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月20時間の残業はホワイト企業?平均残業時間との比較や残業代目安、問題点も解説

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月20時間の残業はホワイト企業?平均残業時間との比較や残業代目安、問題点も解説

毎日1時間程度残業をしている方は、月に20時間程度の残業をしていることになります。はたして、月20時間の残業は一般的には長いのでしょうか?

20時間弱で部内(下っ端内)の1〜2を争う残業時間っていわれるんだから、なかなかホワイトな会社だと思ってる。

引用元:Twitter

 

夫婦で商社勤務ですがこの10年で業界全体がホワイトになり、月の残業は10-20時間(PC電源連動でシステム上サビ残出来ないようにってます)、妻は時短で9:30-16:30勤務で保育園の延長は一度もしたことありません。仕事に求められるレベルは高いですが待遇、働き方共に満足しています。

引用元:Twitter

Twitterでの意見をいくつか見てみると、「月20時間残業は短い」という意見が多いように感じられました。仕事とプライベートを両立させられている方も多く、一般的には20時間以内の残業ならホワイト企業という認識が強いようです。

残業時間10時間で手取り20万
残業時間15時間で手取り21万
残業時間20時間で手取り22万
今の自分の体力では残業できても月20時間が限界。
しかし安い…実家暮らしじゃないと生きていけない。

引用元:Twitter

一方で、20時間残業でも辛いとつぶやいている方もおられます。残業20時間を長いと感じるか短いと感じるかは本人や職場の環境次第と言えそうですね。

とは言え、あなたはわざわざこのように残業時間について調べているのですから、今の残業時間に対して不満を持っている方も多いことでしょう。

今回は、残業20時間が一般的にみてどれくらいのものなのかを、

  1. 平均残業時間との比較
  2. 残業20時間の残業代目安
  3. 残業時間を減らすポイント

これらの観点からご説明していきたいと思います。

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月20時間残業と平均残業時間の比較と実態

まず、残業時間20時間が一般的には長いのか短いのかを平均的な残業時間と比較しながら見てみましょう。

20時間残業は長いのか?平均残業時間との比較

企業の口コミなどをまとめたサイト『openwork』が社員約7万人に行った残業時間の調査によると、以下の結果が出されていました。

引用:働きがい研究所|openwork

毎月20時間程度の残業は、全体の13%という結果になっており、30時間(14.5%)、40時間(13.7%)の残業に次いで3番目に多い比率となっていました。しかし、グラフを見て頂ければ分かるように、30時間以上残業をしていると答えた方が全体の75%程度(3/4)おり、30時間より低いと答えた方は全体のわずか25%程度(1/4)しかいない結果となりました。また、こちらのアンケート結果を元に全体の平均残業時間を出すと、47時間となっており、20時間残業は平均よりも短い残業時間だということができますね。

20時間残業は1日1時間程度の残業

月20時間の残業と言えば、1ヶ月で20日出勤するとして、1日平均1時間の残業となります。例えば9時出勤で昼休み1時間を挟んで定時が18時だとした場合、1時間残業して19時に帰宅するような生活になります。

もちろん1日3時間残業の日もあれば、無い日もあってバラつきはあるでしょうが、『帰宅→就寝→出勤』というような、働いて寝るだけの時間的余裕がない残業時間ではないと言えます。退社後に習い事に行ったり、プライベートや家族の時間を使ったりと、仕事とプライベートも両立できるであろう残業時間の範囲だと考えられます。

【関連記事】労働基準法での労働時間と長時間労働の対処法

20時間は36協定による残業時間の上限もクリアしている

労働基準法では、原則として「1日8時間、週40時間(法定労働時間)」以上は働かせてはならないとされています。もし時間外労働(残業)をさせる場合には、あらかじめ労使で「36(さぶろく)協定」を締結しなければならない決まりがあります。

36協定」があっても時間外労働には原則的な上限時間が定められており、1ヶ月に45時間までしか残業をさせることができません。月20時間の残業であれば、36協定で上限となる残業時間にも収まっていますので、きちんと残業代さえ支払われていれば、法律的にも問題のない残業時間となります。

20時間残業の残業代の目安と計算方法

実際に20時間の残業がどれくらいの残業代になるかは気になるところですね。こちらでは、20時間残業した場合のおおよその残業代の例や計算方法などについてご説明していきたいと思います。

大まかな計算方法は1時間当たりの賃金を求めて、それに残業時間と割増率をかけて計算します。基本給の額や契約内容によって多少の違いはありますが、だいたい20時間の残業代は5万円前後になる方が多いでしょう。

