辞めづらい
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解消するには?
パワーハラスメント(以下、パワハラ)は不法行為責任を伴います。
パワハラは人の尊厳を傷つけ、行為様態によっては暴行罪や傷害罪などにも該当する許されない行為ですが、社会からパワハラはなくなっていないのが現状です。
自分がパワハラの被害者とならないためにできることはあるのでしょうか。それを知るためには、パワハラされやすい人の特徴を押さえておくことが役に立ちます。
今回は職場におけるパワハラをテーマに、パワハラされやすいタイプやパワハラを防ぐ方法、パワハラがなくならないときの対処法をお伝えします。
許しがたいパワハラ問題で上司や会社を訴えたいと考えているなら弁護士への無料相談がおすすめです。
弁護士に相談することで、パワハラの証拠集めや訴える際にアドバイスをしてもらえるため、交渉を有利に進められます。
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パワハラによる精神的苦痛は、うつ病にかかってしまうリスクを引き起こします。
いざという時会社は守ってくれません。自分の身は自分で守りましょう。
上司などのパワハラにどうしても耐えられない場合は、新しい職場を見つけることも解決策の一つです。
新しい職場を見つけていれば、お金の心配や、退職を言い出しにくい状況からも自ずと解放されます。
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パワハラとは一般に地位や権力を利用したいじめ・嫌がらせを指します。中でも職場におけるパワハラは厚生労働省が次の3要件を満たすものと定義しています。
パワハラが成立するのは「上司から部下」などのわかりやすいケースに限られません。
何かしらの優位性をもつ者からの言動であればパワハラに該当し得ることになります。
一方で、業務の範囲内でおこなわれる指導・教育であれば、受け取り側が不満をもったとしてもパワハラにはあたりません。
パワハラ被害者は、精神的・身体的にダメージを負う→仕事がうまくいかなくなる→さらなるパワハラを受けるという負のループに陥りやすくなります。
精神的影響としては、就業意欲の低下、自己肯定感の喪失などが挙げられます。身体的影響としては頭痛やめまい、動悸、足がすくんで会社に入れないなどの症状がでる場合があります。
こうした状況では仕事への影響が甚大です。能力を発揮できなくなり、業務に集中できないためミスも増えます。ひどいパワハラを受けたことで神経が高ぶり夜もよく眠れないので、寝坊や不注意が多くなり加害者を刺激します。そしてさらなるパワハラを受けやすくなってしまいます。
次第に自分の感情がわからなくなり、うつ病や対人恐怖症などを発症するケースは少なくありません。つらい状況が続き、休職や退職、最悪の場合は自殺に追い込まれてしまうケースもあります。
パワハラされやすい人は次のような傾向がみられます。
真面目で従順な人は上司や先輩の話をよく聞くため、一般には可愛がられることも多いタイプだといえます。一方で、いつもイライラしているような典型的なパワハラ加害者にとっては、反撃されるおそれがないためターゲットにしやすくなります。
被害を受けても社内の雰囲気を悪くしないようにと誰にも相談せず、素直に相手の要求を受け入れるからです。
複数の仕事を押し付けられても真面目がゆえに何とか自分の力で解決しようとします。結局納期に間に合わない、ミスをしてしまうなどで加害者に攻撃の機会を与えてしまうことになります。
思ったことを何でも口にだしてしまう人や上司にお世辞のひとつもいわない人は、相手の感情を刺激しやすいためパワハラされやすくなります。もちろん正直なのは本来悪いことではないのですが、相手は見下されているように感じ、敵対心をもってしまうのです。
もっとも、ゴマをすってばかりの人もパワハラのターゲットになる場合があるので、極端な言動には注意が必要です。
自分に自信がなく、いつもおどおどしている人もパワハラを受けやすいタイプです。パワハラをする人というのも自分に自信がないタイプなのですが、他者を攻撃して自分が優位に立つことで安心しています。
このようなタイプからすると、いつもおどおどしている人は自分よりも下の立場だと認識しやすく、攻撃の標的にしやすいのです。
おどおどしている人が攻撃を受け、どう対処してよいのかわからずに困っている姿を見ると、加害者が安心してさらに攻撃におよぶという悪循環が生まれます。
周囲の人とコミュニケーションをとらない一匹狼タイプの人も、パワハラのターゲットになる場合があります。
対して、日ごろからたくさんの人に囲まれている人はターゲットとされにくい傾向にあります。そのような人を攻撃すれば自分が職場で孤立するからです。
上司とのコミュニケーションが不足している人もパワハラされやすい人です。典型的には報・連・相をしない人が該当します。
納期間際になって問題を相談してきたり進捗状況が悪かったりすると「なぜ黙っていたんだ」と上司の怒りを買い、行き過ぎた指導を受けることになります。
仕事のミスが多いと教育や指導を名目にしたパワハラを受けやすくなります。パワハラが発覚したときでもパワハラ加害者が「仕事のミスが多いからつい熱くなってしまった」という言い訳をさせることにもなるでしょう。
ミスをしたときに言い訳から始める人も相手の怒りを買いやすいため、パワハラを受けやすいタイプです。
仕事を覚えるスピードが遅い人は、パワハラ加害者から「自分よりも仕事ができない下の人間だ」と思われるため、ターゲットになりやすいといえます。
仕事を覚えるスピードには個人差がありますし、とくに新人のころは緊張もあり、なかなか覚えられないことがあるでしょう。
しかし攻撃をする人は自分が新人のときのことなどは棚に上げ、現時点で仕事を覚えていない人を非難します。
書類の提出期限を守らない、先輩が社内の電話にでるのに後輩の自分はでないなど、マイペースな人はパワハラを受けやすくなります。
マイペースが私生活上の問題でとどまる限りは問題ありませんが、職場の規律を乱すことで反感を買うからです。このタイプの人は職場で孤立することが多いため、余計にパワハラの対象になりやすいといえます。
