります。申請前に弁護士に相談に行くとよいでしょう。
また、労災認定を弁護士に依頼することで、
というメリットもあります。
弁護士を探す際は労働問題に詳しく、労災認定の解決事例が事務所を探すようにしましょう。
当サイトでは、労働問題に精通している弁護士を簡単に探せますので、ぜひご活用ください。
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法的責任をきちんと追及したければ、労働法にかなり詳しい弁護士に相談に行き、法的に正確に分析してもらい、この後の対応を検討するべきです。
まずはご冥福をお祈り致します。結論からいうと、過労死が認められる可能性は十分あると思います。心疾患の疑いだけであっても労災申請して認められているケースはありますので、チャレンジするのがいいと思います。ただ、過労死事件は特に初期のアプローチ(初動)が極めて大切なので、会社にどの段階でアプローチするのか、しないのか、どのようにして証拠を確保するのかなど、過労死問題をよく担当している弁護士と相談して対応すべきと考えます。
過労死で労災認定を受ける基準と給付を受けるために知っておくべきこと