基本的な残業代の計算方法

残業代=【時間外労働の時間】×【1時間あたりの賃金】×【割増率】

基本的な残業代の計算式は上記の通り求めていきます。

①1時間当たりの賃金を求める

【1時間当たりの賃金】とありますが、こちらは【基準賃金÷1ヶ月あたりの平均所定労働時間】で求めることができます。

所定労働時間は雇用契約で決められている労働時間のことで、「1日8時間、週40時間」の法定労働時間の範囲内で決めることになります。1ヶ月あたりの平均所定労働時間となるとだいたい160~170時間程度となるでしょう。

実際は年間休日の数などで変わってきますので、ご自身の会社の就業規則を見ながら計算してみてください。

②月給の基礎部分から一部を除外する

また、一般的に言われる月給には、様々な手当等が含まれており、一部は残業代の計算から除外します。

除外する手当等の内容には以下のものがあります。

  • 通勤手当
  • 住宅手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 臨時の賃金(祝い金など)
  • ボーナス

他方、これ以外の手当(役職手当、業務手当、調整手当等)は基準賃金に含めることになります。基準賃金は基本給だけではなく、各種手当を含めて計算することを覚えておきましょう。

20時間残業をした場合の残業代の計算例|基本給30万円(手当なし)で

それでは、基本給30万円(手当なし)と仮定して、20時間残業した場合の残業代を実際に上記の式に当てはめて計算してみましょう。

1時間当たりの賃金の計算

まず残業代を求めるにあたって、1時間当たりの賃金を求める必要があります。ここでは1ヶ月の平均所定労働時間を160時間と仮定します。

30万円÷160時間=1,875円

1時間当たりの賃金は【1,875円】になります。

残業代の計算

時間外労働の割増率は1.25です。そのため、上記の賃金単価に割増率(1.25)を乗じた上で、20時間に対応する金額を算定してみましょう。

1,875円×20時間×1.25=46,875円

このように【46,875円】が上記例での20時間の時間外労働に対応する残業代ということになります。

賃金単価は人それぞれですし、残業が時間外労働か休日労働か深夜労働かで割増率も違いますので、実際の計算結果には多少の違いが出てきます(なお、歩合給制の給料の場合、残業代の算定方法が異なり、通常の給料よりも残業代は少なくなります。)。

例を参考にして、実際にご自身の基本給と所定労働時間を当てはめて計算してみてください。

20時間残業で考えられる問題点

ここまでの内容で、「20時間の残業はそこまで長くない。ホワイト企業と感じている方も少なくない」という方向性でご説明してきました。

しかし、そこまで残業が多くないが故に、残業代がないがしろにされたり、残業代が稼げずに手取りが低いといような問題を感じている方もいます。

サービス残業として扱われるケースも…

残業ゼロでも20時間してもお給料変わらない世の中おかしいよ〜〜〜〜

引用元:Twitter

月20時間=1日平均1時間残業の場合、1日あたりの残業時間が短いからと言って、サービス残業になってしまっている方もいます。たとえ短くても、法定労働時間を超えて働いた分は残業代が支払われなければなりません。

1日1時間の残業でも、毎月・年間と未払いが続いていけば、金額にして数十万円にまでなってしまいます。短い残業でも正しく残業代を貰えていない場合には、会社に未払い残業代の件について相談するか弁護士に相談するようにしましょう。

固定残業代制度によってあらかじめ残業代が支払われている

一方、企業には「固定残業代制度」を導入しているところも多いです。「固定残業代制度」とは、実際に働いた時間に関係なく一定の範囲で固定の残業代を支払う制度のことです。

具体的には、基本給に含めるか別途手当を支給するような方法で、あらかじめ月○○時間分の残業代を定額で支払っている契約内容です。このような固定残業代制度は適正に運用されているのであれば問題ありません。当該支払いの範囲では、残業代の精算がされていると評価されるでしょう。しかし、企業によっては制度の運用が適正でない可能性は否定できません。

例えば、固定残業代を払っているから実際の労働時間がどんなに長くなっても残業代の支払いがない場合や、固定残業代の金額が基本給等に比して過大で場合、固定残業代部分と通常賃金部分の区別が明確でないなどは、基本的に適正な制度運用とはいえません。