優秀であることはひとつの強さなので、通常はパワハラの対象にはなりにくいタイプです。しかし優秀さを前面にだすタイプとなると話が変わります。
いつも正論をいう、相手のミスを人前で指摘するといったタイプです。生意気だと思われやすいタイプなので、加害者なりの正義感を大義名分にした攻撃を受ける可能性があるでしょう。
容姿が整っている人、高学歴の人など嫉妬の対象となる要素が多い人もパワハラを受ける場合があります。このような人は周囲の羨望を受けやすいため、パワハラをする人にとっては自分の地位が脅かされると感じるからです。
一方的な嫉妬なので本人にはまったく落ち度がないことが多いのですが、ほかの人と同じ発言をしても揚げ足をとられるなど追い込まれてしまいます。
プライベートな自慢が多い人も嫉妬の対象になりやすく、とくに女性からのパワハラを受ける可能性が高まります。恋人が豪華なプレゼントをくれた話や、積極的に配偶者の職業(とくに社会的地位の高い職業)についての話などをするケースです。
パワハラされやすいかたに向けてパワハラを防ぐ方法を紹介します。
職場では背筋を伸ばしてきりりとした態度をとるのがひとつの方法です。
パワハラをする人は自分が優位に立ちたいという心理であることが多く、堂々として自分に自信がありそうな人をターゲットにしにくいからです。背筋を伸ばすことで前向きな気持ちになる効果もあります。
無理なものはしっかり断るのもビジネススキルのひとつです。完全に断るのが難しい場合でも部分的に断ることから始めてみましょう。
たとえば「この仕事を今すぐやれ」といわれた場合、「今は○○という急ぎの仕事があるので午後でもよろしいでしょうか?」と、あくまでも自分のスケジュールの範囲で対応できる旨を伝えます。
飲み会を強制されそうになったら「家族が体調不良なので」と何回かに1回は断るようにします。少しずつでよいので、断るときもあると知らせることが大切です。
今以上に仕事の能力を上げるよう努力するのも方法です。仕事の能力が上がれば周囲の評価を得てパワハラのターゲットにされにくくなりますし、自分の視点が未来へ向かうため精神面へよい影響を与えます。
能力が上がれば転職にも有利になるため、パワハラが横行するような会社を脱出するという選択肢もとれるでしょう。
周囲の人を味方につける、上司とうまくやる術を身につけることでパワハラのターゲットにされにくくなります。上司の上司など権力のある人と仲良くなるのも効果的なので、機会があれば積極的に話しかけるのもよいでしょう。
人間関係の構築は難しい面もありますが、いつも笑顔であいさつする、ちょっとしたことでも人を褒めるなどできることから始めてみましょう。
どんなに方策を尽くしてもパワハラされる場合は次の対処法があります。
誰かに相談するときや会社に対応してもらいたいときなどは、パワハラの証拠があると被害状況が伝わりやすくなります。次のような証拠を集めましょう。
とくに裁判も視野に入れている場合は証拠が極めて重要です。
労働組合や人事部など社内で相談できる窓口を利用する方法です。労働組合であれば会社に対して団体交渉できる強みがあります。会社は正当な理由なく団体交渉を拒むことができません(労働組合法第7条)。
(不当労働行為)
第七条 使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。引用元:労働組合法第7条
人事部であれば加害者の部署異動など物理的な対応に期待できます。近年はハラスメントに対する社会の目が厳しくなっているため、まともな会社であれば調査に動いてくれるでしょう。
パワハラ対策が法制化(労働施策総合推進法の改正)され、事業主がパワハラ防止のために雇用管理上必要な措置をとることが義務づけられました。パワハラ防止法と呼ばれ、大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月から施行となります。
パワハラ防止法により、今後はパワハラ被害者が相談しやすい環境になります。会社にパワハラ被害を相談しても取り合ってくれない場合にはパワハラ防止法を根拠に対応を求めることができますので、ぜひ知っておきましょう。
【参照】
厚生労働省|事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針
社内に相談窓口がない場合や相談によって不利益な取り扱いを受けるおそれが高い場合は外部の機関へ相談しましょう。たとえば厚生労働省管轄の「総合労働相談コーナー」は地域の労働局や労働基準監督署内にあるため身近な相談先といえます。
パワハラは人権問題なので法務省管轄の「みんなの人権110番」もよいでしょう。パワハラで気持ちが落ち込んでいる場合は厚生労働省管轄の「こころの耳」で話を聞いてもらい、まずはメンタルの回復に努めるのも方法です。
【参照】
パワハラで心身が疲弊してしまうと、前に向かって動きたいのに動けないという状況に陥ってしまいます。
そうなる前の早い段階で誰かに相談することが大切ですが、どうしても難しい場合は転職も視野に入れましょう。同じような仕事内容であっても一緒に働く人が変わるだけで働きやすさは大きく変わります。
自分ではどうしようもできないと感じている場合は弁護士へ相談しましょう。今の状況を整理し、今後どのような手段が採り得るのかを法律の知識をもとに助言してくれます。
弁護士が介入することでパワハラ加害者やパワハラを放置する会社との交渉も進みやすくなるでしょう。常軌を逸したパワハラに対しては刑事告訴する、民事裁判で慰謝料を請求するといったことも可能です。
同じ職場で働いてもパワハラされやすいタイプとされにくいタイプの人がいます。ご自身が十分に能力を発揮するには、パワハラされにくい人になり業務に集中できる環境を整えることが大切です。
自分の力では現状を変えることができなくても、相談先は多数あります。ひとりで抱え込まずに周囲の人に相談するところから始めてみましょう。
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