そのため、固定残業代制度があるから残業代を一切請求できないというのは誤解ですので、注意してください。

【関連記事】「固定残業代(みなし残業)の仕組み|適正な残業代の計算方法

意外と残業したい人も多い

11月は、残業20時間ほどはしたいなぁ仕事いっぱい入って来い

引用元:Twitter

20時間残業は平均よりも短く、少ない・もっと働きたいと感じている方もいるようです。正確には、「もっと残業代で稼いでおきたい」と思っている方が大半でしょうが、残業20時間で残業代4~5万円になるとすれば、もう20時間残業することで手取りが5万円程度増えることになります。

仕事を見つけて残業するという方法も良いのですが、会社からしてみれば残業代は余計な人件費ですからただ単にダラダラ残業することは後々ご自身のマイナスに繋がってしまいます。単純に労働時間を増やして収入を増やすのではなく、キャリアアップや資格取得などによって出世や手当を得ていく考え方が結果的にご自身の成長にも繋がっていくでしょう。

残業時間を今以上に短縮する方法

最後に、今以上に残業時間を短くするためのポイントについてまとめました。

月に20時間程度の残業が続いている方は、次は定時上がりができる日を増やしていくことを目指しましょう。

たかが1日1~2時間の違いかもしれませんが、数時間でも自分の時間が増えれば、仕事とプライベートによりメリハリを付けることができてくるでしょう。

効率的に仕事を済ませて定時に帰る

少しでも残業を減らすために、業務の効率化をいま一度考えてみましょう。

例えば、出勤前に早く来て業務の準備をしている方は、前日の定時前から準備を進め、その日は残業もせずに翌日も余裕を持って仕事を開始できるサイクルを作ってみるのも良いでしょう。

他にも業務効率化に繋がるツール導入を検討してみたり、仕事終わりに予定を作っておくなどすることで、少しでも早く仕事を終わらせることができてくるでしょう。

今より残業が少ない会社・業界に転職する

今よりもさらに恵まれた環境を望むのであれば、転職を考えてみても良いです。

会社や業界によってはそれ以上個人の努力で残業を減らせないこともあるでしょう。例えば、二交代制で代わりの人が出勤するまでは帰れないなど。

国を挙げて働き方改革を推し進めている昨今では、“働きやすい職場”づくりに真剣に取り組み、積極的にアピールしている会社は意外と多いものです。

フレックスタイム制や年間休日が多いなど、短く効率的に働くことを目指している企業に注目して職場を探してみると良いでしょう。

しかし、毎月20時間残業の会社は、他と比べてみても残業が短い会社だと言えるでしょう。労働時間の短縮だけを目的とした転職には注意が必要です。

面接で「朝強い?うちはみんな6時くらいに来てるよ」「体力ある?大体みんな11時ごろまで残ってるけど」「根性ある?お客さんが厳しいのでメンタル弱いともたないよ」って聞かれたことがある。面接官も顔死んでたし、マジなんだろうなって思った。求人には残業20時間程度って書いてあった。

引用元:Twitter

このように求人票では「残業が少ない」と書かれていても、実態は不明な企業もありますので、企業のリサーチは十分に行ってください。

1分でも残業をしているのに未払いの残業代があれば残業代請求を検討

月20時間程度の残業でも残業代にして数万円になってきます。もし正しく支払いがされていないようであれば、未払い残業代はしっかり請求する方向で考えてください。

残業代は残業した方が受け取る対価ですし、会社からしてみれば残業代は余計な支出となるため余計な残業を削減する方向に動くことも多いです。未払い残業代の可能性が考えられる方は、就業規則や実労働時間などが分かる資料を準備して弁護士や労働基準監督署に相談しましょう。

まとめ

月20時間の残業は、平均残業時間と比べても短い残業時間と言えますし、残業20時間未満であればホワイト企業と感じる方も少なくありません。

1日平均1時間程度の残業ですので、本人からしてみてもそこまで残業している感覚が薄いのかもしれません。しかし、法定労働時間を超えて働いた残業(時間外労働)には、割増賃金として残業代が支払われなくてはなりません。

もし、未払い残業代の疑いがある方は、一度情報を整理して弁護士に相談してみることもおすすめします。

きちんと残業代も支払われている会社であれば、労働条件的には恵まれた環境にいることだろうと考えられます。さらに良くしていくためには、定時上がりができる日数を増やしていき、残業代以外での給与アップができるような努力をしていきましょう。

参考:【残業30時間はホワイト?】平均残業時間と徹底比較!

参考:ホワイト企業とは?特徴・探し方を解説

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本記事はベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ労働問題(旧:労働問題弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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